ミキオサナイ

日常の気づきをなるべく丁寧に考察したい。95年生まれの編集者・ライター

ミキオサナイ

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マガジン

  • #NFB 日本やきう女子機構

    • 24本

    ⚾︎野球観戦体験をアップデート⚾︎ 野球観戦大好きな女子 #やきう女子 がもっと野球観戦を楽しむ方法を考えたり、野球への熱を放出するチームマガジンです。

  • 【エッセイ】

    ちょっと与太話をします。 夏の夜明け、東の空に薄く光るおおいぬ座の一等星は、“シリウス”です。 古代エジプト人にとって、夏の空にシリウスが見えるその時期は、ナイル川が氾濫し大洪水に見舞われる時期でした。けれどナイル川の氾濫は、歴史の教科書でも習うとおり、肥沃な土を運び農地を豊かにする面も持っています。 そこで古代エジプト人は、夏の明け方、東の空にシリウスが見える日を1年のはじまりと定めました。 夜明けのシリウスによって、ナイル川氾濫の時期を予測でき、災害を繁栄に変えたというわけです。

  • ハイレゾ

    日常の一瞬を高密度で高解像度で再生するだけの文章

最近の記事

株式会社Waseiを退職し、スポーツ記者になりました

タイトルの通り、株式会社Waseiを退職し、スポーツ紙の新聞記者になりました。画像は、去年12月の『灯台もと暮らし』合宿で小松崎編集長が撮ってくれた写真です(@茅ヶ崎の海)。 2月から、スポーツ報知 東北支局で記者をしています。拠点も東京から仙台へと移し、新天地で新生活を始めています。 この3年間、ウェブメディア『灯台もと暮らし』はじめ、いろんな媒体で執筆・編集をさせてもらいました。「取材して文章を書く」という根幹は、新しい職場でも変わっていませんが、スポーツの畑で取材・

    • コンプレックスって、こぶみたい

      私の左脚弁慶には、10円玉サイズの傷跡がある。 中学3年生の頃に、ひょんなことから左脚弁慶に傷を負い、自然治癒するだろうと放って置いたら想像以上に膿んで、切開手術をした。それからもう9年が過ぎた。9年経っても私の左脚弁慶の傷跡は消えず、青黒い痣のような(けれどもヘコんでいるせいか明らかに痣ではないとわかる)見た目でそこにある。 私の青春はこの傷跡とともに過ごしてきた。傷跡がどうしたら消えるのか調べ、どうすれば上手く隠せるか試行錯誤し、ふとしたとき友人の綺麗な脚を見て傷つい

      • ハッピーエンドってなんだろう

        人生は素晴らしいものなのか、ただ悲しいものなのか。 主人公は考えるんだけど、最終的に「それは分からない」と、曖昧な結論を出していて。 でも、そこにいたるまでの過程や見せ方で、「分からないということは別に悲しいものじゃないし、むしろ分からないまま、焦らずに置いておくこともいいんじゃないか」って教えてくれる。 これは、友人による映画『フォレスト・ガンプ』の紹介文。さっきLINEで送られてきた。 『フォレスト・ガンプ』は、94年公開、トム・ハンクス主演のアメリカ映画。監督は

        • 女が語る魅力的な女の子〜“百合短編集”出版記念イベント〜(3/29夜)

          3月29日の夜、大田区池上にある「堤方4306」でバーイベントを開催します!(20時〜23時の間なら、何時に来て何時に帰ってもOKです) このイベントは、創メルが今年2月に出版した百合短編集『Les cinq “S”』の出版記念イベントです。『Les cinq “S”』については、こちらのnoteで。 イベントでは、創メルメンバーとお酒を飲みながら(ノンアルコールもあります)、その場で『Les cinq “S”』を読むことができます。また、創メルメンバー(チェコ好き、よぴ

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        • #NFB 日本やきう女子機構
          24本
        • 【エッセイ】
          5本
        • ハイレゾ
          1本

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          【2/17】COMITIA127で「女同士の愛」をテーマにした短編集を出します。

