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東京レストラン7店から、母国情緒を転送します #来世彼氏に生まれたら

茶色が好き。わがままでミーハーな君の好きな色。お弁当は唐揚げ、きんぴらごぼう、卵焼きがあれば気分上々なんて白米好きの君らしい。嫌いな言葉は「フツウ」。苦手なことは媚びること。

さて、不機嫌な君を連れだす謳い文句に、まだ見ぬ国の母国情緒はどうだろう?「はじめてなのに、懐かしい」と言ってくれたなら、前世の遺伝子とハイタッチしたも同然だ。

WORLD BREAKFAST ALLDAY :全世界(外苑前)

日曜の朝起きれたら、外苑前で待ち合わせない?

「ワールド・ブレックファスト・オールデイ」は2ヶ月ごとに国を変えて、世界各国の朝ごはんを提供するカフェレストラン。ペルーってどこにあるの?主食はなんだろう?そんな基礎知識の予習は必要ない。なぜなら、写真右のフライヤーにイラストつきで歴史や文化をまとめてくれているから。

2015年5月訪問時はペルーの朝ごはん。朝からしっかり塩見の効いた肉とパン。写真下、2017年5月はスイスの朝ごはん。2種異なるチーズに、お粥のようなヨーグルト、ハイジパンにはしゃぐ君。僕は君のペーターになりたい。

各国ごとに変わる内装もあわせて注目していただきたい。朝ごはんを通して歴史や文化を知る、なにより君が朝からご機嫌でたまらなく嬉しいよ。

🍴WORLD BREAKFAST ALLDAY
営業時間:7:30~20:00
アクセス:東京都渋谷区神宮前3-1-23 1F
http://world-breakfast-allday.com/
4/26〜原宿(明治神宮前)に2号店オープン予定
※片想いのあの子を朝誘える度:★★★★☆
※母国情緒メーター:★★☆☆☆


クリスチアノ:ポルトガル料理(代々木上原/代々木八幡)

魚も野菜も、うまみが永遠に追いかけてくる。舌に染み渡るグルタミン酸、恵みの雨。

絶対食べたい一品が決まれば、あとはスタッフさんに料理もワインも、組みあわせを聞いてみよう。鉄板だけがライブ感ではない。メニューには「バカリャウ」という名前の料理がよく登場する。タラの塩漬けなのだが、一品入れておけば陽気な響きに誘われて、普段飲まないワインに手がのびる。

おいしいと言いながら、少し寂しげな君。故郷に何かを、誰かを残してきたの?そう言えば「サウダージ」という言葉はポルトガル語みたいだね。君の瞳にたたえる郷愁や憧憬を、覗き込んでもいいかい?

ちなみに奥様が手がけるエッグタルト専門店「ナタ・デ・クリスチアノ」は言わずとしれた郷土菓子の名店。パステル・デ・ナタと呼ばれるエッグタルトは、焼き立てはもちろん、冷凍による延命措置も可能。チキンの入ったエンパナーダは意外にジャンキーで、母語を忘れ去るほどの衝撃的おいしさにゾッコン。

🍴クリスチアノ
営業時間:18:00~24:00
アクセス:東京都渋谷区富ヶ谷1-51-10 プリティパインビル1F
http://www.cristianos.jp/ 
※片想いのあの子を夜誘える度:★★★★☆
※母国情緒メーター:★★★☆☆

🍴ナタ・デ・クリスチアノ
営業時間:10:00~19:30
アクセス:東京都渋谷区富ヶ谷1-14-16-103
http://www.cristianos.jp/nata/menu.html 
※片想いのあの子を昼誘える度:★★★★★
※母国情緒メーター:★★☆☆☆


ミンスクの台所:ベラルーシ料理(六本木一丁目)

ミンスクは世界がゆるやかに郷愁を育む場所ではないだろうか。テーブルセットは、まるで冬の山荘レストラン。ああほら君も、その人形のスカートの中が気になっている。

さて、写真右は霜降り和牛ではない。「毛皮のコートをきたニシン」だ。ニシンとビーツのサラダなのだけど、どう食べたってぼろぼろと崩れていく。「そんな緊張しないでちょうだいな」と歩み寄るタイプの一皿。

写真左:サワークリームが溶けるとほんのりピンクに変容する「ボルシチ」。ビーツ、ディル、たまにお肉。スプーンでひとすくい、とこしえの愛。

写真右:「キエフ」。サックリ揚げたムネ肉の中は、バターの滝。君のいたずらはいつだって確信犯。

🍴ミンスクの台所
営業時間:17:00~22:30
アクセス:東京都港区麻布台1-4-2(六本木駅からは徒歩10分)
http://restaurant-minsk.tokyo/
※片想いのあの子を夜誘える度:★★★☆☆
※母国情緒メーター:★★★★☆


HANOI&HANOI:ベトナム料理(北千住)

