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部屋が散らかる3つの法則

あなたの部屋は綺麗ですか?

 自信を持って「はい!」と答えられる人はどれくらいいるだろうか。かく言う私も、これを書いているデスクの横には本や書類が積まれており、とても人様にお見せできる状態ではない。こんな質問をされた日には、目をそらして愛想笑いでごまかすこと請け合いだ。

 春は新生活が始まる季節だ。書店を覗くと、インテリア特集を組んだ雑誌が並んでいる。つい手が伸びてぱらぱらとページをめくってしまう。(そしてつい買ってしまう。)
 しかし、家に帰ると、今朝飲んだコーヒーカップが流しに残っていたり、先週買った読みかけの雑誌が積まれていたり(皮肉にも「心地良い暮らし」とかいうテーマだったりする)、ベッドの掛け布団がぐちゃぐちゃなままだったりする。それが人生だ。
 
 そんな私やあなたに朗報である。部屋が散らかるときには3つの法則があることを発見した。部屋が散らかる法則を理解すれば、部屋を片付ける方法も見つかるはずである。今日はこの3つの法則をご紹介したい。

 法則その1。新しいことを始めたときに部屋は散らかる。新しい趣味を始めた、進学した、転職したなど。今まで必要のなかった道具が部屋の中に出現する。片付け本には、「すべてのモノの居場所を決めましょう」などと書いてあるが、新しいことを始めたときには新しいことを始めるのに忙しいのでモノの居場所など決めている暇はない。結果、居場所のないモノたちが散らかる。

 法則その2。部屋にいる時間が短くなると散らかる。これは物理法則に反するようで納得しづらいのだが、事実である。エビデンスは私の生活である。おそらくこういうことだ。忙しい時は、社会活動に必要最低限の用事のみを部屋で行う。食事(コンビニ弁当)、入浴(シャワーだけ)、睡眠(のび太のように3秒で眠りにつく)。朝になれば社会人として最低限の身だしなみを整えて出勤する。ここには「掃除をする」「洗濯をする」などは含まれない。「季節の花を飾る」などどこかの国のおとぎ話だ。

 法則その3。ごみを捨て忘れると散らかる。ごみ箱がいっぱいになるとそれ以上ごみを捨てられない。ごみを捨てられないと、ごみが部屋の中に散乱する。本来ごみとして捨てるべきモノたちが、捨てられずに部屋に残る、と言った方が良いだろうか。「片付けようかな」とせっかく芽生えた心も、ごみ箱がいっぱいだとあっという間にしぼんでしまう。

 どうやら部屋を片付ける方法が見つかったようだ。
 法則その1について、新しいことを始めるのは人生の醍醐味だ。部屋が散らかることを含めて楽しめば良い。熱狂が落ち着けば自然とモノの場所は決まるだろう。
 法則その2は、忙しいのを何とかできるならとっくにやっている。仕事で忙しい人が片づけるべきは、部屋よりもまず仕事である。上司や会社をフル活用して、あるいは自力で、自分の仕事を落ち着かせるべきだ。

 つまり、焦点を充てるべきは法則その3である。ごみの日にごみを捨てる。分かりやすい。
 部屋を片付けたいと思った人は、今すぐ住んでいる自治体の「ごみの捨て方」をWebでダウンロードするべきである。そして、ごみ捨てマスターになるのだ。一人暮らしの人なら、それで問題の8割は解決だ。無意識に捨てたいと思っていたあんなものやこんなものの処分の仕方が分かり、いらないものが部屋から一掃されるだろう。ご家族がいる人、特に男性は、ごみ捨てマスターになりごみ捨てを実践すれば奥様から絶大な信頼を得ることだろう。家事をやらない人ほど、ごみ捨てを甘く見過ぎである。ごみ捨てを実践するだけで、奥様の負担は軽減するだろう。

 部屋は、人間の身体と似ている。子育てをしている人に聞くと、赤ちゃんは「食べる」「排泄する』がうまく出来ているかが健康のバロメーターなのだという。食べ物が口から食道、胃、腸を通る過程で必要な栄養を吸収し、不要なものを排出する。

 部屋も同じだ。部屋の中で、私たちは娯楽に興じ、時には自己研鑽し、身体を休めて明日への活力を養う。生活の中で得た喜びや安らぎが栄養で、不要なものがごみだ。ごみが正常に出せないと、部屋の健康はあっという間に損なわれる。

 ごみと言えば、最近はプラスチックゴミの削減を目的としたレジ袋の有料化が話題となっている。そもそも不要なものを部屋の中に入れないようにする、ごみを増やさないようにする配慮も必要かもしれない。これも、ダイエットで食事に気を遣うことと似ている。
 そういえば、部屋を片付けたらなぜかダイエットにも成功した、という話もよく聞く。身体の管理と部屋の管理には相通じるところがあるのかもしれない。

 春は薄着の季節の始まりでもあることだし、ダイエットにも効果がありそうな部屋の片づけを始めてみようか。ごみ捨て自体もエクササイズになりそうだし。

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