          創作メルティングポッドこと創メルは、2月17日に開催される「COMITIA127」に短編集を出展します。 会場は、東京ビッグサイト西1・2・3ホール。私たちのブースは「て50b」です。 ※過去の創メルの活動はこちら *** 今回の短編集、テーマは「女同士の愛」。百合です。 タイトルは、『Les cinq “S”(5人の “S”)』。今回は愛がひとつのテーマということで、アムールの国の母語、フランス語を使っています。 Sという言葉に込められた意味は、姉妹を意味する英

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          【2/17】COMITIA127で「女同士の愛」をテーマにした短編集…

          「才能」と「高校野球」をテーマに小説を書こうと思った理由【創作メルティングポッド#03】

          才能について書こうと思ったのは、何か強烈なエピソードや原体験があったからというのではなく、ただなんとなくずっと、才能というものを意識して生きてきた自分がいることに気づいたから、という理由からでした。 思春期のほとんどが「才能」というものに悩まされてきたからか、呪いにかかったかのように「才能」に敏感に生きてきたように思います。 私の第一次青春は、地元にいた頃の「ソフトボール」でした。そして、才能に目を向けるようになったきっかけも、ソフトボールにあったと振り返ります。 かつ

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          あたらしい創作チームのカタチ【創作メルティングポッド#00】(全文公開)

          今から約半年ほど前、ひょんなことから「オリジナル文学作品をつくるチーム」が立ち上がりました。 チーム名は『創作メルティングポッド』。 創作メルティングポッドは、小説、エッセイ、評論などジャンル問わず、メンバーが作りたい文学作品をつくるチームです。 メンバーは、ウェブ編集者の私・ミキオサナイと、ブロガー&ライターのチェコ好き、PRコンサルのよぴこと、ネット文学者・あとーす、地域おこし協力隊員兼編集者の立花美咲の5人で構成されています。 住んでいるエリアも仕事内容もバラバ

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          見えない壁にもパンチは効いている【野球に学ぶ#01】

          「もしかしたら、逆転するかもしれない」。 試合も終盤。2点を追いかける福岡ソフトバンクホークスを観てそう思ったのは、電光掲示板にヒット数「10」という数字を見たときだった。 予感は当たる。8回表、ホークスの攻撃はノーアウトでランナーが出て、続く中村がヒットでノーアウトランナー1・3塁。続く長谷川選手が犠牲フライを打って、まずは1点を返す。そして9回、今度は1点を追うホークスがまたもやポテンヒットで出塁すると、続くグラシアル選手がレフトスタンドに逆転ツーランを打ったのだ。

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          スポーツはありふれた日常にシナジーする【野球に学ぶ#00】

          スポーツの価値ってなんだろう?ということを、ここ最近はずっと考えていた。 学生時代は体育の授業が嫌いだった。私自身は子どもの頃からずっとソフトボールクラブと陸上のクラブに通っていたこともあって、体育の授業は苦労せず、むしろ得意としている方だった。それでも体育が嫌いだったのは、自分が好きなスポーツが、「誰もが平等に楽しめるものになっていない」ことが悲しかったから。運動神経が良くないというだけの優しくて他の才能に長ける子が、憂鬱な顔をしながら体育の授業を受けている光景は日本どこ

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          【スワローズ☆ガールズデーレポ】野球を観に来ているからこそ、アフターサービスがほしい

          「ヤクルトのガールズデーに行きませんか?」とNFB(日本女子野球機構)の発案者であるこまみちゃんに誘われたのはニヶ月前のこと。 こまみちゃんとは同年代で、野球好きであることは知っていたので、お声がけをもらったときは正直とっても嬉しかった。こまみちゃんは現在社会人チームで野球をしている私を現役野球女子として、ガールズデーに誘ってくれたらしい。 お誘いには二つ返事で「行きます!」と即答したけれども、私には問題があった。こまみちゃんは「ヤクルトのガールズデーを研究するためにお声

