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小さな目標達成の積み重ねが大切!濱崎潤之輔先生が語る学習モチベーション維持方法

【内容サマリー】
自身の経営する学習塾の学生バイトの一言がきっかけでTOEICの道へ
モチベーションの維持には小さい目標を達成して褒めてもらえるような仕組み作りが大切
「問題の解説ができる」をゴールにすることで解ける問題の幅が広がる


TOEIC L&Rテストにて満点を70回以上取得し、大学や企業研修の講師を務めるほか、自身の書籍や連載も持つ濱崎先生。著作が在庫切れになるなど大人気の濱崎先生に、株式会社mikanが英語に関わるようになったきっかけや学習モチベーションの維持方法など、幅広い内容を伺いました。

塾の学生バイトの一言でTOEICを初受験


mikan:本日はよろしくお願いいたします。早速なのですが、英語講師になられたきっかけを教えていただけますか。

濱崎先生:長くなっても大丈夫ですか?(笑)今は英語を教える立場ですが、大学を出て新卒で証券マンとして会社に就職しました。しかし、会社や仕事が合わずにすぐに1年ほどで辞めてしまって。生活のためにも塾講師アルバイトを始めました。それがやっていくうちに楽しくなって、本格的に塾講師になるべく、大手の塾に社員として入社しました。そこは中学受験専門の塾だったので、英語ではなくて国語を指導していたんです。正社員として4,5年勤務した頃には生徒からの評判も良くなっていきました。

mikan:おお、人気が出てきたということですね。

濱崎先生:はい。すごくいいところまで行けたので、「これは自分でやったほうがいいな」と思って。それで自分で会社を設立して、塾を始めました。

mikan:英語だけではなく?

濱崎先生:中学受験はシステム的に大変なので、高校受験の全科目を取り扱う塾です。当時僕がいた地区に中学生が多かったので、うまくいくと思いました。でも全然人が来なくて。自分の塾の仕事がないときは別の塾講師のアルバイトをする、という形で生活していました。

mikan:そうだったんですね。

濱崎先生:それでも続けていく中で、3年目くらいから自分の塾が軌道に乗り始めて、アルバイトを雇わないと回らないくらいにまでなったんです。アルバイトの大学生と話す中で、「塾長はTOEICとか受けないんですか?これからの時代はTOEIC受けたほうがいいですよ!」と言われて(笑)一緒に受けることになったので、3ヶ月間本気で勉強してみました。そうしたら790点が取れたんです。

mikan:初回からすごい点数!

濱崎先生:2000年〜2010年の間くらいは、900点持っているとTOEICの達人というような感じで、あと少し頑張ったら900点に到達できると思い、勉強を継続することにしました。そして半年後に受験したら860点までスコアが上がったんですが、そこから頭打ちになってしまったんです。これが僕の限界値なんだな、と思いました。それでもなんとかしたくて情報を探したんですが、TOEICの情報がすごく乏しくて...

mikan:当時はそんな感じだったんですね...

濱崎先生:はい。ただそんな中で、ヒロ前田先生のTOEICセミナーを見つけたんです。参加者が少人数だったので、ほぼマンツーマンで教わることができました。そこで先生に勉強法を変えたほうがいいと教わり、それまでの1度復習するだけのやり方から、600問(模試3回分)が入った問題集を一冊をやりこむ方法に切り替えました。それを半年実践したら、970点まで到達してしまったんです。もうこれは満点を目指すしかないですよね(笑)

mikan:あと20点となると満点を目指したいですよね。

濱崎先生:はい。そしてその頃学習記録をブログに掲載していたのですが、それを見た語学本の出版社から編集者としてスカウトされたんです。自分で塾も経営していたので返事に悩みました。しかし学生時代の就活で出版社にエントリーしていたこともあって、編集者への憧れもあったので、その会社に入社しました。入社後も勉強を継続して、1,2年で990点満点に到達しました。でもこの時点ではまだ、英語講師としての経験はほとんどありませんでした。

mikan:確かにお話を聞いているとそうですね。

濱崎先生:その後2012年ごろ、大前研一さんにオファーをいただいて、ビジネス・ブレークスルー大学で大手企業の英語講師としてのお仕事を始めました。出版社で編集をしながら英語講師としても働くことになり、そこに書籍執筆のお話もいただいたという感じです。

mikan:すごいハードワークですね...

濱崎先生:どれも自分のやりたいことなので、楽しくできました。ただそれぞれの仕事を続けていく中で、人に教える方が楽しいと実感して、独立して現在に至っています。やっぱりダイレクトに相手の反応が分かって、スコアの上昇を実感できるのが講師の仕事の良さなんです。

mikan:いろいろな形で英語に関わる中で、天職を見つけられたのですね!

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大きな目標だけでなく、小さな目標の達成を積み重ねられる環境を作ろう


mikan:先生は様々なお仕事をされながら、TOEICで何度も満点を取得されていると思うのですが、受験し続けることの一番のメリットを教えてください。

濱崎先生:一番のメリットは、説得力に繋がるということ。書籍を手に取る方たちはやっぱり、50回,70回と満点を取った人の本を選ぶので。それから、試験時間に問題を研究して、次の書籍に生かすことができるということもメリットですね。とにかく、受けるなら満点が取りたいんです(笑)TOEICを受験するための原動力は、可能性があるなら満点を取りたい!という気持ちです。

mikan:常にベストを尽くして来られたんですね!モチベーションを維持するコツは何かありますか?

