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Y-biz(山形市売上増進支援センター)の取組み

今日は、山形市が推進しているY-biz(山形市売上増進支援センター)のオープニングシンポジウムに参加しました。

ゲストには、全国各地に「〇〇Biz」を次々と手がけている富士市産業支援センターf-Bizセンター長の小出宗昭氏、岡崎ビジネスサポートセンターOKa-Bizセンター長の秋元祥治氏がお越しくださいました。

●「f-Bizモデルとは?」
 
公が運営する中小企業相談所のことで、相談は1回1時間で無料。f-Bizが注目されるのは、具体的にどうやって売上を上げられるかという具体的なサポートをしてくれる場所。
http://f-biz.jp/

・f-Bizにくるのは年間4,000件程度の経営相談がある。全体の7割が売上アップしている。
・Oka-Bizは月間250件、f-Bizは370件程度の経営相談がある。
・以前の自治体の相談窓口は補助金や助成金相談にはくるものの、経営相談にきている経営者はいなかった。
・f-Bizは明確な成果にこだわっている。
・経営相談のメインは、売上増加であった。
・自分たちの知恵やアイデアを使って売上を上げる仕組みを伝える必要があった。
・決算書は見ないのが特徴、徹底的に話を聞き、企業の強みを見つける。
・2008年に「f-Biz」が初めてでき、現在全国20か所でこのBizモデルができている。
・全国各地のセンター長の適正は、ビジネスセンスが高く、コミュニケーション能力が高く、情熱がある人。
・センター長の面接は、地元の経営者の自社の課題を相談してもらい、その応答を聞いて、地元の経営者の方が一番相談したいという人を採用する。
・いろいろな相談がしやすい場所である。
・f-Bizでは、男性女性半々の割合で、創業の相談の6割は女性である。

【事例①】倒産寸前の金属メーカー
現在は自動車部品の下請けを行っていたが、売上が下がり続けていて、倒産寸前であった。本来鋳型を使わないと作れないようなものが作れる。プロトタイプの試作品を作ったりもしている。
同社の強みは、
・高度な加工技術を持っている。
・1品から受付可能で超短期納品できる
⇒①新サービス「試作特急サービス3DAY」を公表
⇒結果、3か月で50社の新規クライアントができた。
⇒②新サービス「部品再生110番」を公表クラシックカー等の古い車の部品は手に入りにくいため、カーメンテナンス業界など異分野進出を視野に入れた。

【事例②】株式会社イトー(紡績業の下請け)
下請けから脱却したいため、独自性のある商品開発をしたいが、アイデアが思い浮かばない。全国の紡績工場で使われている綿ぼこり除去製品(静電気の活用)があった。プロユースの中で支持されていることは間違いなかった。
⇒冷蔵庫と壁のすき間など掃除がしにくい箇所で掃除ができる商品「ほこりんぼう!」を開発した。
⇒結果、3年で10万本販売、利益13倍増。
⇒靴の先端を掃除する「ほこりんぼうmini+」を開発。

【事例③】株式会社トリイ(化学薬品・卸売業)花向け染料
花を赤くする染料を売りたいとの相談。売上アップを実現した3つのポイント。
・ターゲットを花屋から、夏の自由研究用の小中学生へ。
⇒無料のネットショップYahoo!ショッピングへ出品。
⇒結果、大手出版社から1万セット大量受注、隔離の東急ハンズ、Amazon1位、yodobashi.comなど、売上は前期比120%へ拡大。
⇒半年前にアロマベールという企業とビジネスマッチングをし、「カラーハーバリウム」の染料を売ることにした。カラーハーバリウムのワークショップや講師育成を行った。

【事例④】佐野花火(花火卸売、小売)
強みとしては、
・国産花火を製造メーカーとのつながり
グランピングや線香花火のトレンドを使って、ブランディングサポートをした。
⇒新商品「花火十二単」(1万円)を市場投入し、販路拡大。リゾートホテルや高級インテリア等EC出店などを実施。
 
【小出氏メモ】
事業承継者のタイミングは、
・業績不振
・後継者不在
の2つがクロスすると、課題として露呈する。

●パネルディスカッション
市長:山形市には少量多品種、鋳物を中心とした製造業、農業など光るものは多いため、もっとデザインなどを磨いて打ち出していきたい。老舗企業(100年以上)は京都に続いて多い。

富松氏:これまでの中小企業支援で漏れていたものがあったのかと思うので、Y-Bizは地域を元気づける最初の1歩になると思う。

小出氏:前向きなチャレンジになるように、センター長とプロジェクトマネージャーの2人はしっかりと手がけている。山形市でもチャレンジムーブメントが起きると期待している。f-bizには、NPO法人や学生、主婦など、たくさんの方々が相談にきているため、Y-Bizでも多くの方に来ていただきたい。
 
秋元氏:現在、Y-Bizには100件以上の予約相談がきているが、市内事業者しか相談できないのか。

小出氏:f-BizとOka-Bizは市外の人たちも積極的に受け入れを行い、ビジネスチングを行っている。市内の事業者が最優先であるが、市外の方も受け入れていきたい。

富松氏:日立製作所の研究所にいたため、BtoBの製造業が得意である。

尾上氏:大阪の博報堂にいたため、BtoC向けのブランディングは得意である。

小出氏:ビジネスセンスやコミュニケーションスキル、情熱があれば、売り上げは上げられる。そのためには、①販路を増やす、②ターゲットを増やす、③コラボレーションをする の3つの視点があれば、バックグラウンドはどうであれ、成果は出ると考えている。
 売上を上げるには、地元出身者ではなくてもよい。コミュニケーションスキルがあれば、すぐにネットワークを構築できるため、地元かどうかは関係ない。女性のセンター長がいることは、女性の相談者が増えるのではないか。
 プロフェッショナルな人材の雇用は必要であるため、年収は1,200万円に設定している。市民の税金だからこそ、単年度契約として厳しい査定を行う。

●まとめ
 山形市でこのような経営相談を受けられるとは、かなり画期的です。しかし、その結果、各金融機関や経営コンサルティング会社は打撃を受ける可能性があるかもしれません。業界の質向上や活性化のためにも、こういったサポートがあるのは非常に魅力的だと思いますが。
 Y-Bizの取り組みにより、山形市の中小企業が元気になり、創業したいとチャレンジする人たちが増えるのは市民にとっても嬉しいですよね。
 私も来月早速今後の事業について相談してみたいと思います。相談内容はまたご報告いたします!
今後のY-Bizの取組み、楽しみですね。

Y-Bizのお申し込みはこちらから↓↓
http://y-biz.info/




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