          【スワローズ☆ガールズデーレポ】野球を観に来ているからこそ、アフターサービスがほしい

          二度と会えないことは、喪失ではない

          ニ度と会えない人を思い浮かべると、チクリと胸が痛むのか、じんわりと心が温かくなるのか。私は前者だった、随分大人になって『スタンド・バイ・ミー』を見かえすまで。これは、二度と会えない人を心の中に持つ人に向けて書いている。つまり私自身に向けて、書いている。 二度と会えないひとって、じつはこれまで出会ったひとの数の大半がそれに当てはまる。小中高で知り合った人が100人いたとしても、死ぬまでにもう一度会う人ってたぶん、10人くらいしかいないもの。 だから、二度と会えない人って本当

          二度と会えないことは、喪失ではない

          歳を重ねたから美しい、という生き方

          ドラッグストアの化粧品売り場には決まって、アンチエイジング商品と広告がある。 「本当に50歳?」とか「マイナス5歳肌」とか当たり前のように謳うコピーの中で生きてきたからか、「歳を重ねても若々しい外見でいなければいけない」という固定観念がいつのまにか体に染み込んでいた。歳を重ねても綺麗な女性として思い浮かぶのは小泉今日子さん。他にも綺麗な女優さんはたくさんいるのに、私はなぜだか彼女が最初に思い浮かんだ。 毎月欠かさず読んでいるananのコラム『スピリチュアル成就』。今月は、

          歳を重ねたから美しい、という生き方

          オチのない話を聞かせて

          身近なひとのオチのない話ほど、嬉しいものはないなぁと思う。 オチのない話について考えたのは、つい最近のことだった。それまで私は、オチのない話よりはオチのある話の方が、人間関係の距離に関わらず、求められているものだと思っていた。 そんな私がついオチのない話を友人にしてしまったのは、平日の深夜のこと。 「ごめん。今の話オチなかったね」と返答を待つより先に、謝罪の言葉が出た。そこには私の、オチのない話、嫌でしょ?というスタンスが込められいた。 ちょっとの沈黙が流れたあと、友

          オチのない話を聞かせて

          言葉の使い方

          駅前のコンコース、行き交う人の中にキミを探す。土曜の20時。街は色めき、ビルの隙間から下水臭が香る。お世辞にも綺麗とは言えない都会の中に、星屑みたいな煌めきを夢見てる。世間にとって人気な歌手が一年周期で変わっていく。交差点の目前、大型ディスプレイから流れる音楽。先週とはまったく違うことに誰が気づいているんだろう。 ふと、思った。キミと会えないのは、私がこの街の景色と同化してしまっているからじゃないかって。待ち合わせ時間から十数分、「もうそろそろ着く」とメッセージが入ったのが

          言葉の使い方

          リアルなものを抱きしめて生きる

          アスファルトを眺めていた。東京のど真ん中でアスファルトを眺めながら、脳裏に描くのは実家のある秋田の風景。そこにある「おばあちゃんのお墓」を思い浮かべては、「このアスファルトは彼女の眠る霊園まで続いているのだろうか」と考えていた。 よく遠恋中のカップルが「私たちはこの空でつなっがている」と言い合ってお互い別々の場所で夜空を見上げる、みたいなシーンがある。あれはなにを確かめていたんだろう。ふたりの距離はそんなに遠くないってこと? 地球は丸いって理論だと、マントルに近い地面の方が

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          ロマンチックと、クリスマスキャロル

          彼女が電車で読んでいた本、季節外れの『クリスマスキャロル』。ディケンズが好き、自分の心に従う勇気のある彼。彼女によく似ているのは、主人公のスクルージおじさんの方、愛を諦めてふてくされる彼女に。 隣に男の人が座った。新小岩駅で、その人は彼女の隣に座るやいなや「あ」と小さく声をあげた。驚いて思わず彼の顔を見やれば、ごそごそとバックを漁りB5の文庫本を取り出した。「僕も好きです」。真っ白な歯をのぞかせてその人は笑った。彼の右手にもクリスマスキャロル。手が綺麗、彼女は全然違うところ

          ロマンチックと、クリスマスキャロル