三門鉄狼

北海道札幌市に生息するサッカオオカミ。東映特撮。落語。美術展。

三門鉄狼

北海道札幌市に生息するサッカオオカミ。東映特撮。落語。美術展。

最近の記事

けっきょくプロットはいるの?いらないの?

定期的に吹き上がる話題なので、個人的な思考の整理も兼ねてまとめてみました。 結論から言うと、プロットは必要な場合もあるし必要ない場合もあります。ケースバイケースです。 もちろんこれだけだと何の説明にもなっていませんので、以下詳しく見ていきたいと思います。 1プロットには2種類あるそもそもここをはっきりさせないために、お互い違う対象について話しているのにそれに気づかないということになってしまっているパターンが見られるように思います。 2種類というのは ①自分用プロット(

    • 「噺家は高座で謎を語る〜落語推理譚」

      あらすじ  刑事である檜垣諒は深夜の高速バスで高校時代の同級生と偶然再会する。和服姿の彼は今は噺家=落語家・明淡亭斜六をやっているのだという。  二人が会話していると突如銃を持った男がバスジャックを行った。男は「自分の仲間が他にもこの車内にいる」と宣言。それが誰だかわからなければ手を出すことができない。  恐怖で泣き出す子供。怒ってそれに銃を突きつける犯人。そんな中、斜六が突然車内で落語を語り出す。  恐怖に泣く子供も笑い出すほどの見事な語りと共に、彼は諒に仲間を見つける方法

      • 特撮ロボを買ったら人生がはかどった話

        キングオージャー面白いですね。みんな見てますか、キングオージャー。 スーパー戦隊シリーズの流れを考えると、キラメイジャーが王道だったところから、ゼンカイジャー→ドンブラザーズとこれまでの常識をぶっ壊すようなものを持ってきて、とうとう「新しい王道」に辿り着いた感じがしてます。 ところで、スーパー戦隊シリーズを見てるときにずっと感じていたことがあるんですが、「ロボ戦がよくわからなくなる!」 基本的にバトル展開はシンプルなので、話やバトルの流れがわからなくなることはないんです

        • 「仮面ライダーリバイスThe Mystery」感想

          「仮面ライダーリバイスThe Mystery」を見ました。 クローズドサークル(孤立した館)内部での犯人追及と、外部での事件捜査が同時進行する『十角館の殺人』を彷彿とさせる構成。 リバイスだけでなく、過去のライダー作品の要素が次々と事件に関わってきて謎が深まっていきますが、一人の人物を起点にその関係が明らかになり、外部と内部が結びついて犯人の指摘に繋がるのは本当にしっかり本格ミステリーでした。 それでいて仮面ライダーとしてのバトルの見せ場もあり、贅沢なストーリーに仕上が

        けっきょくプロットはいるの?いらないの?

          お気に入りwebtoon三選(2023/06/18)

          備忘録的に、今お気に入りのwebtoon(縦読みマンガ)作品を挙げておきます。 『先輩はおとこのこ』 https://app-manga.line.me/app/periodic/Z0000602?_appstore=0 アニメ化も決定した、ぽむ先生によるラブコメ。 ポップな絵柄でサクサクとストーリーが進みながら、見せ場ではグッと魅力的な絵柄で性癖を撃ち抜いてきます。 キャラがみんな可愛い。撫でたくなる。 『全知的な読者の視点から』 https://app-ma

          お気に入りwebtoon三選(2023/06/18)

          大怪獣の「本当の」あとしまつ―大倉崇裕『殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官』感想

          怪獣が一体出現することでどれだけ社会が動くのか、『シン・ゴジラ』で見せつけられた。 では、ウルトラシリーズのように毎週(ではなくても不定期に頻繁に)怪獣が出現するようになったら世界は、日本はどう変化するのか。 経済状況、政治体制、文化、生活スタイル……さまざまなものが変化するだろうが、それでも人はやがてその現象を日常の一部として受け入れ、利用するようになっていくだろう。政治に、ビジネスに、そして犯罪にも。 本作『殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官』はそんな、怪獣の存在があ

          大怪獣の「本当の」あとしまつ―大倉崇裕『殲滅特区の静寂 警察庁怪獣捜査官』感想

          「変身失敗おじさん」が真のヒーローになる時―『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』感想

          仮面ライダーリバイスといえば変身しそうでなかなかできない展開が多かったイメージですが、その筆頭が「変身失敗おじさん」こと門田ヒロミ。 今回のVシネは真のヒーローになった彼の物語でした。 リバイス本編でも感じてたのですが、彼の行動の指針って「今目の前で苦しんでいる人を助ける」なのだと思います。 状況全体を俯瞰すると最善じゃない選択肢でも、目の前の人を助けるためなら選んでしまう。だからときにそのせいで困ったことになったり、行動原理が矛盾するように見えてしまうことがある。

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          「THE 仮面ライダー展」行ってきました

          池袋サンシャインシティで開催中の「生誕50周年記念 THE仮面ライダー展」に行ってきました。 「東映特撮」でも「石ノ森作品」でもなく「仮面ライダー」に特化した展覧会なので展示の充実っぷりがすごいです。 主役ライダーの立像(仮面とスーツ)は1号からギーツまで全て揃っています。しかも撮影可。 というか役者さんが映っている作品の紹介パネル以外は全部撮影可でした。 主役以外のライダーは流石に全部とはいかなかったようですが、それでもかなり充実しています。推しライダーがいるといいで

          「THE 仮面ライダー展」行ってきました

          国立演芸場「新春国立名人会」に行ってきました

          2023年01月04日、国立演芸場の新春国立名人会を見てきました。 国立演芸場は初めて。都内の他の寄席と比べるとホールっぽさがあってかなり新しく見えますが、機能強化工事のためまもなく閉場になるそうです。 噺家さんは全員真打。すごい顔ぶれです。 入り口に酒樽がありました。お正月限定? 演目はこんな感じ。 「鍋草履」が初めて聞いた話でした。 木久扇師匠は漫談形式で、立川談志師匠が選挙に出馬したときのお話。 トリで落語やらないのは初めて見ましたw 新年から楽しませて

          国立演芸場「新春国立名人会」に行ってきました

          君よ、理不尽に抗え――『シン・ウルトラマン』感想

          いや最初は見にいく予定じゃなかったんです。 三門はウルトラマン全然わからないんで。 でもTwitterのタイムラインではみんな楽しそうだし、ウルトラマン見てなくても面白いって言ってるし。 自分も「私の好きな言葉です」って言いたい! そんなわけで見てきました。 泣いた。 マジで泣いた。 すげえ面白かった。 なんかいろいろ刺さった。 ウルトラマンとゴジラ 正直に言うと、そもそも三門はウルトラマンの楽しみ方が分かってなかったんですね。 怪獣が出てきて暴れて。 ウルトラマン

          君よ、理不尽に抗え――『シン・ウルトラマン』感想

          ホグワーツの出張授業! ハリー・ポッターと魔法の歴史展に行ってきました

           東京ステーションギャラリーで開催中の「ハリー・ポッターと魔法の歴史」展に行ってきました。  東京ステーションギャラリーは東京駅構内にある美術館。丸の内北改札のすぐ横に入り口があります。  構成は全10章。魔法薬学や闇の魔術に対する防衛術など、作中でお馴染みの「科目」別に展示が行われています。  作品にまつわる資料(原稿や設定画など)と歴史的な資料(魔術に関する文献や道具の実物など)が混ざり合うように置かれており、ハリー・ポッターの世界が現実にあるかのように感じられます

          ホグワーツの出張授業! ハリー・ポッターと魔法の歴史展に行ってきました

          【ネタバレあり!】『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』感想

          『仮面ライダー50周年記念映画 仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』を見てきましたので感想を書きます。ネタバレとか配慮せずに内容にガンガン触れていますので未見の方はご注意ください。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓  今回のストーリーは完全にオリジナルライダーの〈仮面ライダーセンチュリー〉が主軸でしたね。親と子、そして孫の関係がテーマというのはニンニンジャーを思い出しました。  そしてもう一つ気になったのはセンチュリーに変身する百瀬龍之介とジョージ・狩崎の関係。親子で

          【ネタバレあり!】『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』感想

          TIDE個展「BLOOM」に行ってきました

           原宿のギャラリー「The Mass」で開催中のTIDEさんの個展に行ってきました。  会場は三つのエリアに分かれています。一つ目の入り口はここ。  この扉が自動ドアになっています。  一つ目の部屋はTIDEさんのトレードマークになっている猫の作品です。  続いて、この階段を登った先に二つ目と三つ目の部屋があります。  二つ目の部屋は新作の絵画と立体作品。  三つ目の部屋では個展カタログデータのダウンロードができ、グッズの販売もおこなわれていました。  TIDE

          TIDE個展「BLOOM」に行ってきました

          春風亭一之輔独演会に行ってきました

           2021年12月4日に府中の森芸術劇場で行われた春風亭一之輔独演会に行ってきました。  昼の部と夜の部がありましたが、三門が行ったのは18時からの夜の部です。  まずは二番弟子の春風亭与いちさんの出番。  演目は「唖の釣り」。タイトルからわかるとおり現代では差別的とされる表現が出てきますので、映像や音源にはほとんど残らない噺だそうです。貴重なものが見られました。  続いて一之輔師匠一回目の登場。独演会だとまくらをたっぷりやってくれるのが嬉しいです。今回は先日亡くなら

          春風亭一之輔独演会に行ってきました

          「スーパー戦隊ヒストリー展」行ってきました

          埼玉県川口市のSKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ映像ミュージアムで開催中の「スーパー戦隊ヒストリー展」を見てきました。 入り口をくぐる前に、360°スクリーンでゼンカイジャーのオリジナル戦闘シーン映像が見られます。迫力満点でした。 まずはゴレンジャーたちが出迎えてくれます。スーツやバックルについたたくさんの傷が戦いの歴史を物語っています。 こちらはキラメイジャー。スーツの素材やシルエットなど進化がうかがえます。 隣にゼンカイザーもいました。全力全開! 撮影不可です

          「スーパー戦隊ヒストリー展」行ってきました

          太正ヒソヒソ裏話7

           2020年12月19日に美少女文庫から発売の『吸血鬼妹の殲滅刃』の裏話その7です。  弥士郎・閑音と吸血鬼の最終決戦の地、岩屋島。  紀伊半島の沖合に浮かぶこの島は実在はしませんが、モデルがあります。  江戸川乱歩の傑作『孤島の鬼』の舞台となっている島の名前もまた岩屋島です。 『孤島の鬼』は(主に)大正14年の話で、時期的にはややずれます。  倒錯した感情の描写や、徐々に明らかになっていく、長きにわたる因果など、読み応えのある長編です。  ちなみに江戸川乱歩は創作

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