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放送から1年近く経つけど「グレーテルのかまど」クッキーモンスター回を振り返る

クッキーモンスターと私

私は多分セサミストリートで育った子供だ。
家にあったビデオは何度も見たし、地上波での放送も見ていた。成長と共に離れてはいったが、ある日急に癒しを求めてElmo's WorldをYouTubeで見たりもした。そしてiPhoneのCMでクッキーの焼き上がりを待ちきれないクッキーモンスターを見てすっかり彼のファンになってしまった。以来、英語の勉強という言い訳をしながら「cookie monster」で検索して色々な動画を見て、その度にあのお行儀の悪い威勢が良くて、クッキー以外もいっぱい食べて、自分のことをIじゃなくてMeと呼ぶ等決して正しいとは言えない英語を話す青い毛むくじゃらへの愛おしさが増した。

クッキー、おかえり!

2022年。そんな私に朗報が届いた。
「グレーテルのかまどにクッキーモンスターが出る!」
名前ぐらいしか知らない番組だったが、とにかく推しが地上波に出るらしい。CMではなくちゃんと番組に出るのなんて何年ぶりだろうか。それにしても瀬戸さんと一緒に写るクッキーモンスター、めちゃくちゃ可愛い。ワクワクしながら放送を待っていたが、結果的に私にとって非常に嬉しい内容だった。というのも本国の動画を色々と見ているとニヤリとする場面が多々あったのだ。以下、該当のシーンと元動画をまとめる。

「クッキーは時々なら食べていいもの」

クッキーモンスター回で作るお菓子は当然クッキー。上記の台詞は野菜を使ったクッキーを作る時にクッキーモンスターが発したものだ。
その元ネタと思われるのが「A Cookie is a Sometime Food」。ジャズ風の無駄にかっこよく聞こえる曲だがそこは子供向けの番組。クッキー(を含むお菓子)はしょっちゅう食べるもんじゃないよ、という歌詞になっている。
番組内ではSometime Food、つまり時々なら食べていいクッキーでも野菜を使ったらいつでも食べていいAnytime Foodになるという某芸人のようなとんでもない理論を展開している。バターと砂糖マシマシのクッキーに比べればヘルシーだろうけど……

「クッキーが好きな理由」

ママが焼いたクッキーのあまりの美味しさに衝撃を受けて一枚、もう一枚と食べるうちにクッキーが大好きになったと語るクッキーモンスター。これだけ聞くとクッキーとの邂逅は非常に穏やかなものだったと思われるが、クッキーモンスターa.k.a.食欲の鬼に限ってそんなことはなかったということがこの曲から窺える。恐らくテレビなので猫を被ったのだろう。バリバリムシャムシャ食べてこそ本当のクッキーモンスター。
ちなみに本筋とは全く関係ないが、一部で囁かれている彼の本名がシドという説はこの動画から来ている。

「友達ってなんだろう?」

クッキーモンスターは割と思慮深いというか繊細なところがある奴で、夜空に浮かぶ月を眺めてもしこれがクッキーだったら?なんて想像をしたり、クッキーを一つ残らず平らげてしまった後で激しく後悔して落ち込んだり、この曲のように友達ってなんだろう?と考えたりする。

番組の終盤で彼がこの問いに出した答えは「最後のクッキーを分け合う誰か」。曲の終わりに出てくるクッキーモンスターにとっての友達の定義「Somebody you give up last cookie for」を制作陣はとても素敵に訳してくれたなぁと思った。
クッキーモンスターは例え大好物がたった一つしか残っていなくても、それを友達に差し出せる奴なのだ。こいつが愛すべきモンスターたる所以はここにあるのかもしれない。何かと悲しい思いをすることがあるこのご時世だからこそ、彼の姿勢を見習うべきなのではないだろうか。

おわりに

たった30分の放送にここまでクッキーモンスターの魅力が詰まっているとは思っていなかった。ゲストキャラというか今回の主役と言っても過言ではない。後々調べてみたらこの番組はフィクション作品に出てくるお菓子や歴史上の人物に縁のあるお菓子を扱うので、当たり前っちゃ当たり前かもしれないが。それにしてもクッキーモンスターの発する言葉がちゃんと公式に基づいていたのは最高だし、何よりクッキーモンスターは可愛かった。
……書いてたら何だかクッキーが食べたくなってきた気がする。


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