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思惟#6/ロシアプーチン大統領の圧力を身近に感じる

ニュースでロシアのコロナ対策としてプーチン大統領が知事を集めて厳しく叱咤していると報道があった。

ロシアではオンライン会議で実際に激を飛ばしているシーンが日常のように放映されている。プーチンとしては自身の大統領任期の延長を国民投票で実現するために求心力を見せつける狙いがあると言う。
そんな体制において、コロナ感染の死者数を過少報告しているのではという疑惑があり、これは地方知事が責任を追及されないようにしてるとの見方がある。「99人、99人、98人と報告が100人を下回るような数字は統計学的に不自然だ。」と匿名で語る人がいた。
その疑惑に反論する形で、ロシアの副首相は「医療報酬が減るような過少報告は地方にとってメリットがなく考えられない。」と言っていた。

これが本当だとしたら、素早く正確に状況を把握し対処するという世界的な目標の阻害となる。ロシアでの死者数が本当に少なく、原因が特定できれば良いが、それまでは混乱材料になる。
ブラジルが非公表にするのも実態把握を妨げることにつながるし、感染者数のTOP3に入る2国がこんな状況ではパンデミック収束の妨げにもなってしまう。

これは事実でないかもしれないけど、私は「ロシアならあり得る」と思ってしまった。。

そして、リーダーが「恐怖政治」のような圧力をかけることによって「嘘の報告」をせざるを得ない状況を作り出すことが一番の悪だと思う。

「真実を言えない雰囲気を作り出して数を偽って報告」というのは日本において、また過去の自分においても存在した。

日本においては「粉飾決算」等で騒がれるような類のもの。
売上至上主義が浸透している企業において常に右肩上がりの成長率は必須であり、目標を達成しないことなんてあり得ないという状況を作り出す会社なんて多く存在していると思う。
そこで架空の売上や在庫を計上して利益があるように見せかけたりする。
粉飾のことを少し学んだことがあるが、本当にうまく決算前に処理しているので外部からの指摘というよりは内部告発で発覚するという。

客観的に考えたら「なんでそんなバレる嘘をつくのだろう」と思ってしまうが、自分も過去嘘をついたことがあった。
もちろん決算レベルの大ごとではなく、とあるデータを確認したという報告した時に「この〇〇のチェックはした?」と聞かれてついつい「チェックしました。」と嘘をついたのだ。自分でもびっくりした。顔に出るので嘘はつけない、つかないのが自分だった。けど咄嗟に嘘が出た。
後から考えると「チェックしてないと言ったらまたネチネチ文句を言われる」と思って面倒くさいことを避けたかったようだ。
と同時に「チェックしてもしなくてもバレないだろう」とも考えたようだ。瞬時の判断が苦手な自分がこんなことを心に思ってたのかと驚いた。(気の小さい私はその後すぐにチェックし、問題なかったことを確認して安心した。)

その時の報告者と自分の関係がまさにプーチンと地方知事のような関係だった。はっきりとした上司部下の間柄でもないのに日々圧力を感じ、自分の意見も言えず、最後には意見する気力すら奪われた、そんな間柄だった。

仕事で嘘をつかない(と思っていた)人間が嘘をついた、しかも自分この衝撃は私の中でものすごく大きく、ショックだった。自分の弱さは棚にあげて言うが、普段嘘をつかないことを信条としている人間ですらも圧力や雰囲気に押されて嘘をついてしまった。
この見えない圧力はとてつもなく大きくて潰されそうになる。
だから人間の善意や信条を越えてくる。そして最終的に良いことをもたらさないことを知っているのに嘘をついてしまう。

よほど強い意志を持っていないとこの状況には圧力に飲まれてしまうと思う。だからこそ、圧力があるコミュニケーションは良い結果をもたらさない。当人が無意識であっても。ポジションによって自然と圧がかかることがある。
それをいいように使っている人間もいるが、そもそも役職なんてただの役割にすぎないと私は思っている。偉いかどうかではない。上下もない。構造的に上下だとしても、人間的な上下ではない。
そこをはき違えたくないが、権力を持つものが強いとされるのでなかなか言葉通りの理解にならないんだよなー。

プーチン大統領は電話をかけて何コールで出るかで姿勢や忠誠心を見ているそうだ。。。

まったくアホらしくて呆れる。
むしろ電話で忙しい人の邪魔をするんじゃない、と言いたくなる。
「リーダーの意のままにメンバーが行動すること」と「問題を協働して解決すること」は全く違うこと。
そこを履き違えているリーダーは不要だ。むしろ害。
変な圧力を作り出している人間や組織ほどプーチンと似たようなことを考えている気がする。「部下だって忙しいのに上司の指示を本当に最優先すべきなのか」と思うシーンを多く見かけた。

「会議の時にふんぞり返って足を組んでいるそこのあなた、取締役会でも同じ態度が取れるのか、何か勘違いしてないだろうか。」と言いたくなることがよくあった。

最終目標に向かって協働するにあたり、各自の役割を果たすことが本来組織としてあるべき姿だ。
それ以外のことを最優先にさせるのはおかしいし無駄。
ましてや気力を失うまでの圧力で制するのは無意味だし続かない。
と言っても、言葉では理解している人間が多いので言っても治らない。。。
みんな分かってるつもりになっている。

けれど、そもそも理解させようと思ってること自体が間違っているかもしれない。

今はどの組織にも属してないが、反面教師として自分が今後そうしないと改めて誓うしかないなと思った一日でした。

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