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高齢化社会問題の打開策スタートアップ

世界の高齢化が進んでいるのは私がここで説明しなくても、衆知されていると思われるので、割愛させて貰う。もし高齢化データが読みたければ、JPX(日本取引所グループ)のブログでこちらを詳細に説明している記事があるので、そちらを参考に見てほしい。老いる世界、そのときアメリカは

さて、ここで私が話をしたいのは、この高齢化社会問題を少しでも解決したいと立ち上げたアメリカのスタートアップPapaを紹介したい。Papaが提供するサービスはバーチャル孫のオンデマンドである。簡単に言うと、高齢者向けの大学生を活用したギグワークだ。例えば高齢者が定期検査の為、誰かに病院へ連れて行って貰いたい時や、家の電球を交換したい時、簡単な料理を一緒に手伝って作りたい時、自分のペットにシャンプーをさせたい、ただ単に寂しくて、誰かに話したい時。。。と孫がいれば、お願い出来るような事を、Papaに依頼して、Papaが審査した信用のおける近くの大学生を派遣すると言うものだ。

このPapaは2016年、Andrew Parker氏によりマイアミで立ち上げたスタートアップだ。そして2019年10月9日にPivotal VenturesがリードするVCから1,000万ドルを調達したと発表した。Papaが興味深いスタートアップなのはもう1つあり、それはBill Gatesの妻であるMelinda GatesがPapaをインキュベートしており、Melinda GatesはこのPapaのように、社会問題を解決するスタートアップをフォーカスし投資を行っている投資家で有名だからだ。

そしてPapaはこのシリーズA調達ニュースと同時に、複数の医療保険会社(Humana, Aetna, Priority Health そして Alignment Healthcare)とパートナーシップを結んだとも発表をした。これはPapaに取り、資金調達よりも大きなニュースで、Papaは医療保険会社とパートナーシップを組むことにより、医療保険会社が持っている多くの高齢者達にPapaのサービスをアプローチが可能となり、今後の売上に大きく貢献するものと思われるからだ。

では、Papaは今後高齢化社会に対しての問題、解決策になるかを考えて見たい。まずはPapaがターゲットとしている市場であるが、高齢市場と言っているが、高齢市場は複数に分かれている。例えば大きく分けて、家族と一緒に住んでいる高齢者、老人ホームに住んでいる高齢者、高齢者夫婦もしくは一人だけで住んでいる高齢者等に分かれると思われるが、Papaがターゲットとしている高齢者は高齢者夫婦もしくは一人で住んでいる高齢者だ。もちろんニーズがあれば、その他の高齢者も利用出来るかと思うが、家族から独立して住んでいる高齢者は、他の高齢者と比べて、殆どの生活は自分で出来るが、非日常的なイベントがあるとヘルプが必要な高齢者と言える。これは色々な面で正しいアプローチだと思える。例えば寝たきり老人をターゲットをしようと思うと、サービス提供者はアメリカでもそれなりの介護免許が必要で、免許を持っていない学生では対応出来なかったりするからだ。

この社会が高齢化して来ているもう1つの理由は、医療技術が発達した事により、最近は100歳寿命と言われるほど、もっと高齢化社会に拍車をかけていると思われます。しかし定年年齢もそれに伴い、55歳から60歳、そして最近では65歳、そして65歳を過ぎても、企業により、もし希望があれば、65歳過ぎても、雇用する企業が出てきている位、最近の高齢者はしっかりしていると言える。しかし幾らしっかりしてきていると言っても、最近ある高齢者ドライバーによる事故等を見ても分かる通り、自分ではしっかりしていると思っていても、実際の身体年齢は確実に衰えて来ている事が伺える。

Papaはそのような実際の年齢は高齢者だが、脳年齢的には大丈夫なのに、体が付いて行けない高齢者に対する解決案を提供していると思われる。もちろん今後の高齢者に対する解決策はPapaがターゲットとしているしっかり高齢者ではないかも知れないが、確かにニーズ的に考えると、Papaがターゲットとしている高齢者対応サービスも必要である事は明白であると思われる。それをPapaは具体的に、安全に、信用のおけるサービスを提供しようとしている事は今後非常に期待出来る分野であると私は思う。

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