濱崎先生:例えば今TOEIC400点の人が次の試験で600点を目指すのは大きな目標ですよね。達成するまでに何度も折れてしまいかねない。だから小さな目標を作って、達成するたびに褒めてもらえるようなシステムが大切です。僕は今オンラインサロンを運営しているのですが、目標をスコアではなく、その日に理解できるようになった単語や文法の数で置くようにしています。つまり、昨日より英語力を上げるということが大切。サロンのメンバーにはFacebookのグループに毎日学習したことを記録してもらって、運営で必ずコメントをしています。苦しい時でも、小さな達成感と誰かに認めてもらえているという実感を与えられる仕組みがあれば継続できるんです。SNSに投稿するだけでもやる気は出ますよ。

mikan:なるほど。誰かに見てもらえている環境を作れるとモチベーション維持に繋がるということですね。

濱崎先生:そうですね。手段はたくさんあるので、どれを選ぶかだと思います。

mikan:書籍の執筆やオンラインサロンのメンバーへのコメントなど、先生は様々なお仕事をこなされていますよね。そんな中で先生自身も勉強を継続されていると思うのですが、どのように時間を使っているのですか?

濱崎先生:机に向かって勉強する、ということはもう何年もしていません。リスニングに関しては、ほとんど何かしながら聞いています。例えば僕はジムに通っていて、いつもだいたい90分から2時間トレーニングをしています。TOEIC公式問題集のリスニング音源は1セット約45分なので、2セット聞いても90分です。リスニング音声を聞きながら、周りに迷惑にならなければ小声でシャドーイングをしてトレーニングをしています。

mikan:トレーニングしながらリスニングの練習をしているんですね!単語などの学習はしていますか?

濱崎先生:TOEICに関しては、見たことがない単語はもうほとんど出てきません。出てきたとしても数語なので、常備している付箋にメモして、それを覚えるという感じです。新しく単語を覚える作業というのは、もうあまりやっていませんね。リーディングに関しては、公式問題集をコピーして持ち歩いています。常に2回分を持つようにしていて、移動中や待ち時間に解いています。あとは執筆作業や大学・オンラインサロンの授業の準備が勉強になっていると思います。

mikan:リスニングやリーディングの問題は、何度も同じものを繰り返し解くと答えを覚えてしまいますよね。何度も解くことで、すべての単語や文構造を確認するというような目的なのでしょうか?

濱崎先生:そうですね。2回目以降のリスニングのゴールは、すべてを聞き取れて理解できるということです。シャドーイングをしていてわからない所があれば、スクリプトを読んで確認します。リーディングの方も、問題で何を言っているかが理解できて、かつそれを解説できることをゴールに置いています。スコアを上げることを目標にしている学習者もこのゴールの設定の仕方をすれば、解ける問題の幅が広がるはずです。解説できないということはおそらく、その本に書いてある解説を理解できていないということですよね。

mikan:私自身答えばかりに囚われて、解説をしっかり読んでいなかったのでハッとしました...(笑)次にお聞きしたいのですが、先生はwithコロナ時代の英語学習についてどのように思われますか?今おすすめの学習方法などがあれば教えていただきたいです。

濱崎先生:以前は通勤電車の中など、決められた時間に勉強をすることで習慣づけがしやすかったですよね。コロナの影響で自由な時間が増えた一方、時間の使い方がわからなくなってしまった人がたくさんいると思います。そこで大切だと思うのは、ペースメーカーになるものの存在です。SNSやアプリ、動画など、自分の学習を習慣づけてくれるペースメーカーを見つけるといいと思います。

先生が考える英単語学習の重要性


mikan:英語学習には英会話や文法など、様々なジャンルが存在すると思います。そんな中で、先生が思う英単語を覚えることの重要性を教えてください。

濱崎先生:例えば英語を学ぶ期間は3日しかないとして、効率よく英語ができるようになるためには単語を覚えることが重要だそうです。もちろん文法も大切ですが、単語を1000語覚えていれば、最低限なんとかなります。その単語を知っているかどうかで正解できるか変わる問題もありますよね。単語は土台なので、何を始めるにしても最初は単語を覚えることが大切だと思います。

mikan:ありがとうございます。では最後に、先生の今後の展望などあれば教えてください。

濱崎先生:僕はあまり中長期的な計画を立てるタイプではなくて、短期でベストを尽くすことを積み重ねるほうが向いているんです。だから5年10年先の目標はあまり立てていなくて。その代わり、来年のうちにやってみたいことは考えています。その時その時で一生懸命やっていると、面白い仕事をいただけるんですよね。今後も常にベストを尽くしながら、人の目に触れるようなことは何かを考えていきたいです。


対談を終えて


目の前の目標を全力でクリアすることを積み重ねて今の地位を築かれた先生の体験を、生徒さんへの指導においても小さい目標達成を続けられるような環境づくりに活かされていて、信念と仕組化の両軸でのアプローチが学習においても大切だと気づかされました。大変お忙しい中、丁寧に一つ一つの質問に答えていただきありがとうございました!

プロフィール


濱崎 潤之輔先生
大学・企業研修講師、書籍編集者。TOEIC L&Rテスト 990点満点を70回以上取得しており、自身の英語学習に関するノウハウを活かし、NHK『ラジオ英会話』に「攻略☆英検」を、『入門ビジネス英語』に「絶対ボキャブラリー」を連載中。

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