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変わったんだか、変わってないんだか


十年くらい前、まだまだ新卒の頃、
たった1年間だけ働いていた職場の送別会に
先日呼ばれた。

送別会の主役とのつながりはそこまで強くはなかったけど、
当時の飲み会番長だった上司(Nさんとしよう)に突発的に呼ばれた。

たった一年とはいえ、
当時のNさんをはじめとした上司に、私ともう1人いた同期の女の子はとても可愛がってもらっていたという自負がある。

週に何度も飲みにつれて行ってもらったし、
なんならまだ飲みたくて大人なのに終電なくして
Nさんの家にみんなで泊めてもらったこともある。

稼ぎだって、今考えると、
そんな多くなかっただろうに
何回もごちそうになってたし、
たぶん今だって誘ったらごちそうしてくれちゃう。

仕事を変えた後、私が月給8万円(交通費込み)で働いてたのを知ってたからか、ご飯食べるお金なかったら連絡してきていいよって言われてた。
感謝してることをお伝えしたら、ホントだよな〜でもあれ以来新しく入った人たちとか、全然奢りがいがなかったんだよな〜だからこの飲み会にもいないんだけど…と笑ってた笑


仕事終わりに職場の飲み会に
途中合流してくるNさんの奥様(N奥とします)の、
明るくて全然相手に対して壁がない感じにかなり憧れがあって、
飲み会やお家にずっと居座ってしまっていたのを思い出す。
休日のお昼ご飯はツナバターパスタなんだと、
テレビを見ながらご馳走になったし、
パスタがうどんになって今でも私のメインメニューだ。

あの時の彼女の年齢に徐々に近づいていくのに、
憧れのままで全然近づけている気がしない。

ただ、友達夫婦の会社の飲み会にしれっと参加できるくらいの
肝っ玉が育ったのは紛れもなくN奥の後ろ姿を見ていたからだと思う。
接待飲みスキルはないけど、友達飲みスキルは少しある。
22歳で勉強できてて本当によかったと思っている。


***

10年前たびたび、冗談めかしてN奥のことを”いい女”なんだよ笑
と話していたNさん。照れ隠しだけど話したかったんだろうなと今ならわかります。

ある日、
N奥と飲み物の買い出しにふたりで出たときに聞いてみた。
「Nさんのどこに惹かれて結婚したんですか!」と。


「えー照れちゃうなー笑」と言いながらも、22歳の小童に話してくれた。

「Nさんってさ、当の本人がすごい面白い人かって聞かれると、正直普通にちょっと面白いくらいじゃない?
でもね、Nさんの周りにいる人がすごい変わってたり、不思議だったり、やばかったりするじゃん?面白い人ばっかりなんだよね。
こうやって飲み会連れてってもらったりとかしてると、出会う人出会う人が本当に面白くてさ。だからかな?笑 
面白い人が集まってくるの!それってめっちゃ面白くない?笑 
そういうところが、好き」
と屈託なく笑うN奥が、本当にかわいかった。

「小町ちゃんは?いい人いないの?」とN奥に聞かれて、
「最近大学時代に付き合ってた人に振られて…」と話した。
7月7日の七夕の日に振られた、幼すぎた私の恋愛。

「それはつらかったね…次の恋愛はさ!
自分が好きになった人と付き合うといいよ!
世間はさ、女性は愛されたほうがいい。
好きになった人より、好きになってくれた人とかいうけどさ、
私は違ったなぁ。傷つくこともあるかもしれないけど、
すごく一緒にいるのが楽しいよ。だから、自分の気持ちに自信もってね。」
とN奥は言ってくれた。

好きな人と付き合う。
いいなぁ。あれから10年たちますが、ずっとそれを待ち望んでます。
好きな人とはまだ付き合えてないけど、好いてくれた人と過ごす時間もあったけど、自分の気持ちに自信が持てなくなる日もあるけど、
好きになったことは、忘れないでいたいね。


***
当時LINEの交換はなんだか恥ずかしくて、
なんでかなぁインスタグラムを交換した。
良くも悪くも大学生ノリだったんだろうか
でも、あの時のおかげで、今の私(仕事じゃないほんとに趣味垢)が
NさんもN奥も10年視界の片隅にいる。

久しぶりにDMして今度おうちに遊びに行く約束をした。
抱っこさせてもらったN赤ちゃんも、もうN小学生だ。

ひとりだけ浦島太郎のような、え?もうそんな経った?ま?
みたいなきもちだけど、黒髪に数本白髪混じるくらいの華麗なる加齢を重ねた私で会いに行きますよ。


***

肝心の送別会のことを書こうと思っていたのに、
楽しくも刺激的だったかつての記憶を先に書いてしまった。
上司も先輩もみんな変わらなすぎだろっていうくらい、
老化してる人は誰もいなかった。華麗なる加齢。

”覚えてないとは思いますが~”の前置きから自己紹介をしたら、だいたいの人が覚えてくれていた。一年間しかいなかったのに!
それだけですごくうれしかったし、人によっては私の仕事を見かけたようで、あれ見たよって言ってくれた。

「前もっとみつあみとかしてるくらい、おぼこかったよね?
いいねぇお姉さんになったねぇ」(そらもういい歳ですがな)とも。
髪の毛を整えて、眉毛を染めに行った甲斐があった。


話を聞くと同じ仕事を続けてる人は
あまりいなかった(テレビ局違いとか)。

車で来ていたシラフの先輩に「お前まだ、やってんの?」と聞かれ、
え、喧嘩売ってる?って一瞬思ったけど
「ずっと続けてんの、すげぇじゃん普通に」って言われて
またにやけた。

気づけば6時間もいた。
終電なのでと帰ったけど、地元で結局また少し飲みに行きました。
お酒も昔より飲めるようになりましたよ。


***

前に進めてるのか?
変われてるのかな?
何もできてないんじゃないのか?

自問自答を繰り返してたけど、
変わったところも、変わらなかったところもあるけど
なぁんだ。それでいいし、
何も進化してないところなんてなかったんだって思ったよ。

雨のじめじめにやられて、気持ちまで持っていかれないようにしないとね。


YUI / feel my soul


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