IMAIKE GO NOW 3年目の彼女は。

the asaminです。昨日に引き続き、IMAIKE GO NOWのライブレポートですが、その中でもNakamura Emiさんのライブについて。

Nakamura EmiさんはIMAIKE GO NOW3年連続出演されています。そんな彼女が見せてくれたものとは?


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IMAIKE GO NOW2日目のボトムライン、トップバッター。

ステージ袖から静かに現れた彼女は、立ち位置につくと、「こんにちは、Nakamura Emiです。よろしくお願いいたします。」とお辞儀をして挨拶。いつも礼儀正しい彼女。赤いチェックのニットに、黒かグレーのおじさんパンツに、アディダスの白のスニーカー。そしてトレードマークとも言える帽子(今日はキャップ)。いつも彼女はおしゃれ。

私はその時、一瞬で家を出るまでの自分に後悔した。ボイスレコーダーを忘れてきたことに気づいた。以前、他のライブレポートを書いた際、手書きメモから記事を起こすことに限界を感じてボイスレコーダーを買った。今日はボイスレコーダーを試すのにも絶好のチャンスだったのに。今日に限っていつものカバンではなくて、入れてくるのをすっかり忘れてしまった。。。

セトリは間違いないのだが、少し言葉が違ったり、話す順番が違うかもしれない。すみません。


ところで、最近の記事にも登場したNakamura Emiさんの新譜「NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.4」が発表されてから、初のライブ鑑賞。今までで一番離れた場所から聴くことになるが、かなりわくわくしていた。


「IMAIKE GO NOWは3回目で、一番最初はバレンタインドライブでした。去年がこの下のBL cafe。そして今年はこんなに大きいボトムラインに出さしてもらえて本当にうれしく思っています。」

「まずは、こういう人になれたらいいな、なりたいなというのをイメージして作った曲をやります。」と話して歌われたのは、新譜より「Rebirth」。ギターでリズムを刻むカワムラさんにくぎ付けになりながら、CDで感じたグルーブを味わう。

なりたい自分があるだろう なれない理由を並べるだろう

の部分では、しっかりと客席の顔ひとりひとりをみて問いかけてくれた。彼女の初めての他者への問いかけ。

また、

着飾る事を忘れた言葉で 私の心の景色を
ここで叫ぶんだ 叫ぶんだ oh-!!! → IMAIKE GO NOW 今日はありがとうー!!

と歌詞を変えて歌ってくれた。あれ、今日の彼女はなんか違うぞ?


「つぎは、どうしても分かり合えない上司がいて悩んでいたけど、でもこんなことで悩んでるなんてつまらないなあと思って作った」という、前作から「I」。

あなたが見てきたものが でっかいかちいさいか わたしが決める

というところで、ぐっときた。あまりこの曲はフェスのセトリには入ってこないので、生で聴いたのは初めてか、1年前のワンマンの時聴いていれば2回目くらいか。他人の評価は気にしない、それ以上に、自分の価値観で生きるのだ、という強い意志を感じるこの歌詞が大好き。


「地元の男友達と話していて、女性とは違って男の人は仕事や結婚に対してこんな風に考えているんだなと思ったことがきっかけでできた」という「スケボーマン」。昔からの曲が続く。「YAMABIKO」の次にライブでよくやっていた印象があるこの曲。私はてっきり、昔の彼のことを彼目線で歌ったものだと思っていて、、、なんだ、勘違いだったみたい。


「みなさんありがとうございます」と、MCは和やか。そしてけっこうおもしろい。カワムラさんを立てながらもディスる。いじられるとすぐさまツッこむカワムラさんとも息がぴったりで、会場が自然と笑いに包まれるのは、1年前から変わっていない。

そんなカワムラさんと「初めて共同で作り上げて、こういう作り方は初めてでとても気にっている」という「ボブ・ディラン」を歌う。「私、夏になるといつもある光景に出くわすんです。そのことについて喫茶店でだらだらと、広告(チラシ)の裏に歌詞を書いてたんですよ。でもまとめられなくて。そしたらカワムラさんがその歌詞をみてギターを弾き始めて。メロディがいいなあって思って、しばらく隣で弾いていてくださいって言って、歌詞を完成させました。」
ヒップホップ感はなく、私にとっては新しいNakamura Emiさんを感じた曲でもある。肩の力を抜いて、大事な仲間とゆるりゆるりと作り上げたものだったのだなと思い、腑に落ちた。


「家族のことを歌った曲をやります。」と来て、すぐさま、ああ、あの曲だと思った。「みなさん家を出てたことってありますか?ある人はわかるかもしれないんですが。。。私はワーっと勢いで家を出てきて、いろんなことがあって30代で実家に戻った経験があります。今実家に住んでいるんですが、親も弱くなっていて、こうやって一緒にいられるのは尊いことなのだなあと思うようになりました。いま大切な時間を過ごさせてもらっています。」と話して「めしあがれ」。
わたしは去年のIMAIKE GO NOWでもこの曲を聴いていた。一人で来ていたのに、ボロボロと泣いたのをよく覚えている。なんて優しくて強い歌なんだろうと思った。5月のワンマン(得三)では、IMAIKE GO NOWで知り合った人と一緒にこの曲を聴いた。まだそんなに仲良くなっていない人といたのに、その時もやはり私は泣いてしまった。そして今回も、案の定涙が止まらなかったのだ。

