世界の見方を変えてくれた人

生きること、死ぬこと。            覚えること、忘れられること。
消費すること、消費されること。
目の前の人、目に見えない沢山の人。

この舞台をみて私も上田竜也という一人の人間を消費している一人であるということを突きつけられてすごい衝撃で頭を殴られた気がした。

上田くんはこういう人だと思い自分の理想を押し付けて応援しているのではないか。ファンのあり方を問われるようなそんな舞台でもあった。

SNSが発達した現代では昔と比べてさらに人の目が常にある世の中になっていると思う。彼が誰かのコンサートを見にった、舞台を観劇していた、その時どんな服装だったなどレポが流れ私たちはプライベートの彼らを知ろうとする。私もどんな様子だったのか知りたいしレポは見てしまう。それだって常に「あいつらは見ている」ということになる。2幕の終盤でポールはマネージャーに「あいつらが見えないのか」といい客電に明かりがついて今まで暗いところで見ていた私たちが照らされる。その瞬間、今まで見ていた自分に罪悪感を覚えた。私たちは舞台の話としてロックスターポールの裏側(プライベート)を見ていたはずなのに、あっという間にポールをいつも見ている厄介なファンへと変わってしまったのだ。こそこそ見ていたつもりでも彼は姿、視線を常に感じているのかとゾッとした。初めての観劇の日はその演出の後、なんだか双眼鏡を覗くのすら憚れてしまった。(二回目の時はまた普通に双眼鏡使ったけど。)

表舞台に立つ人間の裏側、孤独や不安を、Birdlandを通して垣間見た。それがこの舞台の主題ではなくてもアイドルのファンである以上そういった見方もしてしまう。実際に上田くんが15年以上のアイドル活動の中でどんな感情を持っているのかなんて分からない。そして私も正しい応援の仕方なんてわからないし応援の仕方も人それぞれだと思うから自分の正義を振りがざすつもりはない。

だけど上田くんがファンのことを大切に思ってくれて、笑顔でいてほしい悲しい思いはさせちゃいけないと言ってくれるなら、これからもそんなふうに思ってくれるようにアイドルとファンという境界線を、立場を忘れずに応援していかなければと思いました。そして今日もアイドルとして私たちに元気をくれるあなたがどうか健やかにいてくれることを願っています。


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