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破天荒フェニックス田中修治氏講演会

昨日は、「破天荒フェニックス」の著者、オンデーズ代表の田中修治氏の講演会へ。少人数だったため、参加者の質問タイムが濃厚で最高に面白かった。今日はその中で特に面白かったQ&Aを抜粋。

Q.赤字経営のオンデーズを買収して、14億円という借金を背負うことに不安はなかったですか?
A.もともと何も持っていなかったため、不安など何もない。だってなくすものがないから。逆にもし会社を倒産させたら、それは自分の財産になる。みんなはよくお金や土地建物しか財産と思っていないが、人や経験というのは大きな財産である。あとは倒産させると恥ずかしいとか世間体が気になるという人がいるけど、それは自意識過剰すぎる。みんな自分のことなんて大して何も思っていないから。
 あとは、金融機関への借金の返済というのは、最後でいい。周りの評判を気にして、従業員の給与や取引先への支払いを遅くすると、事業ができなくなる。金融機関だって、倒産されるよりは少しの間返済がストップしてもしっかりと返済してもらえた方が助かるわけだから、その順番を間違ってはいけない。

Q.人の死に目などを身近で経験したことはありますか?
A.人生で4回あった。それらを経験したことで、基本的に「明日はこない」と思っている。だから、今日できることは先送りにしないことが大切。そうやって生き急いでいると、結果は出る。

Q.社員教育において、やる気がない社員がいるのですがどうしたらいいですか?
A.基本的に相手に対して期待はしていない。もちろん仕事は契約だから、契約内容を実行しているかは確認するけれど、どういう生き方が幸せかは人それぞれの価値観があるから、一応言うけれど、それで改善しない場合は強要はしない。もう辞めてもらうだけ。価値観が一緒の人と働く方がよい。

Q.どうして海外出店をしたのですか?
A.地政学リスクを考えたことと、会社を伸ばすためには海外出店しかないと思ったから。東北大震災で、東北の店舗がだめになったとき、これは日本がだめになることも想定しないといけないと思った。日本がだめになっても、海外展開しておけばそのリスクコントロールはできる。
 ゼロリスクは存在しないから、常にトラブルは起きるものだと想定して行動している。海外展開することで、為替リスクも軽減できる。

Q.国によって戦略を変えているのですか?
A.日本製と謳ったほうがいい国とそうではない国がある。台湾や香港は日本製と打ち出したほうが売れるが、シンガポールやマレーシア、インドネシアはそうではない。台湾などでは、日本語でPOPなどを作成したほうが売れる。シンガポールでは、日本製を全く打ち出していないため、現地の人にはオンデーズはシンガポールのブランドだと思われている。

Q.海外から見た日本はどうですか?
A.海外に赴任している日本のビジネスマンは総じて日本はもうだめだ、という風潮があるが、日本国内では日本賛美の風潮が強い。どちらに偏っているのも良くないとは思うが、やはり日本という国は素晴らしい国だと思う。   

 オンデーズのメガネは一人当たりの単価が1万円くらいで、年間所得が200万円以上の人たちをターゲットにしている。そう考えると、日本国民はだいたいみんな年間所得200万円は稼いでいて、そんな国は海外を見ても他にない。GDPでは中国は日本の3倍であるが、人口や国土面積が圧倒的に異なる。そして、国民の格差が激しい。やはり日本という市場は非常に魅力的で、これはもっとみんな自覚すべきだと思う。

Q.社員の定着がなかなかうまくいかないのですが、どうしたらいいですか?
A.儲ければよいと思う。結局、社会的意義や使命感は二の次であり、儲かっている企業は残したいとみんな思うし、ついていきたいと思う。けれど、儲かっていない企業には魅力はない。儲かっていると選択肢が広がるので、まずは儲けることが最優先である。

Q.どうやって売り上げを伸ばしたらいいでしょうか?
A.生活必需品は儲からず、どうでもいい商品(無駄なもの)こそ売れる。生活必需品はどんどん安くなり、儲けが出づらい。だから、贅を極めたものなどは高単価で売れる。日本の資産の半分は一部のお金持ちたちが握っているため、その人たちにターゲットを絞って商品を売るとよい。高単価の商品だから売れないというのはウソである。

Q.チャレンジにおいて大事にしていることは何でしょうか?
A.楽しいこと。楽しいことは自分が没頭できることから結果が出る。

Q.子育てにするうえで大事にしている教育やさせたほうがいい経験はありますか?
A.英語は必要だと思っている。20年後などは自動翻訳が当たり前になるので、英語は不要になるかもしれないが、今後は海外の人たち抜きには生きていけないので、ベースとして英語を学ばせている。 
 経験としては、ふり幅の大きい体験をさせている。シンガポールで、1個6,000円もするようなハンバーガーを食べさせたり、タイのものすごく田舎で、子どもと同年齢の子が裸で物を売っているようなところに行き、それを買って食べるなど。海外に行くことで、価値観が変わりやすくなるので、とにかく多様な環境に身を置かせるようにしている。

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といった内容のQ&Aでした。
もう、目から鱗というか、破天荒というか、本当に本のタイトル通りだなーと(笑)。でも仕事や人生における考え方は非常に参考になりました。田中さん、企画された皆様、本当にありがとうございました。年末最後に最高の刺激をいただきました。


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