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過去の経験を『いま』に活かせば、どんな失敗も成功体験になる

自己肯定感(自分を認め受け容れる力)を上げるには、成功体験が必要だといわれている。けれど、自己肯定感が低く、自己否定を繰り返してばかりいる人にとって、他人がいう「成功体験」は相当ハードルが高い。

なぜなら、自己否定というのは自分を受け容れることを拒絶している状態なので、他人から見てどうってことのないステップですら「できるわけがない」「したところで何も変わらない」と思っているからだ。

自己否定は、自分自身を否定するだけでなく、自分が持つ可能性すらも否定している状態でもある。だから、どれだけ成功体験が大切だといわれたところで、「とりあえず、始めてみよう」とは思えないのだ。

しかも、新しく何かを始めるときには、まるでギャンブルのようにそこに人生を賭けようとする。「これをやれば、きっと自分の人生が変わるはず」と。ハッキリいって、その考えを持っている限り、人生は変わらない。むしろ、悪循環に陥るキッカケを自分で作り出しているだけだ。

じゃあ、どうすれば人生が変わるのか?
まずは、その“ものの見方”を変えることだ。それから、過去に培った経験を『いま』に活かして、小さな成功体験を積み重ねることだ。

自己否定が強い人が持つ「欠点フィルター」

「何をやっても上手くいかない」「きっと自分には無理なんだ」そんなふうに思うときがあってもいい。人生はいつでも順風満帆であるはずがないからだ。

でも、それを呪文のように繰り返していれば、『自分は何をやっても上手くできない人間』『自分には能力がない』といったレッテルを、自分で自分に貼ることになる。

人生は、日々の積み重ねで出来上がっていく。だから、過去の自分がいまの自分を作っているといっても過言じゃない。「じゃあ、過去の自分がダメダメだったら、いまの自分はさらにダメダメダメじゃん」と、肩を落としている人もいるかもしれないが、あえていう。そんなことはない。

というか、過去の自分がダメダメだったとしても、視点を変えれば別の良さも見えてくるものだからだ。物事には必ず裏と表、良い面(長所・メリット)と悪い面(短所・デメリット)がある。自己否定が強い人には、悪い面しか目に入らないような特殊なフィルターがかかっている。

そのフィルターを簡潔に表現するとしたら『欠点フィルター』というのが最適かもしれない。欠点フィルターという名前では漠然としていて、読者によってイメージするものが違うだろう。認識を共有するためにも、水中ゴーグルを想像してもらいたい。

単に眼鏡だと、フレームの内側と外側で見え方が変わる。だが、目周辺をすっぽりと覆ってしまう水中ゴーグルなら、多少視界に歪みが生じたとしても、基本的にはどこに目を向けても見え方は一定している。欠点フィルターも、どこに視線を向けようとも"デメリットしか見ない(認識しない)"ことに変わりがない。だから、水中ゴーグルをイメージしてもらったほうがわかりやすいと考えた。

自己否定が強い人は、あらゆる物事を欠点フィルターを通して見ていることになる。そのため、どこを切りとっても欠点にしか目が向かないのだ。

欠点フィルターを外すには客観的な目が必要

欠点フィルターを持っていると、意識を変えようとしても、その目に映るものを変えない限りは、結局は堂々巡りを繰り返す。その循環は、螺旋階段を下りていくように自己否定を強めていく。

フィルターを外す、最も有効な手段は客観的な目を持つことだ。ここで、混乱してしまった人もいるかもしれない。欠点フィルターがあるのに、どうやって客観的な目を持つのだと。やり方としては、さほど難しいことではない。

あなたは日記をつけているだろうか。日記は客観的な目を養うのにうってつけのアイテムだ。ただし、書き方にちょっとした注意が要る。それは、事実を書くということだ。

いやいや、日記にウソなんて書かないでしょ!

そう、日記にウソは書かない。書く必要がないからだ。けれど、欠点フィルターを通して見た事実は、自分の主観(感情や思考)が存分に反映されたものになっている。では、ここで新聞やニュースを思い出していただこう。

新聞やニュースは、客観的な事実を書く。(まあ、母体の意向によって多少思想が反映されてしまうのだが、ここではそこまで言及しないでおく。話が脱線してしまうから)あなたも同じように、主観を極力省いて事実を書いてみてほしい。

慣れていないと、これが意外に時間がかかる。人は誰でも、自分の感性で物事を見ているからだ。単に事実を書くといっても、それを主観抜きで書くとなると、物事を観察していないと書けないからだ。

