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困難を乗り越えるだけが『成功体験』ではない

前回書いたnoteとも関連するのだが、自己肯定感や自信を培うためには、成功体験が重要とされている。では、その「成功体験」とは一体何か、あなたは説明できるだろうか?

漠然と理解しているだけでは、仮にその瞬間に立ち会ったとしても「成功体験」だと意識することができない。自分にとっての成功体験とはどのようなものかを定義しておくとわかりやすい。

成功体験に必要な3つの要素

あなたはこれまでに、何かに夢中になった経験はあるだろうか? あれば体感としてわかりやすいが、なかったとしても特に問題はない。基本的に成功体験に必要な要素は「達成感」「充実感」「自己効力感」だ。

ちなみに、達成感と充実感は異なる。

やり遂げた!このときの気持ち良さが「達成感」

達成感を言い表すのに適切な表現を考えれば、やはり「やったー!やり遂げたぞ!」という感覚だ。自分には少し厳しいかもしれないと思いながらも諦めずに力を注ぎ続け、目標に到達したときに感じるあの満足感にも似た感覚である。

満ちていく感覚。これが「充実感」

達成感を感じた後にくる余韻、「やり遂げたんだ……」という満たされていく感覚が充実感だ。満足する感覚に似ている。ちなみに、よく似たものに充足感というものがある。

充実感は、バケツに水が注がれていくイメージに近い。一方、充足感は「今あるもの」に対して感じるので、水が注がれたバケツに対して持つ感覚だ。

達成感と充実感が合わさって生まれる「自己効力感」

自己効力感は、自己肯定感を育むのにも重要な要素だ。やり遂げたことへの喜びに加えて、足りなかったものが満ちることへの満足。この二つが合わさると、「自分は自分に影響を与えている」という感覚を得られるようになる。そして、この感覚が自己効力感だ。

点と点と結べば成功体験になる

人の人生は、常に点と点が結びついて構築されている。点とは、経験だ。私たちは日々、同じような日常を繰り返しているようで、全く同じ日常を過ごしているわけではない。

どこがどう違うのかは、人によって違うが、それは他人から言われて見つけるものではない。自分で探してこそ意味があるものだからだ。なので、ここではあえて触れずにおく。

その点と点は、どこかで結びつく瞬間がある。当時は嫌だったことも、あとで「あの経験があったから、今これができているんだな」と思う瞬間があるだろう。それが、点と点が結びつく瞬間だ。

成功体験が多い人というのは、こうした瞬間をたくさん持っている。

点と点を結ぶにはアンテナを広げよう

どんな経験が"点"になるかなんて、誰にもわからない。だからこそ、どんな経験もストックしていくことが大切になる。では、どんなふうにストックするかといえば、実際に体験するのが一番だが、それができない場合は知識として残しておくことだ。

そのためには、たくさんの"点"を集められるように、アンテナを広げておく必要がある。もちろん、ただ広げておくだけではいけない。感度の悪いアンテナをどれだけ広げても、拾える"点"は少ない。感度が高ければ、手広くアンテナを広げずとも、まるでレーダーのように必要な方向にアンテナを向けて集中的に"点"を集めることができる。

アンテナの感度を広げるのに必要なのは「関心」

関心の度合い──深さ、幅こそが、アンテナの感度であり、大きさだといってもいいだろう。知的好奇心に溢れている人は、この感度を日ごろから磨いている。だから、どんな情報にも俊敏に耳と目と心を反応させることができる。

そして、そうした人は、自分の知的好奇心を満たすためにいつだって夢中だ。その結果、小さな達成感や小さな充実感、自己効力感を育てるのに役立っているといえる。


何に関心を寄せるかは、人それぞれだ。だが、たいていの場合、人というものは自分に関わりが深いものほど関心を示しやすい。そうやって蓄積した体験や知識は、どこかのタイミングで役に立つ瞬間が現れる。

そのとき点と点を繋げるには、そこに自分がどんな意味付けをするかによる。他人には成功体験だと思えるような出来事も、本人が最終的にそれにどんな意味付けをしたかによって「成功」か「失敗」かに分かれてしまう。

あなたの経験は、あなたのものだ。そこに外野がとやかく言うことではないかもしれない。だが、せっかくの経験をただの嫌な思い出や、体験したくなかった思い出で終わらせるよりも、自分の意味付け次第で自身の人生の糧になるならば、生きやすさも生きる楽しみも変わってくるのではないだろうか。

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