見出し画像

ニンジャの身柄確保(忍殺TRPG自作ソロシナリオ)

これはニンジャスレイヤーTRPGの自作ソロシナリオです。

ふわふわローン返済に失敗してキャラロストするニンジャを対象とした、「座してふわふわ死を選ぶくらいなら足掻いてやろう」という往生際が悪く生き汚いサンシタ向けのミニゲームめいたシナリオとなっております。よろしければ是非遊んでみてください。

◆本編開始な◆

◆ソウカイヤに所属するサンシタニンジャであるお前は、地道なカラテ鍛錬で強くなる道を嫌い、サイバネによる安易でインスタントなパワーアップを選んだ。もちろんサンシタであるお前にサイバネ手術を受けるカネなどない。コツコツ稼いで費用を捻出しようなどという努力や辛抱と無縁なお前は、愚かにも悪名高いふわふわローンでカネを借り、ミッションの成功報酬で返済しようという無鉄砲な計画を立てた。◆
◆サイバネを埋め込んで意気揚々とミッションに向かったお前だったが、付け焼刃のサイバネを使いこなせず、あるいはサイバネによるパワーアップ込みですらなおどうしようもないサンシタであったため、ミッションに失敗してしまう。当然、報酬は手に入らず、予定していた返済計画は頓挫する。◆
◆ふわふわローンを返済できなかったニンジャの末路は、爆発四散が慈悲に思えるほどおぞましいものだという。慌てて他の手段で稼ごうとするお前だが、そう簡単にカネが手に入るなら最初から借金などしていない。◆
◆何とかカネを稼ごうと焦るお前に、上役のニンジャが声をかけた。なんでも、お前同様ふわふわローンを返済できないサンシタが取り立てから逃げ回り、ソウカイヤのニンジャ要塞に立てこもっているらしい。このサンシタを確保してふわふわローンに身柄を渡せば、お前の借金を帳消しにしてやると言うのだ。◆
◆ニンジャ要塞はネオサイタマ中に点在するソウカイヤのビルで、ザイバツやニンジャスレイヤーなどの反ソウカイヤ存在をここに誘い込み、ガス・マネキネコやUNIXボウガン、毒スシなどの殺人トラップで抹殺するための施設だ。最上階の司令室に立てこもっているサンシタに辿り着くまでには、数々の殺人トラップを切り抜けなければならないだろう。同じくサンシタのお前には荷が重い仕事だ。◆
◆だが、この機会を逃せばローン返済など不可能だ。覚悟を決めたお前は上役のニンジャから確保用のタケウチ・ウイルス入り注射器を受け取り、サンシタの立てこもるニンジャ要塞へと向かった…◆

◇◆◇◆◇

◆ニンジャ要塞にエントリーした君は、五感の全てを動員して周囲に最大限の警戒を払う。このビル内部は侵入者抹殺の決断的殺意に溢れた殺人トラップの巣。油断すれば即座に無惨な死を遂げるのは間違いないからだ。ニンジャ第六感をも働かせながら、君は最上階の司令室を目指してしめやかに進み始めた。◆

※注意な※ あなたはビル中に仕掛けられた殺人トラップに注意を払いながら進む必要があり、常に精神力を削っているような状態です。このため、本シナリオでは精神集中による自動成功は使えません

また、ふわふわローンを返済できないほど困窮しているあなたが換金可能な消耗品を持っているわけが無いので、スシトロ粉末ZBRアドレナリン注射器、ウイルス入りフロッピーなどの消耗品回復アイテムを持っている場合、シナリオ開始時に自動的に破棄されます。

ムテキ・アティチュードはダメージを受けるタイミングで、ヘンゲヨーカイ・ジツやヤルキ・ジツはダイスを振る前のタイミングでそれぞれ自由に使えます。【精神力】1の消費と【ジツ】+【ニューロン】の難易度NORMAL(必要出目4以上)判定を忘れずに。精神力はマイナスになったら爆発四散(0はOK)、ジツ発動判定に失敗したらもちろんジツは使えませんのでご注意を。

