Suchmosライブレポート「THE KIDS」ツアーin名古屋

4月18日(火)ダイアモンドホールにて行われたSuchmosの「THE KIDS」ツアー名古屋公演2日目について、簡単にまとめておく。

まず「 S.G.S」がSEとして会場に流れる。

メンバーが登場し、YONCEが「ダイアモンドホール!Yeah!」と叫んで、1曲目は「A.G.I.T」。CDJでも披露されたが、2月に相次いで発売されたSuchmos特集の雑誌にて”フジロックのグリーンステージを想定して作られた”ということを知ってから聴くのは初めてだった。

2曲目は「YMM」。とても2曲目とは思えない大歓声。指笛が絶えずならされる。

YONCEが「天むすピーポー!NEXT TUNE!」と言って始まったのは「ALRIGHT」。「オーライ!」と合いの手が入る。(Suchmosのライブで合いの手を聴いたのも初めてだった。)

曲が終わっても、拍手や名前を呼ぶ声が止まなかった。ライブのフィナーレのような盛り上がりで、明らかに客席は高揚していた。

YONCEは「改めましてSuchmosです!この前(一昨日の名古屋公演)は、ここのところシーンって感じだったんだけど今日はいいねえ!ツアー16本目!名古屋ダイアモンドホール2デイズ!」と簡潔に話し、テンポよくライブを進行していく。

4曲目は「PINKVIBES」。『THE KIDS』のアルバムが発表され、MV動画がいち早く公開された曲。照明がピンクになる。

5曲目は「BODY」。『LOVE&VICE』にて「STAYTUNE」とともに収録され、『THE KIDS』の最後を飾る曲。「へらへら笑ってたい気分」のユニゾンがたまらなく幸せを感じる。

YONCEが「バンド史上一番規模がでかく、期間も長いツアーだけど充実してるよ、ありがとう!みんな音楽好きでしょ?こうやってライブハウスが埋まっている間は、世の中大丈夫だと思ってます。これからもよろしく。一緒に夢をおっかけましょう」と語る。

6曲目は「S.G.S3」。少しアレンジを加えたライブバージョンで。

7曲目は「Mint」。もはや「STAYTUNE」に並ぶ名曲。ラスサビを全員で合唱する。

「ツアー”THE KIDS”第16節!名古屋グランパスエイト!早いものでハーフタイム。やることと言えば一服だね。タバコでも吸おう」とサッカー好きなYONCEらしく、地元グランパスの名前を呼んでくれた。

もちろん8曲目は「TABBACO」。「クソ混んだ電車で~」のキラーフレーズを会社の行き帰りに聴いて数か月過ごしてきた私だったが、イヤホン越しではなくいよいよ生で聴くことができた。決して社畜にはなるまいと決意を新たにした。

ここで新曲を挟んだが、残念ながらタイトルが聞き取れなかった。

9曲目に「GAGA」。

YONCEが「今日、火曜日?明日仕事の人、起きれないね。残念(笑)。…起きれるようにスヌーズを」というと10曲目は「SNOOZE」。

続いて「DUMBO」で、圧倒的にヘビーなサウンドが会場に響き、大盛り上がり。

さらに今やCMでおなじみとなった「STAYTUNE」が。しかし2016年までと違うのは、「Oh、Oh」の合いの手が入ったことだ。曲が終わると、大歓声。「すっげー!」と叫ぶ男性もいた。

本編は1時間ほどだった。

そしてアンコール。「Suchmos!」と叫ぶ1人の男性が現れ、一緒に叫ぶ人と合いの手を入れる人とで会場が分かれてアンコールするような状況となった。

しばらくすると、メンバーが再びステージへ。「改めてSuchmosです!それぞれの楽しみ方で楽しんでね。」とアンコールが始まった。

まず「Miree」。初めてSuchmosを見た、昨年のイマイケゴーナウのステージを思い出していた。そのころはSuchmosについての情報はほとんど全くなく、ただただ「彼らは何者なんだろう?」と圧倒された。同い年くらいというのを、ライブ後に知り驚いた覚えがある。2番Aメロの歌詞を「栄で待って」に変えて歌った。

次は「SEEWEAD」。ソロが始まるところで、客席にコールを求めたYONCE。「TAIKING、ヘーイ!」と全員でコールするが、なぜか弾き始めないTAIKING。一瞬、「まさかミスった…?やば、かっこいい(←)」と思ったが、どうやらコールが小さかったようだ。

2回、3回、呼んでもだめ。4回目で少し弾いてくれたが、ちゃんと弾き始めたのは5回目だった。その後Key.TAIHEIへ引き継がれ、YONCEがKeyのメロディに合わせて歌う。客席にもふるが、いまいち歌えていない天むすピーポー達。

「これは練習しといてください。(笑)前(一昨日の名古屋公演)はよかったです。(今日のみんなは)ノリはいいけど、歌はー…」とYONCEが言うと、「えー!!」「もう一回!!」と客席が叫ぶ。

気を取り直してチャレンジすると、「これはもう、(100点)あげます。」と言ってくれた。「おとといに続いて、(会場を)パンパンにしてくれた親愛なる名古屋のみなさんに」…

このライブ最後の曲は「PACIFIC」。イントロが始まり、「今日は楽しかったよ。なんで楽しかったと思う?みんながそれぞれのやり方で楽しんで、自由に踊ってたからだと思います。これからどんどんそうなってほしいです。また会いましょう、Suchmosでした」

「PACIFIC」を聴いて、今日初めてワンマンに来た実感が湧いた。
最後は盛り上がって終わるフェスの雰囲気に慣れてしまっていたことに気が付いた。最近ワンマンライブに行く回数が減っていたのだ。悔しくなった。

このライブでYONCEが一番伝えたかったのは、おそらく「音楽は自由に楽しむもの」ということだ。それは言葉にして伝えていたことと、YONCEはじめSuchmosのメンバー全員が自由に楽しんで演奏していたからだ。
影響力を持ち始めたSuchmosが「自由に楽しむこと」を促し、実践する若者が増えて、日本の音楽シーンが少しすつ変わっていくような気がした。
決まった振付がある音楽の価値が高くなりすぎている現在を変えるのでは。
ポップスに近い音楽でサークルを作らせるパフォーマンスとしての「サークル」が減るのでは。

Suchmosが去年の夏フェスで感じたであろう、音楽に対する違和感を取り除いていくツアーなのかもしれない。約1時間40分、凝縮された時間だった。

彼らはきっと、本当に良い音楽が大通りを歩けるような日本に変えるつもりだ。

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