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酔いどれと、珈琲。夜の隙間の10店 #来世彼氏に生まれたら 北海道・すすきの出張編

#来世彼氏に生まれたら シリーズは来世で素敵な恋人になれるように、現世のわたしからの贈りものです。現世の記憶を引き継げなくても、大丈夫。インターネットは来世にきっとある。検索してね、未来の恋人たち。

繁華街のすすきのエリアを中心に、海の幸、ジンギスカン、モダンなレストランから"しめパフェ"まで、来世彼氏に生まれたら君と来たかった、と思う10店をご紹介します。

海味はちきょう/海鮮

ストップと言うまで溢れる、あふれる、こぼれる、イクラたち!1店舗目から最高にハイにならざるをえない、つっこ飯(いくらごはん)で有名な「はちきょう」。これぞ、欲望飯。魚卵みたいに小さな目も、まんまるになる訳だ。
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本店は座敷とカウンター席で60席ほど。一日の疲れを染み込ませて、形のやらかくなったビジネスマンたちのスーツが似合う店。

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海鮮は何を食べてもおいしいのはもちろん、ざんぎも侮れない。ジャガバターは美味しいけれど、胃袋の残容量と要相談。

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ホテルで仕事をしてから街に繰り出したことを後悔させない、1店舗で大満足の居酒屋。

🐟海味はちきょう 
住所:〒060-0063 北海道札幌市中央区南3条西3 都ビル1F
アクセス:地下鉄南北線すすきの駅 徒歩1分
電話:011-222-8940
営業時間:月~土 18:00~24:00(L.O.23:00)
日・祝 17:00~23:00(L.O.22:00)
定休日:無休
予算:5000円〜
公式サイト:https://www.hachikyo.com/ja/
※札幌に数店舗あるのですが、要予約(電話は15:00~18:00頃に)

めんめ/炉端焼き・居酒屋

わたしが東京カレンダー的港区おじさんだったら、いや、札幌カレンダー的すすきのおじさんだったら、絶対に店主と仲良くなっておきたいお店のひとつ。

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艶やかな赤暖簾をくぐる、カラリとのぞく店内。「アタリ!」というより、「大吉」なのだ。海の幸、山の幸がずらりと神様への供物のよう。カウンターに通されたなら、やおよろずの神様に仲間入り。

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メインの「めんめ」を待っている間にお刺身盛り合わせをいただきます。というか「めんめ」ってなんだ、どうやらお店でも推している魚のようだけど...。

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さてこの「めんめ」=キンキというお魚、酒蒸し(8000円)をオーダー。白身がふくよかでクリーミィ。箱入り娘を慣れないお酒で酔わせちゃったような、ピュアさへの一方的罪悪感でにやけが止まらない。

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ちょっとお高く感じるのですが、そもそも希少なため仕入れ値が高く、良心価格だそう。食べて後悔はない、わたしもあなたの胃ももろとも虜になったところで、せーの、メンメ〜〜〜〜〜ッ!!!

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「最後は雑炊で、あったまっていきな」大将の言う通り。

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🐟めんめ
住所:北海道札幌市中央区南3条西6 狸小路市場 内
アクセス:地下鉄東西線大通駅より徒歩6分 資生館小学校前駅から151m
電話番号:011-241-6810
営業時間:17:00-24:00(L.O.23:00)
定休日:日曜日
予算:8000円〜
※要予約

成吉思汗 マルタケ 薄野本店

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「成吉思汗」と書いてジンギスカンと読む。「薄野」と書いてすすきのと読む。グルメ漢字ドリルよりも難しいのは、雑居ビルにひしめくお店を通り抜け、GoogleMapでジャストポイントにたどり着くこと。

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さてここ、ジンギスカンマルタケに席を確保できたなら、希少な国産ひつじははずせない。アスパラを食べて育ったアスパラひつじは輸入羊肉よりもグルタミン酸的うまみが詰まっている。その他、希少部位があるかはSNSを要確認とのこと。

さらに何軒目の訪問であっても、塩ジンギスカンも見逃せない。すすきので数店舗取り扱うメニューらしく、たれの味でごまかすことなく、ダイレクトに羊肉のウブな美味しさが楽しめる。

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大将曰く、あいみょんさんが夢に見るほどに再来店を焦がれたんだとか。「飲み過ぎないようにね」と熱燗を勧めながら、すすきののオススメ店や、北海道民にとってのジンギスカンとはなんぞやと語る大将にまた会いたくて、夢に見たんじゃないかな。

🍖成吉思汗 マルタケ 薄野本店
住所:北海道札幌市中央区南5条西6 多田ビル 1F(複数店舗がビル1Fに入っているので暖簾を目印に)
アクセス:地下鉄南北線すすきの駅4番出口より徒歩約5分
電話番号:050-5595-5955
営業時間:月〜土:17:00~翌3:00 (L.O.翌2:00)日・祝日:17:00〜24:00(L.O.23:00)
予算:3000〜5000円
公式サイト:https://m.facebook.com/maruka.sapporo/

