健康って何_

食べ物と社会的役割

ネトフリのドキュメンタリー「健康って何?」は、前回の「あまくない砂糖の話」をくつがえす始まりだった。

糖尿病の原因は砂糖(糖質)ではなく、動物性脂質だというものだった。砂糖は全然悪くないとこのドキュメンタリーでは言っている。

これが何を意味するのかというと、情報を鵜呑みにしないという教訓だ。

ある情報では砂糖が悪いという。そして、別の情報では動物性脂質が悪いという。よくわからないから、どちらも控えようという選択はまだいい。よくわからないから、気にせず好きなものを摂ろうという選択が大多数なのではないか。それは自分での判断を放棄することだ。何をどう食べるのかの選択は、私たちの健康や生き方の土台なのだから。

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このドキュメンタリーは2017年制作で、監督はサンフランシスコ在住だ。
サンフランシスコはアメリカの中でも食事や健康に気を使っている人が多いと認識している。しかしながら、監督自身も加工肉を毎日口にしているといい、そのことで大腸ガンのリスクが18%上がることを知らなかったと言う。

この辺がアメリカっぽいなと感じる。そして、日本はアメリカに習って歩んできている。

46歳の私は70代の親からベーコンやハムを好んで摂らないように育てられてきたが、10代だと小さいころからエッグマフィンを食べウィンナーを毎日のように食べているのかもしれない。そして、それを与えているのは30~40代の親ということになる。

現に私自身だって、半年に1回ぐらいはパンケーキやワッフルにベーコンを添えて食べたいと思ってるし、3ヶ月に1回ぐらいはハンバーガーとフレンチフライを食べたい。と同時に、日常的に食べてはいけないとも考えているわけだ。なぜなら、明らかに健康によくないからだ。

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次にこのドキュメンタリーは、動物性食品の飽和脂肪酸よりもそれに含まれる添加物や発がん物質が問題だと言っている。

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発がん物質は食物連鎖によって動物性食品に蓄積されるという。つまり、動物が食べた抗生物質やホルモンやステロイド、遺伝子組換えの穀物及びそれに含まれている殺虫剤、ダイオキシンや水銀などの環境汚染物質だ。

その与えられている薬品や生育環境を知るなら、動物性食品を摂ろうという気持ちは失せるだろう。知らないでいるなら、自分のからだに蓄積されているという事実が残るだろう。

このドキュメンタリーのように、業界の利権などを追求するつもりはない。
我々には知性があるのだから、ひとりひとりが何を選ぶのか。

死んだ動物を食べるのならどのように生育された動物だったのか。その生育にあたって、環境にはどのような影響があったのか、あるいはなかったのか。乳製品や卵や魚も同様だ。我々には考慮すべき責任がある。

それが社会とのかかわりになり、社会をつくりあげると信じている。

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後半部分で、人間はたんぱく質を過剰摂取気味だと指摘している。そして興味深いのは、豆なら納得だが緑黄食野菜にたんぱく質が豊富に含まれているということ。

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さらに、体の大きい象もゴリラも草食で、人間に近いとされているチンパンジーは97%は植物から、3%は虫からたんぱく質を摂取しているという。

生理機能に合わない食事をしているから病気になる。もしも菜食中心の食事なら砂糖は摂っても構わないそうだ。

一方で「あまくない砂糖の話」では、砂糖は貴重品でめったに口にしない歴史が長くあったと語っていた。そのためにショ糖の成分である果糖はたちまち体内に吸収されるということだ。ということは、砂糖もバカスカ摂っていいわけではないことになる。

したがって、たんぱく質のために意図的に動物性食品を摂ることはナンセンスだし、砂糖を好きなだけ摂取することも文化水準が低いとみなされる。
なぜなら、どちらも比較的簡単に口に入り、気分や感情に左右される食品だからだ。

食べ物に困らない現代だからこそ、知性を使って何をどう食べるかの選択はその人そのものを表すと考えている。


Mika(@mikachant)でした。

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