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おそれいり豆女史

「4時間の舞台 見ない?」

太宰治 未完の遺作「グッド・バイ」
劇作家・演出家のケラリーノサンドロヴィッチが手がける舞台(2015)
を見ました

友人が録画しておいてくれたものを
ピザやポテトやコーラとともに
4時間

太宰治って
こんなに面白い話書いてたんだ
雑誌編集者の田島が数々の愛人と別れるために
女を雇い妻と偽り連れて行き
円満な別れを試みる、という話

キヌ子役の小池栄子の演技が
突き抜けていて頭から離れない

女性を楽しませ、心から愛し
複数愛人を作っていますが
田島役の仲村トオルの人の愛し方が素敵だなぁ
なんて思いながら
4時間あっという間に見ていました

物語もさることながら
舞台演出にも凝っていて
音楽が独特で効いています
好みはあるかもしれませんが
舞台は好きじゃない…と思う人は一度見てみることをお勧めします
新しい世界が開けるかもしれません

物語の時代背景は戦後の復興期
疎開中というワードや、モンペ姿が出てきたり
アメリカ人の姿も

でも、人間の考えること、やることは
いつの時代も本質的には変わらないんだなと思いました
今よりも物質的には恵まれてはいない時代に
食うや食わずで一生懸命に、でも明るく、瞬間を楽しみながら
当時を生きていた人々を見ていると
現代にも共通するものが見えました

数十年後には現在の私たちの様子が
喜劇のように描かれるとしたら
今の状況を一生懸命に生きて
そしてめいっぱい楽しんでおきたいな、と思いませんか

聞き慣れない言葉が出てきました
「愛別離苦―あいべつりく」
---愛する人と生別、または死別する苦痛や悲しみ---
仏語で八苦の一つ
劇中では、亡くなった人を思い出す自分たちが亡くなる時に
本当にその人が亡くなるのだ、ということを言っていました


見終わってから太宰治の原作を読んでみたくなり
すぐに読みました
本当だ、未完だぁ…


今日もありがとうございます
またお話しましょう

十勝で暮らしている日々を 時には嬉しく、時には楽しく、時には寂しく、綴ります。