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朝のまじめなコント

この頃毎朝実家に行っています。

6時半の朝勤めに参拝するためで、今までずっと逃げていたけれど、両親が高齢になり、実家の教会の手助けをせねば・・・と、やっと本気で思ったという次第です。

朝勤の後は朝食なので、父の手を引いてキッチンへ・・・
やっとの思いで椅子に座らせ、ご飯をテーブルの上に置き、冷蔵庫から卵を取り出し、父に渡すと、自分で割って、醤油をかけてかき混ぜて、食べ始めます。
父の前には母が座っていて、その時、母が
「お父さん、歯が入ってないで」
と言います。
父はボケているので、入れ歯が入っていないことにすぐには気づけないし、
もしかしたらずっと気づかずに食べているかもしれません。
私は、父が食べた卵かけご飯を飲み込むのを待って、父を洗面所に連れていきました。
父は洗面所の入れ歯のケースに指を突っ込んで、入れ歯を探しますが、手に当たらなかったので、その下の別のケースの入れ歯を取り出して、水で流してから、口に入れますが、はまらないのか、モゴモゴしています。
「違うな」
と言うので、私はキッチンにいる母に
「お父さん、入れ歯がないって言うてる」
と言うと母は、まるで全てを見ていたかのように
「下のは私の歯や」
と言いました。
「どこにあるん?」
と父の入れ歯の場所を聞くと
「寝床にあったかもしれん」
と母が言うので、再び父の手を引いて、今度は両親の寝室に向かう。
やっとの思いで辿り着くと、父はそこにあった椅子に座ってしまったので、私が父の布団の周りを探すと、上の歯と下の歯が離れたところに転がっていたので、それを父に渡して、父は入れ歯をそれぞれの手に片方づつ持ったまま、私に手を引かれて、洗面所に行った。
持っていた入れ歯を水ですすいで、口に入れると今度はピタッとはまったらしい。そして、またキッチンに向かって、やっと父を椅子に座らせた。
その間10数分・・・
そして私は母に聞いた
「お母さん、入れ歯してんかったんか?」

まるでコントや!!
父に歯が入ってないと言った母も歯が入っていないのにご飯を食べていたなんて!!

いつもは妹が全部してくれているけれど、今朝はいないから、父のおむつも変えてほしいと頼まれていた。
私が行った時母が言った。
「今日はな、ありがたいことに、お父さん、5時半くらいにおしっこ行って、その時にオムツが濡れてて、それが背中まで行って、シャツも濡れてたから全部着替えさせたんや、もうオムツは替えんでもええで」
と。母は、私がオムツ替えをしなくても済んだことをありがたいと言ったのだ。

父は90歳で、ボケているけれど、デイサービスに週3回行かせてもらい、トイレも、ご飯も自分でできる。歩くのはものすごく遅くて、10歩も歩いたら疲れてしまうけれど、朝、夕のお勤めにはたいてい座っている。

母は、87歳で、出来ることは人に頼らず、全部自分でやろうとする。畑仕事と、お漬物をつけたり、花の世話などをして、得意のミシンで、小物を縫ったりし、父が夜中にトイレに行く時もついて行っている。

この母がいてくれる事がどれほどありがたい事か!!そして、父は私たちに信仰を教えてくれた。今日は、なんだかとてもありがたさを感じて、この両親のおかげで今の私の幸せがあるって思えて、ありがとうって言って、それが言えた事が嬉しかった。

あと何日、一緒にいられるだろう

感謝の日々

読んでいただきありがとうございます✨



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