家族に恵まれた、とは嘘でも言えない私は、この曲を聴くと苦しくなる。こんな優しさが持てなかった自分の心のさみしさを思い出してしまう。私も一人暮らしの経験を経て、前向きではない理由で実家に戻った身。Nakamura Emiさんと重なる部分もある。家族には感謝もあるけど、苦しんだ思い出も多くあり、優しい気持ちを持てないでいるのだ。いつかこの曲のように、自分のダサさも、家族の嫌なところも、すべて許せる日が来るのだろうか?もうあまりにも時間が経ちすぎてしまって、許すとか許さないとか、なんとかしたいとか何もないのだけれど。でもそんなことを考えて聴いていた。


次は「大人の言うことを聞け」。新譜からの曲にもかかわらず手拍子が起こった。すると少し驚きながらも、満面の笑顔を客席にむける彼女。「飛び跳ねて喜んでいる」ように見えた(実際は飛び跳ねていない)。そう、彼女のライブではこれまで手拍子は起こりにくかった。悪い意味ではなく、みんなが聞き入ってしまうからなんだけど。

歌い終わると、「あ~、手拍子初めてもらいました!名古屋のみなさんやっぱりすごい!うれしいです、ありがとうございます」と喜んでみせた。おやおや、やっぱり今日の彼女はなんか違う。


「去年メジャーデビューして、ライブしたり、いろんなフェスに出さしてもらったりしてきたんですが、、最初はすごく不安だったんです。でも今はいい仲間に支えてもらいながらやれていて、すごく幸せです。メジャーデビューして、書き直した曲を歌います」と「メジャーデビュー」。彼女が出べそまで出てきてくれたのも、私は初めてみた。そういうステージでのライブにたまたま当たっていなかっただけかもしれないが、彼女のテンションが相当上がっているのが分かった。


「それでは最後の曲は、みなさんに会わさしてくれた曲です」と「YAMABIKO」。さすがに会場にいるほとんどの人が知っていたのだろう。客席も「わー!」と反応して、自然とまた手拍子が起こる。なるほど彼女は「YAMABIKO」を一瞬超えなきゃと思ったけども、この曲のおかげでたくさんの人に出会えて今の自分がいるんじゃないかと考えるようにしたんだなと分かった。実際にそうなのだからそもそも本当に超える必要なんてないのだ。一番最初にたまたまいいものができただけで、どのタイミングで発表されても「YAMABIKO」はいい曲だった。そして他にもいい曲をたくさん持っている。
この曲はライブでは鉄板だが、サビの「オーオーオーオ」のときに客席にマイクを向け、お客さんに歌ってもらうという演出も、これまた初めての光景だった。


「みなさん今日はありがとうございました。後で物販のほうに私もいくのでよかったら見に来てくださいね。それではこの後も素敵な方々がたくさん出るので、最後まで楽しんで行ってください。ありがとうございました!!!」と深々と頭を下げた。いつもニコニコして、幸せそうだけど、今日は心の底から満足した顔だった。


客席の照明がついて、すぐさま1階へ降り物販へ行くと、すでに階段下まで列ができていた。物販列とサイン列で分けられていたが、私はサイン列に並んだ。
しかし新譜のCDを持ってくるのを忘れた私は、ライター活動で使用しているもらいものの手帳を手にしていた。でもサインよりも、話がしたかった。手帳は急いで席から移動してきたためにリュックに入れられず持っていただけ。
すると、スタッフが私をみて、「CDにしかサインできないんですよ」と言った。私はすかさず「サインはいいです。少し話がしたくて」と説明した。スタッフは「いいけど、サインの人が終わったらにしてください。列からちょっと出ていてください」と言った。「まじか…」と思って、いやいや少しだけ横へずれると、私たちの会話を聞いていた私の前に並んでいたお兄さんが、「僕の前にどうぞ、アーティストさんはそんなこと気にしないと思いますよ」と優しく声をかけてくれた。「いやでも…」ともじもじしていると、「どうぞどうぞ、あの人(スタッフ)もう後ろ行っちゃったし見てないよ」と言ってくれた。私はお兄さんのお言葉に甘え、すぐにNakamura Emiさんと話すことができた。
「今日すっごく楽しそうでした!」と率直な感想を述べると、「うん、今日は本当にたのしかったです!」とお世辞ではないと思える返事が返ってきた。いまだに彼女は、ひとりひとりの目を見て話をしてくれ、握手し、丁寧にありがとうを伝えてくれる女性だ。

お兄さんにもお礼を言った。「またライブで会えたら、ぜひお話しましょう。」


ライブ中、「私のアルバムは、デビュー前から「NIPPONNO ONNAWO
 UTAU ○○」なんですが、いつか本当にいい女になったら、CDのタイトルを「NIPPONNO ONNAWO UTAU○○」じゃなくて「にっぽんのおじさんをうたう○○」とかに変えます」と冗談交じりで話していたが、本当にそのつもりならもう次回から変えていいと思っているのは、きっとわたしだけじゃないはずだ。 IMAIKE GO NOW3年目の彼女は、一味違ういい女だった!


5/29のクアトロでのワンマンは、名古屋公演としては今までで一番大きい箱なのではないだろうか?楽しみで待ちきれない。


私の手帳。


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