11110101010100111111
◆「ザッケンナコラー!」「イヤーッ!」「アバーッ!」タケヤリや電流ナルコなどの基礎的殺人トラップを避けつつ、定期的にPOPしてくるクローンヤクザを殺しながらビルを進む君は、天井に無数のボンボリが吊り下げられた大ホールに辿り着いた。何とも異様なアトモスフィアだが、目指す階段はこの先だ。君は注意を払いつつボンボリホールにエントリーする。◆
◆するとその途端、天井からボンボリが君を目掛けて落下してきた!「イヤーッ!」素早く回避する君だが、KABOOM!「ヌゥーッ!?」なんとボンボリは床に落下すると同時に爆発!これは恐るべき殺人バクチクボンボリトラップだ!◆
◆KABOOM!回避した先にも落下爆発!立ち止まるのは危険!「イヤーッ!」君はこの殺人ボンボリ地帯を抜けるべく出口に向かって全力疾走!KABOOM!KABOOM!KABOOM!一瞬前まで君がいた場所から聞こえるボンボリの連続落下爆発音!◆
◆「イヤーッ!」KABOOOOM!君はスライディングを繰り出して出口真上に設置されていた特大ボンボリの落下を間一髪で潜り抜け、殺人ボンボリ地帯を見事突破した!「フゥーッ」額の汗を拭う君の視界の端に、廊下に置かれたコケシが映った。瞬間、君のニンジャ第六感が警告を発する!◆
◆ここで【ニューロン】判定を行おう。難易度はHARD(出目5以上必要)だ。◆
◆出目5以上を出せた君は、コケシの放つ不穏なアトモスフィアをいち早く察知して咄嗟に連続側転を繰り出して距離を取る!「イヤーッ!」KABOOOM!直後爆発するコケシ!ボンボリ地帯を抜けて油断した相手を狙ったブービー・コケシ爆弾トラップだったのだ!君は改めてニンジャ要塞の恐ろしさを知り、戦慄しながらも階段へと進んだ。◆
◆出目5以上を出せなかった君は、ほんのコンマ数秒反応が遅れてしまった。KABOOOM!「グワーッ!?」突如爆発したコケシに吹き飛ばされた君は壁に激突して【体力】を2失う!◆

※注意な※ 今回のシナリオでは【体力】が0、もしくはマイナスになった時点でゲームオーバー、爆発四散してキャラロストです。

◆「ヌゥーッ…」まだ生きている君はフラフラと立ち上がった。ボンボリ地帯を抜けて安心したところで本命のコケシ爆弾を仕掛ける恐るべき二段構えだ。この先はさらに注意しなければなるまい。君は痛みをこらえながら階段へと向かった。◆

◇◆◇◆◇

◆「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」君は飛び出してくるタケヤリを避け、トリイギロチンを潜り抜け、ガス・マネキネコをキックで蹴り飛ばし、要塞をどんどん攻略していく。君のその姿は借金も返せぬ情けないサンシタとはとても思えない。死と隣り合わせの緊張感がカラテを研ぎ澄ませているのだ。今や油断ならぬソウカイニンジャとなった君は、細く長い廊下へと差し掛かった。廊下の先には上への階段が見える。◆
◆警戒しながら廊下を進む君だが、突如として前方に防火隔壁が下りる。まずいと思って振り向くと、やはり後方にも隔壁!閉じ込められてしまった!◆
◆隔壁にカラテを叩き込んで脱出しようとする君に、突如として銃弾の雨が浴びせられた!BRATATATATATA!見れば廊下の壁中に隠されていた銃眼が開き、中からマシンガンが突き出している!◆
◆身を隠す場所のない閉所での濃密な弾幕。加えて司令室のサンシタが操作しているのか、複数のマシンガンが絶妙な時間差で回避困難な射撃をしかけてくる。被弾は覚悟しなければならないかもしれない。だが、ここで死ぬわけにはいかない!「イヤーッ!」君は全力で回避を試みる!◆
回避判定だ!サンシタ操作マシンガンの回避難易度は閉所なのでHARD(出目5以上必要)、そして時間差三連射をしてくるぞ!一発につき【体力】を1三発命中すれば【体力】を3も失ってしまい危険だ!【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】の中で最も高い値の数を三分割して回避しよう!◆
◆例えば【カラテ】5 【ニューロン】3 【ワザマエ】1のニンジャならば回避ダイスは【カラテ】の値である5個になり、それを2,2,1というように分割して振ることになる。分割の仕方は自由なので、0,2,3と分けることであえて一発を受けて残る二発の回避成功率を上げる、という分け方もできるぞ。◆
◆「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」銃撃を見事に掻い潜り、もしくは数発被弾しながらもニンジャ耐久力で耐えた君はマシンガンをスリケンやカラテで次々と破壊!「イヤーッ!」CLAAASH!そして全てのマシンガンを沈黙させると隔壁にカラテを叩き込んで死の密室から脱出を果たした!君は安堵も油断もすることなくカラテ警戒し、そのまま階段へと進んでいく。◆