「ただいま〜〜おかあ〜〜〜さぁ〜〜〜ん、喉かわいた〜〜〜〜ぁ」

幼い君の声が聞こえたような気がして。サンダルを脱ぎ散らかして扇風機を【強】にする。はだけたキャミソールから、思わず目をそらす。

夏のランチタイムなんか、もうたまらない。何がって、2階の窓まで伸びた朝顔のツタ。雑多な小物や雑誌に、日々の営みと情緒が滲む。ベーシックなフォーと春巻きのランチセットは裸足で食べたいよね。「バインミーも気になるね」って言いながら、君はいつも鶏のフォー。わかるわかる、好き。

🍴HANOI&HANOI(ハノイハノイ)
営業時間:ランチ 11:30~15:00
カフェ・ディナー15:00~21:00
アクセス:東京都足立区千住1-28-13
※片想いのあの子を昼誘える度:★★★☆☆
※母国情緒メーター:★★★★☆


シルクロード・タリムウイグルレストラン:(西新宿/初台)

「どこか遠くへ、消えてしまいたい」そう言う君にお供するのが運命ならば、ありがたく手をとりますとも。新宿から徒歩15分、喧騒から君を逃がす道中駆け込むならここ。「長い旅の途中、懐かしい味に救われた」。シルクロードを旅した商人たちのノスタルジアに、答え続けた結果生まれた店ではないだろうか。

写真右:にんじんと春雨のサラダ、きゅうりと羊タンのサラダ。この2つがシルクロードを渡った遺伝子の記憶を呼び覚ます。時空を超えしスピリチュアルな冷菜。

写真左:手打ち麺。厨房でバンバン打ってる。麺自体がしょっぱい。肉はラム。

写真右上:ナスの肉炒め。肉はラム。焼肉みたいな味がする。見た目と味のギャップがすごい。味覚の脱出ゲームはこちら。

写真右下:ミートパイ。もちろんラム肉。あれもこれも、だいたいラム。特に注釈のない「肉」と書かれた料理はラム。とにかくCOOLでWOOLでウメェ〜〜〜〜!!

食べ終わる頃には「随分遠くに来てしまったなぁ」なんて、ここまでの道のりをもう一度、一緒に歩きなおそう。

🍴シルクロード・タリムウイグルレストラン
営業時間:17:00~24:00
アクセス:東京都新宿区西新宿3-15-8 西新宿バールビル
http://oasis-tarim.com/foods/index.html 
※片想いのあの子を夜誘える度:★★☆☆☆
※母国情緒メーター:★★★★☆


クンメー:タイ料理(新大久保)

「新大久保?明日仕事だから、韓国料理はちょっと。ニンニクがね。」

そんなこと言わずに、と強引に連れ出す夜があってもいいんじゃないかな。ちょっと珍しいものを食べてみない?フツウが嫌い、茶色いものが好き。ちなみに珍しモノ好き、実はミーハーな君はもう改札を出た。ここは韓国料理の聖地・新大久保にあるタイ料理レストラン。

ここ「クンメー」は、「ミエンカム」が食べられる都内でも珍しいタイ料理店。

ミエンカムはレタスや郷土野菜に具を包んで食べるヘルシーで、ゴージャスな前菜だ。具はピーナッツ、乾燥海老、ニンニク、たまねぎ、唐辛子、レモンなどなど。あ、ほらもう組みあわせを考えて、ワクワクを隠せていない。

お水が三種の神器みたいなグラスにはいってくるので、神様みたいに見える。まばゆいほど、美味しそうに食べる姿は、きっと神様。

🍴クンメー 新大久保本店
営業時間:11:30~24:00
アクセス:東京都新宿区百人町1-10-7 大森ビル
http://www.khunmae.net/ 
※片想いのあの子を夜誘える度:★★★☆☆
※母国情緒メーター:★★★★☆


天香回味:モンゴル・薬膳火鍋(日本橋本店・他7店)

60兆もの居住者が
君という身体のアパートに住んでいる。
換気をしたいから君に呼吸をさせ、
栄養がほしいから君に食べさせ、
生まれ変わりたいから性欲がある。

このnote公開にあたって上記のエントリーも追記修正しました。冒頭の引用テキストの出どころが思い出せずモヤモヤしています。過去の日記に走り書きしてあった言葉が、あまりにもモンゴル火鍋における愛と細胞論を凝縮してあったので、思わず追記。

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残念ながら恵比寿のマイタイが閉店してしまいました。ベリーショートでぷっくりとしたお母さんがやってたお店。店頭にはリキシャーがあって、恵比寿にいながら東京カレンダー的男女と交わらない活動圏で、大好きなお店でした。

マイタイの「ソフトシェルクラブのカレー卵炒め」はこれまで食べたタイ料理レストランのどのソフトシェルクラブのカレー卵炒めより、美味しかったのに。とても、悲しい。

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来世のために行きたいリストを書いておく
🌏キャラバンサライパオ:アフガニスタン
🌏ダバインディア:インド
🌏ガテモタブン:ブータン


東京レストランの一皿に、とこしえの愛を込めて。



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