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僕がWEBTOONに取り組むべきと思うのはなぜか?



答えは簡単。


こんなチャンス人生でなかなかないから。



すんごい端的に説明していくと


1.成熟したマンガ業界で、この規模で新たな攻略されてないエリアが生まれるという事はそうそうない。

2.新たなエリアにも関わらず、マンガ業界で習熟した技術を変換して応用すれば割とエリートクラスから始められる。

3.現場は漫画作業におけるコストがわりかし低く、チームでやれる。



大きくざっくり言うとこんなとこでしょうか。

1.熟成したマンガ業界で、この規模で新たな攻略されてないエリアが生まれるという事はそうそうない。

特に日本に関しては技術も業界自体もかなり成熟して多少の変化はあれ、すでにほぼ出来上がった『いつも通り』の中、いかに隙間を見つけて戦っていくか、もしくは君臨する強力な作品群の中、あえて正面突破するか…という事でしたが、完全に新しいフィールドが登場!みたいな感じです。
しかも従来の漫画業界の強者が参入すれば勝つ、という訳でもないし、「漫画が大好きで読みたい」層ではなく、「縦スクロール」という作法の違いもある。
そんな新エリア。

僕が働いてきた約十五年間でマンガ業界で起きた大きな事と言えば「漫画のデジタル化」「Twitterでの展開」くらいですが、それはツールの変化と新しく生まれたネット文化にこっちが漫画を合わせていった、という話しで漫画のための市場自体が新しく開けた訳ではなかったと思うんですよね。
で、こういう「熟成された業界市場で、新たに別仕様の市場が生まれる」って事はそんな頻繁にある事じゃないと思うんです。
現状の市場では既に強者はある程度決まってしまっているけれど、ここはまだ市場自体が蠢いてるのではっきりと確立された強者は居ないのが一番面白い。

2.新たなエリアにも関わらず、マンガ業界で習熟した技術を変換して応用すれば割とエリートクラスから始められる。

転生モノの話?みたいな感じですが、これはネームを担当する人に向けた「縦漫画の作り」の部分がメインになります。
新たに生まれた市場とはいえ、現在まで漫画の仕事でやってた技術が活かせます。
「同じ漫画だから当たり前やないか」と思うかもしれませんが、新しい場所なのでそれなりに習得しないといけない「縦スクロールの見せ方」はあるんです。
WEBTOONはそもそも韓国初の新しい漫画方式ではあり作法はちょっと違うけれど、そもそも漫画に精通してる人は学んで作法を習得すればロケットスタート出来る。
元々野球をやってたからソフトボールやっても違いさえ把握したら一気にベストメンバー入りできる、みたいな。
実際の野球とソフトボールやってる人、違うぞ!と思ってもどうかそっとしておいてください。例えなので…

それにアナログからデジタル移行した人たちは作法の変化を一度乗り越えてるはず。

「アナログだったら一瞬でできるのに、デジタルまだ分からんから逆に時間かかる!」を乗り越えている。

内容はちょっと違いますがそれに近いと思うので、そこさえ越えれば新たなフィールドが迎えられる。

3.現場は漫画作業におけるコストがわりかし低く、チーム制作などもできる

コストが低く、というのは具体的なところでいくと一般的な週刊連載漫画だと仮に1p5コマとして×19Pで95コマくらいになります。そして作品によるとは言え基本的にはしっかり背景を入れていきます。
現状、縦読み漫画は平均して1話60~70コマ、しかもアップ多めでいい(むしろ多めがいい)、背景できるだけ少ない方がいい、という感じで作画コストが低い。

この辺は縦漫画の事情があるけれど長くなりすぎるので割愛。

縦の特徴としてカラーはもちろんありますが、チームとして細分化すると原作、ネーム担当、作画担当、カラー担当に分けられ、カラーだけを外注するという手もあります。

細分化すると収益の出先も多いから、取り分が少なくならね?と思いますが、確かに1作品しかやらない、という事であればそうなるかもしれません。ですが担当する場所を絞る事で掛け持ちで作品担当する事がしやすいし、例えばナンバーナインの印税率振り分けとかだと掛け持ちした作品のどれかが当たればそれだけでも賄えるかもしれません。

まぁここは「たられば」の部分なので確約できるメリットとは言い切れませんが、一人で作品を作った時に人生で何作品を作れるのか?その中で生きていけるだけの収益を上げられるか?現在数多生まれる漫画の中で少ない本数で戦えるか?

そこを一度考えてみて自分なりの生き方を見つける中で、WEBTOON(チーム制作)などをやるのもありなのでは…と思います。

そしてすべての職場がそうではないですが、従来の「アシスタントは作業要員。漫画は漫画家のもの」という形でなく「漫画を作るためのそれぞれのメンバー」という形で働けるのがWEBTOONの良いところなので新しい働き方に興味がある人なども取り組んでみてはどうでしょう。


というわけで長くなりましたが「WEBTOONに取り組むべき」と思う理由をダラっと書き綴らせてもらいました。


最後に


デジタルになった事で漫画のワークコストが下がったと考えて、例えば現役で働ける期間が25〜30年。
その期間内にこんな強者のいない新しいフィールドが生まれることがあるか、その時に自分がそもそも漫画制作ができる、なんなら熟練のキャリアがある、という奇跡みたいな時期が何度あるのか。

日本人は新しいことを生み出してすぐチャレンジするのは苦手で、その辺は後手後手になることが多いですが、学んで身につけると洗練、昇華させることに関してはむちゃむちゃ長けてる。
そこにきて元々日本のお家芸的な漫画をまた作法変えて出すということは、繰り返しになりますが日本の漫画製作陣にはあらたなフィールドなのに優位性のある素晴らしい展開ではないかなぁと思ってます。

そもそもギャンブル性の高いこの業界。
だからこそやり慣れた安全なものを選んでいくのもひとつの道。
ただ、個人的には「どうせギャンブルな世界なら面白い機会が来たら飛び込んでみよか」という気持ちが強いので取り組みたいと思っていますし、この機にモチベーションのある方はチャンスじゃないかなと思います。

先行者利益もいらない、ある程度しっかりデータが揃って安心安全になってからチャレンジしたい、という方はもうちょっと待ってもいいかもしれませんが、縦読みマンガの作法はどんどん変化していて一年後にはまた別のノウハウになったりするのでいつが安心安全になるかは全くわかりません…

そしてWEBTOON出てきたから従来の横読みの漫画が無くなるか、というとそんなことはなく、縦読みは全く別の種類だと感じてます。

現状で言うと歴史が浅いせいかもしれないですが、ドラゴンボールやワンピース、ナルトのようなレジェンド漫画は縦読みで作れていないし、縦読み読者層は漫画を読もう、という層でなくスマホゲーするか漫画読むかみたいなライト層なので、そこから漫画しっかり読む層が生まれてきて従来の横読みの読者層が増え、横読みがまた新たな局面を迎えるかもしれない。

とまぁそんな感じで書き殴りましたが個人的な感想としてはそんなところで、僕は運良くWEBTOONに関してはご縁があるようなのでしっかり取り組んでいきたいと思います。

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