この時点で客観的に書けない人は、意識が常に自分にばかり向いているということにもなる。あえて厳しくいえば、自分が思っている以上に自分を優先してものを考えており、他人への配慮ができていないことを示している。

何があったのかを客観的に書くには、他人など自分の身の回りに意識が向いていないとなかなか書ききれないものだからだ。それが書けたなら、次はペンの色を変えて自分が感じたことや思ったことを書いてみてほしい。

書き終わったら、事実と主観の入り混じった感想を見比べてみる。どこかで、認識のズレがあることに気づくはずだ。

日記は自分の好きなように書けるぶん、扱い方が違えば、自分を苦しめる道具にもなり得る。けれど、上手く使えば、なりたい自分への道筋を作っていける素晴らしいアイテムにもなる。

人生を好転させたいなら、ビッグチャンスを狙うな

自己否定が強い人は、自分の人生にいつも不満を抱えている。それを変えたいと思うのはいいことだが、たいていの場合、やり方を間違えている。不満を解消するのに、一発逆転を狙おうとするのだ。

一発逆転できる人生があるなら、誰でも自分の思う通りの人生が歩けているだろう。著名な人たちでも、いきなり大成功を収めたわけではない。けれど、その道のりを知らないでいると、簡単に成功したように思うのだ。

なにせ、そうした背景は表立って取り上げられる機会があまりにも少ない。だから、背景を知らない人は見えている部分だけ評価して、「すごい」「いいなあ」「羨ましい」なんて言葉を投げるだけで終わる。

もしもあなたに、この人みたいな人生を歩いてみたいと思う相手がいるなら、その人について書かれた書籍をいくつか読んでみるといい。書籍がないなら、講演会や勉強会などに赴いて話を聞いてみるといい。

理想の生活や人生、夢を手に入れている人たちは、皆等しく泥臭いことを繰り返して現状をアップデートしてきている。そして、それを手に入れたからといって胡坐をかけば、現状が悪化していくのを知っているのだ。

誰の人生の中にも、自分のこれまでの日々や人生をリセットしてくれるような、そんなビッグチャンスなんてものはない。他人がビッグチャンスと思うものは、全てその人が繰り返し積み重ねてきたことでもたらされた結果でしかないのだ。

じゃあ、どうすればいいのか。
欠点フィルターが厚い人ほど、苦手が多い。「自分には○○は向いてない」「自分には××ができない」そう思っているから、ちょっとやっては諦めてしまう。何かしらの結果が出るまで続けることをしない。

もちろん、人にはそれぞれ向き・不向き、得意・不得意がある。それは個性だ。だが、どうやっても何の経験にもならないものはない。その経験のなかで、今まで気にもしなかったことに目を向けてみると、意外に学びも多い。

欠点フィルターを持っている人は、経験から学ばずに、感情だけで片付けてしまう。だから、いつまで経っても成功体験が蓄積されていかない。経験から学ぶときに役に立つのが、客観的な視点だ。

対策をして成功体験を積み上げる

日記をある程度続けていると、不思議なことに気がつくはずだ。以前に遭ったことと似たような出来事が出てくるのだ。それは、ものすごく些細なことかもしれない。あるいは何かの課題として、目の前に突き付けられることもある。

欠点フィルターを通してしか見ていなければ「またか」となる。けれど、日記で客観的な視点を育んでいれば、前回とは違った対応が取れる。過去の経験を上手く『いま』に当てはめることで、成功体験へと舵を切り替えることができるようになるのだ。

これを応用して、日記に記した過去を振り返ってみる。もしも、次に同じことがあったときに、どんな対応が取れるだろうか、どんな行動を取れるだろうかと考えてみる。そのとき、「こんなことをしても上手くいかない」なんていう思考は必要ない。

実際に、その状況がくるかどうかなんてわからないのだから。ただ、想像するのだ。そして、それを日記にメモとして書いておくといい。こんなふうな行動の仕方があるよね、と。

欠点フィルターを持っている人は、悉く自分の可能性に対して否定的だ。だからこそ、欠点フィルターがどんどん厚くなっていることに気がついていない。

自分の可能性は、いつだって困難に見える先に広がっているのだ。その困難を乗り越えるには、痛みを伴うこともある。傷だらけになることもある。けれど、経験を宝にするか否かは自分次第だ。

ダイヤモンドだって、磨かなければただの石ころだ。あなたの経験は、あなたの人生にとって大きなダイヤモンドになることだってある。どう受け止めるかは、あなた次第だ。

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