夜のしげぱん

なぜにパン?と思われるかもしれない、けれどこれが24時を超えてもどんどんパンが焼き上がり、順次追加されてゆく。夕方4時から、なんと朝4時まで営業。

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「ひろし」や「よしみ」など、明らかに愛着がはみ出したネーミング。あとで調べたらお客様の名前だそうで、どうりでスタッフさんが親密に呼ぶわけだ。「よしみ」、美味しいですよ。正々堂々と健全なパン屋で繰り広げられる会話が、お酒でふわついた頭にユーモラスに響く。

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旅先で忘れらない、女の名前のひとつやふたつ、あったっていいんじゃないかしら。パン屋の営業時間はその街の需要共有曲線と相関関係がきっとある、真面目ぶった単純な思考回路に小麦の甘さはどこまでも広がる。

🍞夜のしげぱん
住所:北海道札幌市中央区南5条西6 第5桂和ビル 1F(雑居ビルの中、少し不安になりますが女性でも入って大丈夫そうな雰囲気です)
アクセス:資生館小学校前駅から142m
電話番号:011-551-3922
営業時間:16:00〜翌4:00
予算:200円〜
公式サイト:http://www.shigepain.com/

gris(グリ)

⚠︎私的最愛レストランだったので情緒昂り気味です

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スーツケースを担いで登る、がつんがつんと響かせ4階へ。「ナチュラルワンと日本酒、お酒と料理のお店です。グリ」なんて気高い自己紹介、マイネームイズ、ときめきレストラン。

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新月と満月は、いつでも同時に存在している。死にたくなるほど哀しい気持ちで、食べるごはんが美味しいこともある。複雑なのに唯一的なものを愛している。そんな癖(へき)を見透かすランプはわたしの上にも灯る。

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「紀ノ川柿のサラダ」これが最初にして最大のインパクトを残していった。一口目からもうすでに食べ終わることを想像して、とても傷ついていた。柿、レッドキャベツ、ミネラル感のつよい葉物の妙に、劇的に打ち込まれた甘納豆。ドラマティックすぎるサラダ。

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メニューのかわいらしい手書き文字。修正テープで消されたメニューすら美味しそうで白いテープの向こう側を覗いてしまう。さて、このメニューから「滝川産合鴨ロースと季節野菜の焼浸し」を注文。

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多くの鴨と名のつく料理はあご運動エネルギーと旨味が等価交換なのですが、肩透かしにあった。この場合"あごすかし"なのかもしれない。緩やかに蕩ける甘い脂、合いの手を打つようにダシが沁みた野菜たち。

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さて、点心がとってもおいしいと聞いて注文せずにいられなかったしゅうまい(2個)500円。

最後はピスタチオのなめらかなる海を泳ぎきる。オールがすくうは、名残惜しくも甘やかな余韻。

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一つ下の階には「十一月」という古道具屋さんもある、気になっていたけれど、残念ながら買い付けで不定休だった。きっとまた、きたらいいさという置き手紙のように、錯覚したのは私だけじゃない。

🍴gris(グリ)
住所:北海道札幌市中央区南2条西8-5-4 4F
アクセス:西8丁目駅から193m
営業時間:月水~土:15:00~23:00、日:13:00~21:00
定休日:火曜日
電話番号:011-206-8448
予算:4000円〜7000円
公式SNS:https://www.instagram.com/gris_r_no_hou/
※予約推奨、訪問時平日でしたが16:00〜の2名枠でした

パフェ、珈琲、酒、佐藤

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さっそく期間限定の「無花果、 胡桃、かぼす」のパフェでございます。無花果のアイスクリームやグラッセ、胡桃のアイスクリームやムース、かぼすのソルベにブルーチーズのケーキ、リーフパイや和栗の甘露煮……

11月の淡い冬のによい、紅葉な鮮烈な色との別れ、季節のアイデンティティーが失われてゆく様な切なさ。

1200円とは思えないボリュームながら、シェアはおすすめしない。一口ごとに良い素材と、緻密に練られたパーツとの掛け合いは、最後までメロメロさせる。回転率の速さとパフェのクオリティが反比例する特異点。

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作り手の「溺愛」が詰め込まれたパフェで締める夜、食べ尽くして幸福に浸されてみては。

🍨パフェ、珈琲、酒、佐藤
住所:北海道札幌市中央区南2条西1-6-1 第3広和ビル 1F
アクセス:地下鉄「大通駅」「豊水すすきの駅」から徒歩2分
営業時間:火~木曜 18:00~24:00(L.O.23:30)、金 18:00~26:00(L.O.25:30)、土 13:00~16:00(L.O.15:30)、18:00~26:00(LO25:30)、日 13:00~16:00(L.O.15:30)、18:00~24:00(L.O.23:30)
定休日:月曜(祝日除く)
電話番号: 011-233-3007
予算:1000円〜※予約不可
公式サイト:http://www.pf-sato.com/


