結局、身体が壊れるまで働くしかない
自分が追い込まれたときに出る身体の反応には、身に覚えがある。
胸が苦しくなる。
心がつらくなる。
食事が喉を通らない。食べると気持ち悪い。
涙が出る。
手が震える。
すべて、前職の居酒屋を辞める1ヶ月前に発症したものだ。
楽しかったはずの仕事がそうでなくなってしまったとき、今後私はどうすればいいのか。
つらかった自分に同情してみようと思う。
振り返りたくもない過去をあえて掘り起こしてみようと思う。
崩れていく自分を自覚することしかできなかった
仕事への意欲を失い始めたのは、退職の3ヶ月前からだった。
私は思ったことをLINEにメモとして残している。
仕事で任される範囲が増えた上に、周りの人事異動も重なって相談できる環境が減り、売れることを喜べなくなっていた。
その後12月に差し掛かり、営業の忙しさで気を紛らわしていたが、仕事に対する意欲は一向に上がることはなかった。
今まで大事にしていたアルバイトへの言葉遣いがきつくなり、お店に足を運んでくれるお客様に接客をする意欲もない。
仕事の質もどんどん下がり、「とりあえずやればいい」で最低限のことしかやらなくなった。
崩れていく自分を自覚するのは本当につらかった。
自分は店にいてはいけないと思った。
休みたいなら身体を壊すしかなかった
年末年始を抜けてから、私の仕事に対する意欲は底をついた。
この日に上司に相談して、翌週飲みに行くことになった。
ただ、相談してもより追い込まれただけだった。
「エビアンの給料上げたの、大変だったんだけどね」
「部下持ってほしかったな」
「働きたくない、って、そりゃ俺もそうだよ!」
違う、そうじゃない。
引き止められるのはわかっていた。でも。
ただ、「休みなよ」って言ってほしかった。
この翌日から、私は仕事に行けなくなった。
顔を洗おうとするとため息が出る。
胸がずきずきして苦しい。
着替えようとすると涙が出る。
立ち上がれずに膝から崩れ落ちる。
上司に電話を入れて、休みをいただけることになった。
ここまで身体が壊れないと休ませてくれないのか。
その日は1日中、布団で横になっていた。
必ず来る「明日」に恐怖した
結局、最初に休んだ日を含めて3日間休みをいただいた。
でも、この休み期間中も地獄だった。
明日が来たら、また仕事に行かなきゃいけない。
そう考えるだけで手の震えが止まらなかった。
息が苦しくなった。
引き止められるのが怖くて周りにも相談できなかった。
結局「早く辞めろ」という母の言葉に後押しされて、1月に退職できることになる。
何がそうさせてしまったのかは、まだきちんと分析しきれていない。
でも、自分が崩れていくパターンを把握することで、「こうなってしまう前に」対処できるようになるかな、と今では思う。
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