不完全だから人間なのだ【 #DMM英会話日記 】

最近お気に入りの先生は、南米を約1年半ほど放浪中のアメリカ人の青年である。趣味はヨガと登山で、肉は週に1回くらいしか食べない。GAFAを生んだIT大国出身だが、日記は紙のノートにペンで書いていて、スマホはファーウェイ。SNSもほとんどやらない。iPhoneやGoogle Pixelってすごくいいの? 興味なし! という感じである。まぁこれもまたアメリカ人ぽいという気もしないでもない。

この先生には主に英作文をチェックしてもらうことにしている。過剰に直さず、本当に間違えているところだけ指摘してくれるのが私のようなビギナーにはちょうどいい。たまに間違いじゃないのに大幅に文章を変えてしまう先生もいるが、別にクリエイティブライティングの授業じゃないんだから、そこまで美しい英文にする必要はないのだ。今の私は、ネイティブの子ども程度の英語力を求めているのだから。

最初の頃は、とにかく前置詞、冠詞、単数・複数形といった、日本人が弱いところをよく間違え、中学1年生レベルの英語もままならない自分を恥じたものである。ところが最近はそういうケアレスミスがぐっと減った。
なぜかというと、Grammarlyというとても便利な英文添削ツールを見つけてしまったからである。

「最近、前置詞とか冠詞、間違いが減ったね」と嬉しそうに言う先生に、私は「実はGrammarlyでケアレスミスだけ防いでいる」と告白した。
先生はかなりがっかりしたようすで、「最近はネイティブですら仕事でGrammarly使っているらしいけど……でも……」といい、「オリジナリティをだめにしてしまう可能性がある」と続けた。

「ツールに頼りすぎるのは良くない。自分の能力こそ頼るべきだし、成長を止めてしまう可能性だってある。第一、コンピューターが書いた文章なんて面白くないよ」。

こう言われるともう黙るしかない。カンニングが見つかった受験生の気分である。

「E・E・カミングスの詩を読んだことある? 彼の詩は文法的には間違いだらけだから、Grammarlyなら直しまくるだろう。でも、それは表現なんだ。不完全なことはオッケーなんだよ。それは価値があることなんだ。」

正しい英語を学ぶはずの場で何を言っているんだという感じだが、こういう会話ができるのがDMM英会話の醍醐味だと思う。ベルリッツならこうはいかない。

彼は子供の頃からずっとノートに日記を書き続けているといい、「じゃあ何冊ぐらい書き終えたの?」と聞くと、My life is littered with half-filled notebooks. (僕の人生は書きかけのノートで散らかっている。)と笑った。

私だってそうだよ、書きかけのノートでとっ散らかっている。

We are only human and perfection is unattainable. と彼は言った。「人間だもの、完璧なんて無理だよ」とでも訳そうか。

<今日の学び>
Imperfection is beauty. 不完全さは美である。
※マリリン・モンローの言葉らしい


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