働きマン1

令和になってもやっぱり理想は働きマン

実は私、この春に大学を卒業して社会に投げ出されました。新社会人のくせに、私の基本スタイルは「残業はなし、定時で帰る。だってプライベートが大切だもん(もちろん自分の仕事は終えた上で)」。働き方改革関連法が施工された今、そんな考えの人は少なくないのではないでしょうか。かくいう私もその一人。

内定をもらった時からぼんやりそう思っていましたが、安野モヨコさんの『働きマン(1)』(講談社)を読んで少し考えが変わりました。有名なので、読んだことのある人も多いと思います。

この漫画の主人公は、表紙にもなっている女性、松方弘子(28)。『週刊JIDAI』の編集者で、ともかくパワフル。ゆとりっぽくプライベートは大切にしたい派の後輩(私もそんな感じかも)に「若いのに楽してんじゃねえよ」とゲキを飛ばし、「あたしは仕事したなーって思って死にたい」と語ったりもする仕事人間。

1巻目の中で特に印象的だったのが、彼女が政治家の不祥事の尻尾をつかんで記事にしようとする部分。大ニュースに編集部は大荒れ、「巻頭差し替え!」と声が飛び交う中で、彼女は「仕事モードオン! 男スイッチ入ります」とスイッチを入れて「働きマン」と叫びます。そこからは「血中の男性ホルモンが増加して通常の三倍の速さで仕事をする」のです。

男女平等意識が強い今、仕事モードをオンにするのに「男スイッチ」とはなんぞや、とも思いますが、この漫画の初版が2004年だと考えるとまあ理解できます。

とまあ、この部分は本筋とはずれていて。私が弘子をかっこいいと思うのは、仕事を心から楽しんでいて、大きいネタが来たら周りが見えなくなるくらい集中するところ。果たしてゆとっちゃっている私は、大きいネタが来た時に彼女のように飛びつけるのだろうか。そんな状況になったことはないですが、私は迷わず飛びつく人間でありたいのです。だってそっちの方が絶対に楽しいに決まってる。最初に「残業はなし、定時で帰る。だってプライベートが大切だもん(もちろん自分の仕事は終えた上で)」って言ったけど、いざという時に二の足は踏みたくない。

だから、「残業はなし、定時で帰る。でも仕事が楽しかったらなんだってどこまででもやる。だって自分の楽しみが大切だもん(もちろん体調を崩さない上で)」に信念変更したいな、と思います。

ちなみに『働きマン(1)』の中で、私は特に松方弘子がかっこいいなと思いましたが、彼女を取り巻く様々な「働きマン」が登場します。どちらかというと、彼女を取り巻く人々の方が人間くさく、弘子が「できる」からこそ冷たく当たってしまう張り込みの「張り班」の男性編集者だったり、自分のやりたかった企画がやっと通って嬉しかったのに、上司命令で弘子にその企画を引き継ぐことになってしまった新人編集者だったり。あ、そういえば弘子の彼氏も出てきます。個人的にはぐさりと刺さるような人間で、無事変わってくれて嬉しい。 まあとにかく何が言いたいかというと、誰か一人には共感できるし、憧れを持つことにもなるって言うことです。

新生活になったし、皆さんも自分の理想の「働きマン」を目指してみてはいかがでしょう。

また続巻読んだら多分投稿します。久々の投稿楽しかった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?