RITARU COFFEE

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札幌のコーヒーショップで見逃せないのが、RITARUコーヒー「燻製珈琲」と年輪のケーキがいただける。年輪というだけあってか、歳月の重み(ケーキの生地)は甘さ控えめ、深いコクと苦味の珈琲とあわせると、名状しがたい味わいが生まれる。

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りたる、は「利他の心」が由来なのか。コーヒー豆の焙煎や燻製、手間暇をかけてたどり着いた一杯に、なんとも美しい哲学があるものだ。

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北海道の良さは海鮮やパフェだけじゃない。土地ならでは、人となり、店の哲学をカップ一杯に落とし込む、コーヒーという装置は偉大すぎる。

朴訥としながら凛としたパッケージはコーヒードリップバック。東京のキッチンで淹れたコーヒーからは、燻製で閉じ込められた深い木々の香りに北海道への好きが加速する。

☕️RITARU COFFEE
住所:北海道札幌市中央区北3条西26丁目3-8
アクセス:最寄り駅「東西線西28丁目駅」から徒歩3分。
営業時間:10:00~20:30 土日祝 9:00~20:30
電話番号: 011-676-8190
予算:500円〜
公式サイト: http://www.ritaru.com/


森彦珈琲本店

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円山公園近く、住宅地のなかに灯るは森彦珈琲の本店。カフェでも喫茶店でもない、ここは森彦なのだ。ガトーショコラにチーズケーキ、シブーストにクッキーも。かっこつけるつもりが、甘やかして、秘密にするつもりが、筆をとって。

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どこでもない、ここだと言える場所はあといくつ、見つけることができるだろう?(森彦比較:PC作業よりも読書やお手紙、おしゃべりに)

☕️森彦
住所:北海道札幌市中央区南二条西26-2-18
アクセス:市営地下鉄東西線「円山公園駅」から徒歩4分
営業時間:10:00〜21:00(L.O 20:30)
電話番号: 011-622-8880
予算:500円〜
公式サイト:https://www.morihico.com/


MORIHICO.STAY&COFFEE

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森彦が監修するリノベーションホテル。もちろん1Fにはコーヒーショップがどっしり構える。菊水エリアは繁華街から少し距離があるので心穏やかに過ごすならもってこい。

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数百冊の選書がずらり、フリーWi-FiもありPC仕事もばっちり。森彦系列は各店舗にしかないケーキやフードもあるので、ショーケースをじっくり見てしまう。こちらは洋梨のタルト。パスタやクラフトビールもあるなんて、夜ひきこもって執筆してもいんだよ、と囁かれているようだ。

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いつか泊まってみたいなぁ。↓は公式サイトより。

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☕️MORIHICO.STAY&COFFEE
住所:北海道札幌市白石区菊水1条1-3-17 HOTEL POTMUM
アクセス:地下鉄東西線「菊水駅」2番出口徒歩3分
営業時間:7:30~23:00
電話番号:011-826-4501
予算:500円〜
公式サイト:https://www.potmumhotel.jp/

モリヒコ TSUTAYA美しが丘店

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美しが丘を走ると、真っ白のTSUTAYAが現れる。真冬にみたらきっと雪の擬態だ。"とっておき"は姿を隠して見つけてもらうのを待っている、そんな気がする。

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言わずもがなTSUTAYA書店や雑貨、パン屋さんなどがゆったりと、ほどよい感覚を保ちながら、身を寄せている。

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シェアオフィスさながらの空間。平日はどこでも選びたい放題。もちろんソファ席もあるし、フリーWi-Fiもある。コーヒーが冷めてゆくのが寂しくて、両手で熱を閉じ込めようとするけれど、わたしの両手があったまっていくだけなんだ。

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インダストリアルな空間で、北海道最後の時間を過ごすのもいい。白い箱には、最後まで名残惜しさを引き伸ばしてくれる、特別な一杯がある。

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☕️モリヒコ TSUTAYA美しが丘店
住所:北海道札幌市清田区美しが丘3条4-1-10
アクセス:中央バス「美しが丘3条5丁目」停よりすぐ ※車だと空港に帰る途中に寄れる
営業時間:9:00~24:00
電話番号:011-886-0100
予算:500円〜
公式サイト:https://www.utsukushigaoka-t.com/


出張で訪れる北海道は、いつも鮮やかなネオン看板が夜に映えている。路面店は安心感があるけれど、不安と期待に急かされながら足を踏み入れる雑居ビルに路地裏、すすきのは商店街・市場と名のついた「ビル隙間的路地」に美味しさの次元を超える店がある。

季節の移ろいに乱されることなく佇む珈琲店の、堂々たる姿に勇気づけられたりもする。すーっと伸びる湯気をたどると、珈琲のしずくたちが静けさをたたえている。

君を思い出すのを寒さのせいだけにしたくない。そんな美味との遭遇をまたいつか、と思わずにはいられない。


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noteで来世なごはんについて語るラジオはじめました。ゆるりとどうぞ。



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