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楽曲コンペ:勝てるコードの考え 〜その5〜

今回はノンダイアトニックとテンションという2つの重要なアイテムの話。この2つのアイテムは楽曲の幅を持たせるという意味でとても重要です。


ここで云うテンションとはコードというより3和音にボーカルをくぐらせるルートがテンションと云う意味合いの「テンション」です。要するに7thコードでもVoラインのベーシックルートが7thを潜ってないと歌ものJ-POP的には所謂「テンション」と名付けません。(と勝手に定義ずけます。)7thコードなんだけど7thを主軸としてないものはテンションでない、というかテンションの最適な響きは得られません。インスト曲やインストセクション、テーマの無いニュアンスのオケ中ではもちろんそのニュアンスは感じられるのですが…。


曲制作でとても重要な今回の2つのアイテムが存在しない新人のデモ楽曲をたまに聞きます。心に全くといっていいほど響きません。料理で例えると調味料の全く入ってないもの、海外あるあるの出汁の入ってない味噌汁のイメージ、景色に例えとモノクロで静的かつコントラストのない世界といった具合でしょうか。


曲の仕掛けでは暗い部分と明るい部分のコントラストがとても重要です。このメジャーとマイナーのコントラストにより、明るい曲をさらに明るく、また暗い曲をさらに暗く、というギミックをコンストラクトする事が可能になります。逆に恐ろしいくらい平坦なんだけど微妙に暗い、僅かに明るい、などの細かいニュアンスも再現出来るのがこのアイテムであります。


ノンダイアトニックコードは少し小慣れた新人のステータスに突入すると、あまりに数多くのセクションでインサートしてオーガナイズ出来ていない作品になるパターンをたまに見受けます。テクニックの品評会みたいなノリの楽曲のスムーズに耳に入って来ない具合に、時に気持ち悪くなります。要するに、どこで使うか?というセレクションがとても重要になります。


ノンダイアトニックコードで良くあるのが、コードの1度がノンダイアトニックしてる場合はBass, Gt,等でボイスを補完してますが、3度, 5度の転調箇所のボイスを補完していないパターン。コライトでもたまにありますが、3度、5度がノンダイアトニックしてるのにそこのボイスを補完するトーンが希薄なパターン。折角のノンダイアトニックの仕掛けが少し薄くなって残念なセクション、というか印象ずけの皆無なセクションになってしまいます。


補足ですが前述したテンションをLead Vocalのベーシックルートで補完する事と、転調したノンダイアトニックの和音をボイシングで補完する事は若干意味合いが異なります。


楽曲のイメージ、コードトラックをイニシャライズした後のメロのセレクションにおいて、楽曲提供の際はキーレンジという問題がある為、どのコード進行においても、Lead Vocal のベーシックルートを1度、3度、5度、テンションどこのセレクションからスルーさせても、キャッチャーなメロを構築できるスキルが作曲家には求められます。


この2アイテムについて思う事、情報量がとてつもなく多いので、補足はまた後日コラムします。


P.S.

写真は"James Wonder"。近日中にカバー動画upします!お楽しみに!

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