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ワインと地中海#16/ボロテア航空でヴェネツィアへ

サントリーニ国営空港JTRからマルコポーロ空港VIEへの直行便は少ない。ボロテア航空Volotea Airlineが飛んでいるが、フライトは土日月の三日間/夜便しかない。経由便だと4時間から6時間かかるがボロテア航空だと2時間半で到着する。夜、出発なので、フィラにあるお気に入りのレストラン・ボルケーノ ブルーVolcano Blue(Fira 847 00)で早いディナーを済ませてから空港へ向かった。


空港には6時ちょっと過ぎに到着した。サントリーニ国営空港JTRからマルコポーロ空港VIEまでの利用者は少ない。717だった。ヴェネツィアでのホテルは定宿のホテル・ダニエリHotel Danieli Venezia(Riva degli Schiavoni, 4196, 30122 Venezia VE)空港からホテルまではボートで30分程度。ボートの手配は予約時に依頼した。

https://www.hoteldanieli.com/

マルコポーロに着いたのが23時過ぎで、ホテル・チェックインが深夜というハードスケジュールだった。飛行機が空港へ降り始めると、窓が雨に濡れた。
「あら、雨。寒いかしら、寒い格好してないけど」嫁さんが言った。
「たいしたもんだ」
「どうして?」
「サントリーニも雨だったし、ベニスも雨だ。こんなデカい雨雲みたことない」
無視された。
ピックアップのスタッフはゲートの傍らにボードを下げて待っていてくれた。さすがに船着き場は閑散としてるからナビゲートなしでウロウロ歩くのはいやだな・・と思っていたから安心した。ダニエリはやっぱりきちんとしている。ボートはゆっくりと桟橋を出ると、急速にスピードを上げた。窓に雨の雫が走った。さすがにこの時間にラグーンを走る船は少ない。窓の外に灯りは何もなかった。
「いいわね。雨のヴェニス。あなたの好きな映画を思い出すわ」
「ヴィスコンティ・早朝にヴェニスへ着くシーン・・初めて見た時は鳥肌が立ったよ」
「そう?小学校の課外授業で見せられるドキュメントみたいだったけど」
「あ・そ」

ボートは街へ近づくと細い運河の中へ入った。サンマルコ広場の大運河へ抜けるショートカットが有るらしい。いつでも空港からホテルへ向かうボートは、必ずどこかの細い運河へ入るので驚きはしなかった。しばらくすると見慣れたヴィン川Canal Del Vinに入った。
「もうそろそろダニエリの船着き場が見えそう」
ボートが近づくと、数人のボーイが波止場に立った。嫁さんがボートから降りようとすると幾つもの傘が空を覆った。
中央のコンシェルジェが微笑んだ。
「お帰りなさいませ。勝鬨様」

無くてもいいような話ばかりなんですが・・知ってると少しはタメになるようなことを綴ってみました