どうやらイタリアに住んでいたらしい。

 私に2度目のセッションを受けるチャンスが来たのは、2014年3月のことだった。前回から約1年半ぶりとなる。

 アコさんとの再会を喜び、この1年半の報告をした後、ヒプノセラピーが始まった。

 前回よりもスムーズに催眠に入っていく…。

 私は10歳ぐらいの男の子だった。シンプルな白いブラウスに、明るい茶色の半ズボン着用していた。足は細く、髪型はおかっぱ。黄土色のフェルトでできた帽子をかぶっているようだ。わりときちんとした格好という印象だった。名前は…ポトフ。

 住んでいるのはレンガの街。レンガの道、路地、坂道、そして階段が所々にある。道幅は狭く、大人が二人すれ違える程度しかない。まだ背が高くない自分には、左右のレンガの壁がとても高く感じる。イメージとしては「母をたずねて三千里」のマルコが住んでいた街が近いと思う。「魔女の宅急便」のキキが住んだ街とも似ている感じがする。どこかの城下町だろうか。

 ポトフは約束の場所で、幼なじみのナーニャを待っていた。彼女とピクニックに行くらしい。ナーニャはポトフの2歳年下で、髪を二つに結い、頭には何かをかぶっている。帽子とは少し違うようだが、よくわからない。スカートの上にエプロンをしている。

 ナーニャがランチ用に二人分のホットドックを持ってきてくれた。二人はレンガの道を走って、建物の見晴台に向かう。そこは、二人のお気に入りの場所で、森と城下が見渡せる。そこから見えるたくさんの家々は、どれもオレンジ色の屋根だった。

 彼女の持ってきたホットドックを頬張り、二人は笑い合った。天気が良くて、風が頬をなでると、とてもいい気持ちになる。すごく充実した気分だ。

 アコさんの誘導で、ポトフは自宅に帰ってきた。

 木で作られた扉に、鉄でできた円形のドアノブがついている。「ただいま」と言ってドアを開くと、入って右側に暖炉、左側にはテーブルがあった。

 どうやら先ほどの見晴台がある建物の一角に住んでいるようだ。はじめはお城だと思ったが、どうやら少し違うらしい。お城のような教会のような…地域の公共の施設という感じがする。王様や領主などのお金持ちが住んでいるお屋敷とは少し趣が違うと感じるのだ。(そんな建物がこの時代にあるのだろうかという疑問はあるが、そう感じているのでそのまま記載する。)

 家族は、父親と母親、祖父、それから年の近い、口うるさい姉。母親と姉はナーニャと同じようなスカートとエプロンを着ていた。父親は背が高くてがっしりした体型だ。この建物の中で、薪割りなどの下働きをしているらしい。学校にいる用務員さんのような仕事だと思う。おそらく、この時代のごく普通の家族だろう。ポトフはそんな家族の中ですくすくと育っていった。

 アコさんが「それではポトフの人生にとって重要な日まで時計の針を進めます。」と言った。ポトフは19歳前後になっていた。

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