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表札

寒くなりました
冬の準備はいかがですか

十勝は寒さが身体に堪えます
芯から冷えるとはこういうことだった!と
毎年思います…

今年は防寒グッズを早めに備えたので
(カイロ、ダウンベスト、ひざ下まである長ぁーいコート!)
ふゆ、いつきてもいいよ

世の中まだまだお出かけは控えめな状況ですが
楽しみにしている「朗読会」がありました
幕別町図書館で月イチで集まっている小さな会です

30代~80代までの男女で
毎回それぞれの選ぶ題材で朗読を披露しあっています

一人一人の声を聴いていると
優しい声
強い声
くぐもった声
いろんな声があるんだなぁと思います

そしてみんなの選ぶ本や物語が
いつも新しい発見をくれます

今日は岡本太郎の「自分の中に毒をもて」
を朗読した方がいました
この方はとても可愛らしい声の持ち主で
童話などを読むとイメージがぴったりなのですが
今日は意外な選書
ご本人は「読みづらい~」と反省されていましたが
いやいや
この声で岡本太郎か!このギャップがいいですね!
とた~くさん誉めました

またこの本がナイフのようにグサッと鋭く突いてきます
目次から
・自分の大間違い
・モノマネ人間には何も見えない
・一度死んだ人間になれ
・「捨てる主義」のすすめ

冒頭には

”財産も知識も蓄えれば蓄えるほど
かえって人間は自在さを失ってしまう
心身とも無一物、無条件でなければならない
捨てれば捨てるほど
いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる
今までの自分なんか蹴飛ばしてやる
そのつもりでちょうどいい”

とあります
岡本太郎さんは哲学もかなり勉強されたそうです
この本が30年前に出版されたとは
「自分の運命を試す」
「ありのままの自分を貫く覚悟」
など
一言一言に背中を押されるようです

ここ最近、目にする言葉、入ってくる言葉に
今を生きる
というワードがあります
いま、どうなのか
いま、やるのかやらないのか
いま、の気持ちはどうか
いま、目をつぶってちゃあダメでしょ

今を置き去りにして
訪れる明日には…?

私の選んだ朗読を紹介します
石垣りん「表札」
という詩です
この詩は出会った日から忘れずに心に留めています


「表札」  石垣りん

自分の住むところには
自分で表札を出すにかぎる

自分の寝泊まりする場所に
他人がかけてくれる表札は
いつもろくなことはない

病院へ入院したら
病室の名札には石垣りん様と
様がついた

旅館に泊まっても
部屋の外に名前は出ないが
やがて焼場のかまにはいると
とじた扉の上に
石垣りん殿と札が下がるだろう
そのとき私はこばめるか?

様も
殿も
付いてはいけない

自分の住むところには
自分の手で表札をかけるに限る

精神の在り場所も
ハタから表札をかけられてはならない
石垣りん
それでよい


今日もありがとうございます
また お話しましょう


十勝で暮らしている日々を 時には嬉しく、時には楽しく、時には寂しく、綴ります。