◇◆◇◆◇

◆その後も君は恐るべき殺人トラップを回避、撃破しながら上へ上へと進んでいった。毒矢、ネギトロ・グラインダー、毒スモトリ、クローンヤクザ満載部屋、バイオズワイガニ、毒スシ、隠しZAP銃、マグロ頭爆弾。死の危険から湧き出すニンジャアドレナリンによってカラテとニューロンを冴え渡らせた君は、あらゆるトラップを切り抜けていく。恐るべきオーガニック猛獣であるメキシコライオンをすら他のトラップに誘導することで撃退した君は、とうとう司令室のある最上階まで到達した…!◆
◆司令室はすぐそこだ。君ははやる気持ちを抑え、慎重に扉を開ける。司令室の中には無数のスイッチが並んだ戦略チャブ、そして要塞各所の映像を映す大型モニタ。だが肝心のサンシタの姿が無い。注意深く部屋の中を見回した君は、奥にフスマを発見した。あの中か。君は意を決してフスマに手をかける…!◆
◆「バカな……行き止まりとは……!」君が足を踏み入れたのは、タタミ敷きの四角い小部屋であった。それはシュギ・ジキと呼ばれるパターンで、十二枚のタタミから構成されている。四方は壁であり、それぞれにはライオン、バタフライ、ゲイシャ、イカの見事な墨絵が描かれていた。◆
◆もはや先へ進むためのフスマは見当たらない。では、サンシタはどこへ消えたのか。この謎を解くべく、君はカラテ警戒をしながら物音ひとつ立てぬ精緻な足運びで、部屋の中心部へと進んでいった。◆
◆部屋の中央に達したそのとき、君はついに違和感を覚えた。【ニューロン】判定を行おう。難易度はU-HARD(出目6以上必要)だ。◆
◆出目6が出せなかった君は、突如として背中に衝撃を受ける!「イヤーッ!」「グワーッ!?」背後の壁をドンデンガエシめいて回転させて現れたサンシタが君に攻撃を仕掛け、【体力】を1失ってしまった!「イヤーッ!」「イヤーッ!」これに耐えた君は反撃を繰り出すも、サンシタは素早く飛びのき、扉を回転させて再び壁の中へと消えた。◆
◆君は部屋の中央で再び全方位カラテ警戒。どうやらこの部屋は一部ソウカイニンジャのアジトにも備え付けられていると聞くシュギ・ジキ部屋。四方のシークレット回転ドア壁の裏に潜み、奇襲と回避を繰り返して敵ニンジャを抹殺するという恐るべき対ニンジャ戦術を可能とする必殺のトラップ部屋に違いない!◆
◆君はニューロンが焼けるほどにニンジャ第六感を働かせる。物音、気配、アトモスフィアの変化を感じ取り、サンシタが現れた瞬間に攻撃を叩き込むべし!◆
◆カラテなら【カラテ】、スリケンや銃なら【ワザマエ】、ジツならば【精神力】を1消費して【ジツ】+【ニューロン】の数だけダイスを振ろう。出目6が出れば攻撃成功。出せなければサンシタの攻撃で【体力】を1失うぞ!6を出すか君が爆発四散するまでこれを繰り返そう!◆
◆最初の【ニューロン】判定、もしくは以降の判定で6を出せた君は、今まさに奇襲をしかけようとしていたサンシタに痛烈なカウンター攻撃を叩き込む!「イヤーッ!」「グワーッ!?」君の一撃はサンシタを吹き飛ばし、シュギ・ジキ部屋の壁をぶち破って司令室の外へと叩き出した!◆
◆身を起こしたサンシタは必死の形相で屋上へと逃走していく。逃がすわけにはいかない!「ハァーッ!ハァーッ!」しかし一時も気を抜けないトラップ群への対処、そして恐るべきシュギ・ジキ部屋での戦いにより君の体力と精神力も実際限界に近い。だが、ここまで来れば確保まであと一歩だ!君はカラテを振り絞ってサンシタを追う!◆

