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バイデン政権の「CHIPS and Science Ac」が齎すもの

バイデンが9月に最先端の中国製の半導体/コンピューターチップ/それらを製造するための設備機械の販売を禁止する処置を取った。もちろん米国内の軍産ネオコンを守るためである。同時に米国市民がこうした中国のコンピューターチップメーカーで働くことも禁止した。
理由は「国防」に強い影響があるというものだが、現実には軍事用途だけでなく、一般製品全般に対して影響を及ぼす処置だ・

実際問題、たしかに米国の中国製半導体/コンピュータチップへの依存度は、石油やガスなどを買う支出よりもおおきい。具体的な数値で追うと2021年、中国からは4140億ドル相当のコンピューターチップを輸入しており、これは輸入総額の16%以上に相当する。
となると・・現実問題として可能なのか?という議論になる。ロシアをSWIFTから締め出した結果、どうなったか?
バイデン政権の米国内軍産ネオコンへの阿りが如何ほど危険なモノか・・米国民は今一度考えるべきだろう。

しかし今回の中国への半導体禁止措置の危険性については、米国内のメジャーメディアは何も語らない。情報格差が、国民の中に起きている。

それでも10月19日付のフィナンシャル・タイムズ紙で「中国封じ込めはバイデンの明確な目標」と題し、次のように警鐘を鳴らした。
https://www.ft.com/content/398f0d4e-906e-479b-a9a7-e4023c298f39
「確かに、ロシアのウクライナ戦争や国内でのインフレがあり、注目は集まっている。しかし、歴史は今回のバイデンの動きを、米中対立がクローゼットから出た瞬間として記録することになるだろう」と書いた。

たしかに、今回のウクライナ動乱を利用した、軍需産業売上倍増計画は見事に成功したが、反動としてインフレを(米国内だけではなく急上昇させた。しかしもし・・このままバイデンの対中半導体禁止令が継承されれば、まぢいなくいま以上の経済的混乱が訪れるだろう。

CNNは、今回のバイデンの対中半導体禁止令によって、オランダの半導体装置サプライヤーASMインターナショナル(ASM)は中国向け売上の40%以上が打撃を受けると予想したと発表した。ちなみに今年1〜9月の同社の装置販売総額の16%は対中国だった。
同じく。米国内で半導体の装置やサービスを販売している米ラム・リサーチ社も、この出禁止措置令によって、来期から年間20億ドルから25億ドルの収入を失うと発表している。
いうまでもないが、既に大半の産業は国内だけで自己完結できるタグイのものではないのだよ。施政者よ、自覚しなさいな。とくに半導体/電子機器の設計と製造は、世界サイズに跨る協働と研究が重なり合わないと成立しないもンなんだよ。馬車作ってるわけではない。
具体例でみるならば、チップ設計とチップ製造装置の生産の大部分は、米国と東アジアの3カ国(日本、韓国、台湾)で行われている。しかし、実際の半導体の製造は、圧倒的に東アジアで行われているのだ。そして最先端のチップに関しては、ASMIが必要な装置の唯一のメーカーであり、台湾積体電路製造公司(TSMC)が世界の供給量の91%を生産しており、サムスンとインテルは後塵を受けているのげ現実だ。

どうですか?それでも西側マーケットからTSMCを追い出しますか? それが政治的判断に見せかけた自己都合(今回のウクライナ動乱のように)だしとても・・そんなことはよくあること・・としても、その危険性とそれが起こす対立を越えた歪みを僕は、強く強く懸念する。

無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました