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コンカフェが好きな女の葛藤

コンカフェ、つまりコンセプトカフェをご存知でしょうか。

いちばんメジャーなのはメイド喫茶ですね。萌え萌えキュン、のあれです。お帰りなさいませご主人様、お嬢様、のやつです。

今や、すっかりコンセプトも多様性の時代になって、中二病、異世界、地雷、未来、などなど。
コンカフェの聖地・秋葉原、お店の看板を眺めて歩くだけでも楽しいです。

私はコンセプトカフェが結構好きで、ひとりでふらっと立ち寄ることもあります。むしろひとりで入ることがほとんどです。

男性のほうが多いですが、女性のお客さんも珍しくはないですから、気兼ねなく入れます。
おひとり様も全然います。浮いたりしないので全然心配いりません。

「女性のおひとり様」は全然見かけないですが。

よっぽど珍しいんでしょうか、入店したら面接に来た人だと間違われた事があります。案内を待つ私と、キャスト志望だと思って話しかけてくるメイドさんの間で、微妙な空気が流れたことがありました。一歩間違えたらアンジャッシュ。

コンカフェOGと間違われたこともありました。私に似た女の子が以前に働いていたそうです。コンセプトカフェの入口で、来店した私とメイドさんのふたり、お互い戸惑った顔でしばし見つめ合いました。
異常な空気が流れたところで、他のメイドさんが様子を見にきて誤解を解いてくれましたが、「ねえ似てない!?」とさらにメイドさんを呼ばれて、なんだか気まずく恥ずかしかったのを覚えています。

若い女性でコンセプトカフェが好きな人は、おそらく少なくないはずなんです。女だって可愛い女の子のことは好きです。女性アイドル推してる女性ファンだっているでしょう?可愛い女の子は本当に目の保養です癒しです。

でも、もしかしたら、そういう理由でコンカフェを好む方は、自身がキャストさんになって働きだすことが多いのかもしれません。「可愛い女の子と仲良くなれるから」「コンカフェが好きだから」と働いているキャストさんが実際いましたし。
私自身コンカフェが好きだと人に話すと、「働けばいいじゃん」と言われることが度々ありました。

あのね!違うんだよ!!

私が「可愛い」になりたいわけじゃないんです。
ただ可愛い空間の中で可愛いを浴びていたいんです。なんならキャストさんとの会話も特に求めてない。認知されたいとか思わないし恥ずかしいし。チェキだって私は写りたくない。キャストさんひとりのチェキを撮ってもらって、可愛いコレクションとして集めて楽しんでいます。

決して、萌えきゅんなおまじないをしたいわけじゃないんです。あれ、友達を連れていった時は楽しいんですけどね。ひとりでやるのはすごーくかなーり辛いです。
いっそおじさんになりたいと思う。おじさんが照れて苦笑いしながら、萌えきゅんなおまじないをやっている姿は微笑ましい。とても良い光景だと思います。

でも私は、キャストとして働けるくらいの年頃の女性客なんです。私の容姿は別に可愛くないけど、おじさんの萌え仕草のように良い絵になるほどのギャップはなくてネタにもならない。
いっそ振り切って、一緒に全力で萌えきゅんしたほうがいいんじゃないかと思います。私の中途半端に照れながらのもじもじとした萌えきゅんは、大変に共感性羞恥を煽るものでしょう。優しいキャストさんが「かわいい〜」なんて気を利かせて言ってくれた時なんか、もう目も当てられない景色です。おまじない、あれだけがまじで辛い。

でも、ついついコンカフェ入っちゃうんだよな。
すがすがしく淡々と萌えきゅんできるようになりたいものです。

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