◇◆◇◆◇

◆屋上へとエントリーした君が見たものは、今まさに非常脱出用カイトを背負ってビルから飛び立とうとするサンシタの姿!迷っているヒマなどコンマ1秒もありはしない!とにかくなんでもいいから攻撃を叩き込んで脱出を阻止しよう!◆
◆カラテなら【カラテ】、スリケンや銃なら【ワザマエ】、ジツならば【精神力】を1消費して【ジツ】+【ニューロン】の値だけダイスを振ろう!追い詰められたサンシタの動きは鈍く、成功難易度はKIDS(必要出目2以上)だ。しかし君もすでに疲労困憊であり、今まで失った【体力】の値だけ必要出目がプラスされてしまう。例えばこれまでに失った【体力】が3ならば2+3で必要出目は5以上になるぞ上限は6だ)。◆
◆「イヤーッ!」必要出目以上の値が出せなかった君の攻撃は外れ、サンシタの脱出を許してしまった。「オタッシャデー!」快哉を上げるサンシタのカイトはビル風に乗り、あっという間に見えなくなってしまった。君はがっくりと肩を落とす。これで借金の帳消しはオジャンだ。とにかく、上役のニンジャに報告しなければならない。君はトコロザワ・ピラーに戻るべく、トボトボと歩き出した。【エンディングへ】◆
◆「イヤーッ!」「グワーッ!」必要出目以上を出した君の攻撃は、今まさに飛び立とうとするサンシタ、そしてカイトに見事命中!サンシタはうつ伏せに倒れ、頼みの綱であったカイトはグシャグシャにひしゃげて使い物にならなくなった!君は素早くサンシタの背中を踏みつけてタケウチ注射器を打ち込む。「グワーッ…」サンシタはすぐにもがく力も無くなり、ぐったりと動かなくなった。身柄確保の完了だ!◆
◆君はサンシタを引きずって司令室に戻り、ソウカイヤ紋を認証させて管理者権限を奪取。IRCで上役に身柄確保を告げると、秘密直通エレベーターを使って一階エントランスに降りる。数分もしない内に現れたふわふわローンの回収部隊にサンシタを引き渡すと、改めて報告のためにトコロザワ・ピラーへと向かった。【エンディングへ】◆

◆エンディング◆

◆報告のために上役を訪ねた君は、なぜかラオモト・カンのヘッドオフィスへと通された。「ムハハハハ!」帝王はサケを片手に上機嫌であり、視線の先にはグンバイ型モニタがある。そこに流れる映像は、なんと殺人トラップを必死で回避している先ほどまでの君の姿だ。そして、確保したサンシタが司令室でスイッチを操作する姿も映っている。ワケもわからずドゲザしている君に、付き添いの上役が事態の解説を始めた。◆
◆実は今回のミッションは最初からサンシタの身柄確保はどうでもよく、真の目的はオフィス用殺人トラップのデータ収集であった。暗黒メガコーポ群が開発したトラップがどれだけ有用なのか、その実働データをニンジャを利用して採取するためのミッションだったのだ。上役のニンジャはサンシタがあのビルに逃げ込むようにうまく誘導し、まんまと司令室にたてこもったところで君に声をかけたのだ。◆
◆「ムッハハハハハ!中々の余興であったぞ!」弱者がブザマに足掻く様が大好きなラオモトは、司令室で必死にスイッチを操作するサンシタと、死に物狂いでトラップを回避する君の映像を見てご満悦だ。そしてこの実働トラップデータは各暗黒メガコーポに高値で売れる。その値段は、君とサンシタの借金を合わせた額などとはケタが違う金額であることは間違いない。なにしろニンジャを使った貴重なデータなのだから。「貴様のおかげでうまいサケが飲めた。褒美をくれてやろう」◆
◆生き残った君は、以下のような評価を受ける。◆

「サンシタの確保に成功」:借金帳消し、【万札】+10、余暇二日
「サンシタの確保に失敗」:借金帳消し、【万札】+5、余暇二日
◆さらに、「サンシタの確保に成功」した上で失った【体力】が1以下だった君は、必死の力が生み出したカラテをラオモトに評価される。「そのカジバヂカラ、ものにして見せるがいい」帝王直々の激励により君の【カラテ】は永続的な+1修正を受け、さらに【名声】を1獲得する。「ムッハハハハ!より励めよ!」◆

◇◆◇◆◇

お疲れ様でした!あなたのニンジャは無事生き残れましたか?もし生き残れたら、モルモット代わりに使われたことに対してあなたのニンジャはどう思うでしょうか?ほんの数日返済期限が早ければ、自分がその立場になっていたかもしれないあのサンシタに何か思うところなどあったでしょうか?何にせよ、生き残ったあなたのニンジャは再びソウカイニンジャとして活動を始めます。この経験がどう活きるのか、それとも慢心して再びふわふわローンに手を出してしまうのか、今は誰にもわかりませんね。それでは、またいつか!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?