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上級アドミン資格合格を振り返って、上位資格に何が求められているかを考察してみた

皆さん、こんにちは!
SalesOps Lab.の遠藤未来彦(みきひこ)です!

前回BizOpsアドカレの執筆をきっかけに、盛り上がり始めたBizOpsやSalesOpsの領域に対して「この領域を引っ張っていける存在になれるように頑張ろう!」と心躍りながら日々過ごしております。

さて、先日「Salesforce認定上級アドミニストレーター」に合格しました!

1.前置き

しかし、ここだけの話まったく勉強せずに合格してしまったので、勉強法については一切回答できません・・・
(無料で試験受けられるバウチャーの有効期限が年末までだったので、現在地確認と着火剤として受けたつもりで、まさか受かるとは思っていませんでした。)

とはいえ、「舐めプして合格した」と思われたくないので補足すると、決して適当に受けて合格点(65%)に届くような簡単な試験ではありません!むしろ、ちゃんと勉強して合格しようとしたら3ヶ月~半年かかるんじゃないかってくらい難しかったです。

しかし、これを理解することが1から勉強するよりも合格に近い方法なのかなとも思うので、今回は実際に試験を受けて感じた「上位資格に何が求められているのか」の考察を書こうと思います。

2.認定上級アドミニストレーターとは

その名の通り、「認定アドミニストレーター」の上位資格になります。

認定アドミンはSalesforceの専門的な知識が幅広く求められる資格であるのに対して、上級アドミンはより高度な専門知識を活用した専門家レベルの管理機能の実行能力や特定のビジネス課題の解決能力が求められます。

Salesforceの公式情報によると、2023年12月1日時点で国内の認定アドミン資格保有者13,855名に対して、上級アドミン資格保有者は1,594名となっており、取得難易度の高さが伺えます。

「Salesforce認定資格保有者数 企業別一覧」の該当資格の人数を独自で集計

3.上位資格に何が求められているか

間違いなく言えるのは、「単にSalesforceの知識を問われる資格ではない」ということ。ベースとなる知識は大前提で、その知識をもとに「実際のアドミン業務の中で起きた事象に対して、どのような判断をするのが適切か」がガッツリ求められてきます。

どれぐらい違うかというと・・・

認定アドミン試験:主従関係と参照関係の違いが何かを問われる
上級アドミン試験:カスタムオブジェクトのリレーションが参照関係の時、積み上げ集計を実現するためにはどのような実装をすべきかが問われる

上記の場合、参照関係だと積み上げ集計は使えないので、レコードが作成・編集・削除するたびに親レコードの値をフローで書き換えるという実装がおそらく正解で、主従と参照の違いを明確に理解していたとしても5択の選択肢が1つ削れるくらいまでしかできません。

「この用語や機能を知っていますか」ではなく、「その機能を考慮して、どのようなアクションをとるのがベストか」が問われており、アドミンやコンサルタントとしての実務経験の質が強く求められているように思えました。

4.試験中に意識したこと

①サービス問題に見える問題こそ、常識を疑って慎重に

一見簡単そうな問題でもいきなり正解っぽい選択肢に飛びつくと、普通に罠にかかります。文章をよく読んだら、パッと見正解っぽい選択肢が実は間違いだったケースも多々ありました。

なので、冷静に見たときに明らかに間違っていると分かる選択肢・違和感のある選択肢をまずは潰していきましょう。5つの選択肢のうち2つ以上見極められるだけでも、正答率は格段に上がります。

ブービートラップみたいな単語が普通に問題文に混ざっているので、どんなに簡単に見えてもサービス問題に見える問題こそ慎重に、時間をかけて見直した方が良いでしょう。ちなみに、私がサービス問題に感じた問題は1問もありませんでした。

私自身、試験時間105分のうち、100分(一次回答55分・見直し45分)の時間を使いましたが、分かりそうな問題について冷静に見直す時間を多くとることに徹した結果、見直しで回答を変えた問題が数問あって、それに気づけたおかげで合格できたと思っています。

②問題文の中にある情報の位置関係をしっかり整理すること

オンサイト(会場)での受験だとA4用紙3枚と鉛筆2本が貸し出されますが、これも有効活用したほうが良いでしょう。

実践的な問題が多いので、初見のカスタムオブジェクト名が普通に出てきます。そういった場合、紙にオブジェクト構成図を書いてどっちが親か、主従か参照かなどをマッピングしながら書くことで、問題文の構造が整理され、ややこしい選択肢を除外しやすくなります。

また、Salesforceの試験問題の文章の日本語表現は独特だったり、省略されている部分が多いので、しっかり行間を読むためにも構造の整理は重要になります。

③全部暗記は果てしないので、最後は普段触っている勘に頼る!

上級アドミンは求められる知識の分野が非常に広く、試験範囲の用語を全部暗記するとかだと果てしないし、どれだけやっても網羅しきれず漏れが出てきます。

問題文の中には、Apexとかの話も普通に出てきたりしますが、もし自分がこの辺まで網羅して試験に臨もうとしていたら学習に膨大な時間かかるし、苦手意識によるマイナス意識が先行して沼にはまっていたと思います。また、暗記レベルの薄い知識で挑むと普通に罠にはまります。(とはいえ、認定アドミン+αの知識は最低限必要)

けど、実環境を触りまくって色々とトライ&エラーを繰り返した経験があれば、Salesforceの仕様の癖や傾向などから答えを推測することもできます。(自分は割とこの力に頼っていた感あります笑)

5.おわりに

これはアドミン試験も一緒ですが、1年前の試験問題の大幅改定で過去問の暗記戦術ではもはや3割くらいしか取れなくなっており、より実践的な知識・スキルが求められます。

過去のウェビナーでも言われましたが、上位資格は「実践的な内容が求められる分、『普段から環境を触っているかどうか』で、感じる難易度に大きな差が出る」ので、実は現場で格闘し続けたほうが勉強するよりも近道だったりします。

世のアドミンの皆さんは、普段から社内の斜め上の要望や、想定外の事象にも素早く判断・対応してきていると思いますが、まさにその正確さを求められているのではないでしょうか。

大切なのはSalesforceの機能をいかに熟知しているかではなく、「自社やビジネスパートナーの課題解決にどれだけコミットしているか」であり、その姿勢やそれに見合うスキルをセールスフォース社に求めてられているような気がしました。

そういった意味では、知識だけでは簡単に突破できず真にアドミンとしての力を測ろうとしている良質な資格だと思いました。

結局、Salesforceを通じてビジネス課題にどれだけ真摯に向き合えるか、そこにどれだけコミットしてきたかの証明が上位資格の価値なのではないでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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