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ワーママ芸大生の近況報告 〜1年目の総括〜

通信制芸大(京都芸術大学・イラストレーションコース)に入学し、今月で丸1年が経過します。

最初は「仕事や育児と両立できるか」「授業についていけるか」「単位を取れるか」などなど不安が山積みで、実際のところ辛くて泣いたときもありました。

30代になって再び大学生になるなんて思い切った決断をしましたが、そのおかげで本当にたくさんのことを学べました。あのとき躊躇していたら、独学につまずいてイラストそのものを諦めていたかもしれません。

この1年間の経験や変化についてまとめます。

履修科目と成績

この1年で11科目の履修を終え、計16単位を取得しました。

・レイアウト・構図:C 63点
・美術解剖学:C 68点
・デジタル演習AI:B 78点
・デジタル演習BII:B 77点
・クロッキーI(ヌード):C 65点
・メインビジュアル:C 69点
・キャリア論:B 76点
・デジタル演習BI:B 79点
・色彩基礎:B 73点
・世界観表現・コンセプトアート:B 74点
・クロッキーI(ヌード):C 67点

イラストを学ぶコースなので、専門科目の授業は絵を描く課題が必ずあります。私が1年目に提出したすべての課題はこんな感じです。

春期〜夏期
秋期〜冬期

評価はよくてBといった具合ではあるものの、自分としては大健闘!

入学当初は1単位も取れないのではないかと、謙遜でも冗談でもなく本気で心配していました。だから、評価の良し悪しを気にする以前に、こうして単位を取得できていること自体が嬉しいです。

もともと授業内容に魅力を感じて入学を決めたので、「授業で学ぶ → 課題で実践する → 評価を受ける」という過程を通して本当に多くのことを吸収できていると感じます。

まだ絵が上達したというよりも、やっと絵の描き方が分かってきたという段階ですが、1年前の私からするとすごい変化です。

イラストの上達具合

私はイラスト初心者の状態でこの大学に入学しました。

おそらくこの大学のこのコースでは少数派ですが、私はイラレ(Adobe Illustrator)というソフトでイラストを描いています。イラレの使い方を勉強し始めたのも、大学入学とほぼ同時でした。

人物と背景があるいわゆる1枚絵も、課題で初めて描きました。大学の授業のおかげで、少しは絵らしい絵が描けるようになってきたと思います。

入学して初めて描いたイラストと直近で最後に描いたイラストを比較すると、評価も全体的に上がりました。

課題のイラストは、毎回そのときの自分の最大限の知識や技量を使って本気で描いているつもりです。それを添削や評価してもらえるおかげで、1つの課題を終えるたびにかなりレベルアップできている気がします。

後から過去の課題のイラストを見返し、ブラッシュアップしてみることもあります。

私はこのとおり、デフォルメのどちらかというデザイン寄りのイラストが好きです。

ただ、このコースの授業はアニメやゲームの人物の描き方がメインなので、なかにはそういったテイストでの制作が必須の課題もあります。

それらは1年目のうちには提出できませんでした。ちょっとずつ進めているところでまだ下書きですが、入学前に練習で描いた絵と比べるとかなり差があると思います。

入学前はそもそも何をどうやって勉強すればいいのか悩んでいました。

大学のカリキュラムはイラストの基本を網羅していて、単位を取るために勉強すれば自分が学びたいと思っていたことをどんどん得られる環境です。独学では決してやらないであろうことにも挑戦でき、自分の可能性を広げるきっかけにもなっていると感じます。

完全オンラインの芸大生活

私が在籍しているイラストレーションコースは完全オンラインのため、一度も大学へ通学しなくても卒業できます。

動画で授業を見て課題を出すと評価が出る、というのが基本の流れです。

授業も課題も進捗は自分次第。1年間勉強してみて、課題に予想以上の時間がかかったり、子どもが入院して勉強どころではなくなったりなど、計画通りにいかないことも多かったです。

でも、いつでもどこでも勉強できるおかげで、どうにかこうにかやれています。

ちなみに、一緒に入学したイラストレーションコースの3期生だけでも約1,500人もいるそう。学生が一堂に会する機会がなくてあまり実感はないですが、同じ学校の人たちとはX(Twitter)を介して交流しています。

#KUA課題評価」というタグで課題作品を投稿する人も多く、成績が発表された後に見るのがいつも楽しみです。

私も投稿しており、たくさんの人からいいねや感想のコメントをいただけて勉強の励みになっています。

上手い下手ではなく、勉強を頑張っていることを称え合える雰囲気がすごく好きです。

それから、社会人学生になったおかげで学割が使えるようになりました。美術館やイベントは学割が使える場合も多く、たまに時間を作って刺激を受けに行くようにしています。

(学割が関係ないのもあります)

フリーランスなので平日にちょこっと時間を作って行ったり、美術館は休日に家族で近くに出かけた際に時間を決めて子どもを夫に託してササッと見たりなどです。

また、Apple Storeでも学割が使えるということで、思い切ってパソコンを買い替えました。

購入してからまた2ヶ月くらいなので、これから本格的にガンガン使いこなしていきたいです。

"これまで"と"これから"

1年目は、こうしてマイペースながらも大学の勉強を進められました。

ただし実は、大学の勉強や課題をしていた時間と同じくらい、自分の中で模索している時間があったと思います。

たとえば、興味の赴くままに課題以外の制作をしたり、大学以外の講座をいくつか受けたりしました。

こんなふうにあえて寄り道している理由は2つ。「自分の方向性を確立したいから」と「大学の枠にとらわれず勉強したいから」です。

もともと私が大学へ入学した理由は、これまでの人生で自分の好きな気がする ・・・・・・・ものに向き合ったことがなく、今からでも本気で何かを始めてみたいと思ったからでした。

だから入学当初は、ただイラストを描いたり勉強したりすることだけを考えていました。

でも、大学の勉強を通してプロのイラストレーターの方々やレベルの高い学友たちから刺激を受ける中で、「私はイラストを勉強してどうなりたいのか?」と考えるようになりました。

イラストの表現は人によって千差万別。そして、イラストを描く人は、本当にたくさんのことを試行錯誤しています。大学に入学したからこそ、それを知ることができました。

そして、やはりこのコースの授業はアニメやゲームの人物の描き方がメインなので、授業内容や評価の基準はそのようなジャンルが軸になっています。

そのことは理解したうえで入学したのですが、だからこそ私の場合は大学で教わることにとらわれず他の表現や考え方にも積極的に触れていかなければと思っています。

もちろん、大学の勉強が進まないと本末転倒なので、2年目は1年目よりもたくさん単位を取るのが目標です。他にもいろいろなことに触れつつ、楽しむことを忘れないようにしながら勉強していきたいと思います。

✳︎✳︎✳︎

こうして過ごしてきた"ワーママ芸大生"としての1年間では、本当にたくさんのことを学べました。

ちなみに、去年の4月はまだ立っていなかった我が子も、いまではあちこち走り回ってお絵描きも自由に始められるほどに(あと少しで2歳!)。

子どもには負けますが、私もこの1年で新しくいろいろなことができるようになりました。

これまではことあるごとに「初心者」という単語を使っていたものの、2年目からはそろそろ辞めてみようと思えるくらいの自信もつきました。それがいちばん大きい収穫かもしれません。

2年目も多くのことを学んでいきたいです。引き続き頑張ります。

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