あまくない砂糖の話

食べ物と身体とマインド

2014年制作のネトフリのドキュメンタリーだ。
同じ摂取カロリーだとしても、その内容によって結果が大きく変わってくる。大まかにいうと、そういう内容だった。

結論として、脂質より糖質の方がはるかに悪いということ。
だからといって、脂質(特にトランス脂肪酸)を大量摂取していいわけではないことが前提だ。

前回挙げたように、フィットネス的には消費カロリーと摂取カロリーで計算したりするわけだが一概にそうは言えない。内容がすべてだ。

このドキュメンタリーでは監督自らが、良質な植物性の油脂と適切な量のたんぱく質と炭水化物の食生活から、1日角砂糖40個分の糖質を摂ることを60日続ける実験を行っている。
摂取カロリーが同じなのに、このような食生活によって体重は10キロ増加し、あらゆる数値が健康的な値の境界を超えることになった。

驚くのは角砂糖40個分とは、決してチョコレートを1枚まるごと食べるとかドーナツを毎食食べるとかではない。
市販の低脂肪フルーツヨーグルトとシリアルを朝食に食べて、間食に市販のフローズンヨーグルト、ランチに市販の照り焼きチキン弁当とスポーツドリンク、午後の間食に市販のエナジーバー、夜ご飯は不明、、

そんなに悪くない内容にも思えるし、これよりお菓子をもっと食べてる場合だってあると思う。でも、これが160gの砂糖を摂取している内訳なのだ。

・・・

ドキュメンタリーで食品や砂糖と感情には強い結びつきがあると語られている。とりわけ砂糖には、コカインより強い依存性があるという実験結果があるそうだ。

感情=マインドが砂糖を欲しがる。そして、砂糖依存症の状態はマインドのアップダウンが激しくなる。はっきり言うならそう鬱状態だ。
さらに、体も疲れやすくなる。肝臓もダメージを受ける=代謝が下がることになる。内臓脂肪がたまり、血管や心臓にも負担がかかることになる。

砂糖はマインドのみならず、身体機能にも生理機能にも悪影響を及ぼす!じゃあ、辞めようって頭でわかっているのに難しいのだ。
何しろコカインよりも依存性高いのだから。。

・・・

私の専門のインド哲学目線で見るなら、ヴェーダーンタは知性によって光を覆うヴェールをはがすと考える哲学なのだと考えている。(違かったらヴェーダーンタの人、すみません!!)
無知だった自分から、まずは知ること。それによって砂糖を過剰に摂らないことを選択できるようになる、、みたいな?
しかしながらその選択が、まあ難しいのかな、、、とか私ぐらいだと思っちゃったり。

じゃあ、ヨーガ哲学はどう解決するかっていうとマインドの汚れ(この場合は欲しがる気持ち/ラーガ)をクリアにすること。

それには、どちらかというとそう鬱のそう状態≒ラジャスをコントロールすることが必要。なぜなら、そう状態の後には必ずうつ状態≒タマスがやって来るからだ。

そう状態をコントロールするのに手っ取り早いのはアーサナ。ただし、アーサナの原則(マインドも体も100%快適で安定していること)を順守することが必要になる。

こうしてアーサナによってラジャスを抑えることで明晰さ/サットヴァが少し上がる。そうすると、しばらく座って呼吸に集中する準備ができる。逆にいえば、ラジャスを抑えてからでないと体はそわそわ落ち着かず、思考は落ち着かずに呼吸に集中することなどできないのだ。

での呼吸法によってラジャスはさらに低くなり、タマスもかなり抑えられる。そして、その分サットヴァが上がるのだ。

普段の日常のマインドはラジャスとタマスの割合の変化だけで、いわゆる交感神経優勢なのか副交感神経優勢なのかということになる。
ここで言っておきたいのは、副交感神経を優勢な状態にすることだけが練習の目的ではない。なぜなら、それは眠たいような重だるさがあるからだ。もちろん、夜の練習ならそれはあり。ただ、古典的な考え方では明瞭な状態であるサットヴァを増やすことが練習の目的といえる。

こうして思考が明晰になって、砂糖を欲しがる気持ちも消え失せて、健康的で自分にとってプラスになる正しい選択ができるようになるわけだ。
しかも、頭で考えて無理やり諦めるのではなく、自然とよい選択をするようになる。それがヨガの持つ力だと私は感じている。

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