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【創作プロット】二次創作漫画「首長殿への婚礼祝い」(昼夜モーセとファーディル)※絵はありません

小説「昼も夜も彷徨え」の二次創作漫画のプロットメモです。描くなら8Pくらいで。
ちなみにサムネ画像の幾何学模様は自分で描きました。

ユダヤの首長の座を引き受け、サラとの結婚を控えたモーセ、カイロの宰相の館でファーディルと会う。

ファーディル…● モーセ…□

●「モーセ殿はこの度ご結婚なさるとか」
「おめでとうございます、婚礼祝いの羊は100頭ほどでいいでしょうか」
「ユダヤの首長(ライース)殿の佳き日ですからね」

□「ちょ、ちょっと待ってくださいファーディル殿」
困惑(羊が100頭…!?)

●「おや、ハレヴィ家のサラと結婚するのでしょう?」
サラのビジョン

□「そうですが…お耳が早いですね」

●「わが主君、勝利の王サラーフ・アル=ディーン様の庭園の、花ひとつでも咲くのを知っていなければ」
サラディンのビジョン
「もちろん主君もお喜びですし、後宮(ハリーム)でもサラが侍女を辞めるのを惜しまれているのですよ」

□「ファーディル殿、お申し出はありがたい事ですが…」
「お断り致します」
毅然とした態度で

●「…それはわれらイスラームから施しを受けたくは無いと?」厳しげに

□「私は今まで誰からもそのような物を受け取っては参りませんでした」
迷いなく

●「さようですか…ならばモーセ殿、いささか困りました」
ふむと考え込む
「今はシリアにおわす、わがスルターンからの命を遂行できないのであれば、私の首が斬られてカイロの城壁に飾られるかもしれません」
「いや困った困った、主君に背く事になろうとは」
軍装のサラディンと城壁のビジョンを背景に、おおげさに首をさする

□「は?」
「あの方が王朝の宝と讃えるものを、自ら損なうとは思えませんが」
困惑しつつも反論

●「王者からご寵愛を賜っても、気まぐれで明日には一族すべて滅ぼされた例えもご存知でしょう」
「…ご寵愛なんざむず痒いですがね」
いまいましげ、悔しげ

□「しかし私が結婚の祝いを受け取らなければ、あなたの首が飛ぶというのは」

●「スルターンはそういうご趣味の方ではないですな」

□「そうでしょう!」
笑って怒り(ギャグっぽく)

●「いいですかモーセ殿、私が守るのはイスラームの法(シャリーア)とこのエジプトです」
「守るにはあなたを十字軍(アフラング)の間者と疑ったような事もしなければならない」「だが情なき統治とは空虚なもの」
「われらがエジプトを隣人の婚礼すら祝えぬ国と謗られたくはないのです」
「権力に寄らないあなたに祝いの品を受け取らせるのは、強者の傲慢と取られても致し方ありません」
「…しかし私は以前意にそまぬ言葉も操れると申しましたが、神かけてこの言葉は偽りではない」
「異教徒であるあなたとサラの婚礼を祝う思いもね」
立ち上がって飾り窓の側へ。逆光で。

□「…参りました。ファーディル殿」
「ならばこう致しましょう、私が頂くものではなく、われらユダヤ教徒に振る舞うものとしてお贈りください」
「こうすればサラーフ・アル=ディーン様のご厚意にも報えましょう」
観念したように笑う

●「ありがとうございますモーセ殿。婚礼祝いを受け取って頂けて感謝します」
涼やかに

□「あなたが情に訴えるとは思いませんでした」

●「理詰めの冷静な言葉には屈服しないと読みましたからね」

□「よくご存知で」

●「好敵手ですから」
得意げに

□「それでは好敵手殿からの祝いの品、有難く婚礼の宴の馳走に致します」

●「サラのご機嫌も取らなくちゃいけませんよ!」
ギャグっぽく(デフォルメ)

□「…頑張ります」

終わり