デザインリサーチによる仮説探索と仮説検証

弊社、アンカーデザイン株式会社はデザインリサーチを強みとしておりますが、デザインリサーチとは一体どのようなことを指すのでしょうか。

現代のユーザーは多様性に満ちています。彼らのニーズは不確実で流動的であり、サービス開発者、提供者が簡単に特定出来るものではありません。

そのため、「こういったプロダクトがあれば喜ばれるのではないだろうか?」「このプロダクトをこう改善すればより受けられるのではないだろうか?」と仮説を立て、その仮説を検証していくプロセスが重要になります。このプロセスのことをデザインリサーチとよび、これからのモノづくりの中で益々重要性を増していくと考えています。

ではプロジェクトの中にデザインリサーチを取り入れようと思った場合に、我々はどうすれば良いのでしょうか。

まずはじめに必要な事は、プロジェクトの状態を知り、自分たちが必要とするリサーチの目的を定める事です。デザインリサーチの目的には「仮説を探索する」と「仮説を検証する」の大きく2つのものがあります。

仮説を探索するデザインリサーチ

「仮説を探索する」は「ユーザーニーズに関する」をつけて「ユーザーニーズに関する仮説を探索する」と捉えるとわかりやすいかもしれません。つまり具体的には「写真を家族と簡単にシェアできる写真共有サービスがあれば、ユーザーは喜ぶのではないだろうか?」だったり、「写真を共有出来るのは素晴らしいのだけれど、誰にどの写真を見せるかをもっと簡単に制御したいと思っているのではないだろうか?」などが該当します。

例えば、友人と何か新しいサービスを作りたいという話になったとしましょう。最近のトレンドとして旅行サービスが流行っているし、この流れに乗って旅行サービスを考えるのが良いかというところまでは行き着いたとしますが、新しい旅行サービスっていきなり言われても、そもそも旅行に関するマーケットで、どのようなイノベーションの機会があるか、わからないことのほうが多いのではないかと思います。

このようなケースにおいてデザインリサーチは大変パワフルな存在となるでしょう。量的質的様々な手法を駆使して興味深いインサイトを見つけ出し、ユーザーにとって解決する価値のある課題を見つけ出す事ができます。

もちろん、きっかけは友人同士の思いつきである必要はありません。新しいプロジェクトを立ち上げたい領域はなんとなく決まってるんだけど、どのあたりにイノベーションの芽があるかわからないなど、似たようなケースは企業の中に山ほどあるはずです。

上記の例は、いわゆるゼロイチに関するプロジェクトですが、既存製品の改善にもデザインリサーチは有用です。例えばこんな例があるのではないでしょうか。

あなたの会社はスマートフォン向けのアプリケーションをリリースしていますが、会社の売上を向上させるためには、アプリケーションのユーザ数を、あるいはアプリの使用頻度やコンバージョン率を増やす必要があるでしょう。

こういったケースにおいてもデザインリサーチを用いることで、ユーザがどのようにアプリを利用していて、どのような点に満足しているか、あるいは不満を抱いているかを把握し、解決することでユーザーにとって価値のある課題を見つけ出す必要があります。

解くべき課題は、デザイナーが関わるプロジェクトのフェーズ、つまりゼロイチなのか、改善なのかにもよって異なってきますが、解くべき課題を見つけるという点では共通したものがあると言えるでしょう。

なお、上記ではユーザーを対象にリサーチを行うケースを例に挙げましたが、これが他のステークホルダーになる場合もあります。例えばBtoBtoCビジネスであれば、リサーチ対象はBになるでしょう。玩具製品のように、実際に使用する人(ユーザー)と、購入を決定し、お金をだす人(カスタマー)が異なる場合は、それぞれに対してリサーチが必要です。他の例では例えば、社員が効率よく働く仕組みを考えるプロジェクトであれば、やはりリサーチ対象は変わってくるはずです、

仮説を検証するデザインリサーチ

前述したとおり「仮説を探索する」の他に「仮説を検証する」デザインリサーチもあります。

例えば、「写真を家族と簡単にシェアできる写真共有サービスがあれば、ユーザーは喜ぶのではないだろうか?」という仮設があったとき、じゃぁ写真共有サービスを作ろう!と、手を動かしたくなる気持ちもわかりますが、モノを実際に作るのはそれなりに大きなコストがかかります。実際に動くサービスを作る前に、そもそもその仮設の妥当性や確からしさを確認できたら良いと思いませんか?

デザインリサーチでは、そういった際にも活用できます。例えばインタビューを通して、仮説の妥当性を検証することも出来るでしょうし、ワークショップを開催したり、あるいは簡易なプロトタイプを用いてユーザーのニーズをより具体的なところまで落とし込むこともできるでしょう。A/Bテストなどもリサーチ手法の一種と捉える事が出来るかも知れません。

一般的には、仮説評価のプロセスを繰り返しながら、プロダクトを実際にリリースするものに近づけていく事が多いかと思います。例えば最初はコンセプトの文章だけだったのが、ペーパープロトタイプやムービープロトタイプになり、今度はそれがXDやsketchといったプロトタイピングツールを使ったプロトタイプになり、ワーキングプロトタイプになり、どんどん最終型に近づいて行きます。この各過程で仮説に対する評価を行い、仮説が正しければどんどん次のステージに進むし、間違っていれば軌道修正をかけながらプロジェクトを進めて行けば良いのです。

おわりに

デザインリサーチには大きくわけて「探索」と「検証」の2種類があることについて述べました。これらはどちらもデザインリサーチではあるものの、リサーチ目的が違いますので、使用するテクニックやツールが異なって来ることは言うまでもないでしょう。

デザインリサーチについて学ぶ際に、あるいはデザインリサーチをプロジェクトに取り入れようとした場合に、自分がデザインリサーチとはどういった行為を指すのか。あるいは自分たちのチームに必要なデザインリサーチはどういったものなのかを意識する必要があります。


弊社アンカーデザイン株式会社では、お客様のプロジェクトの目的やフェーズに応じて最適と思われるデザインリサーチプログラムをご提案・実施させていただいております。具体的なプロジェクトについてのご相談はもちろん、「こういったことって可能だろうか?」といった段階から、お気軽にご相談頂けますと幸いです。


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