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【観戦記】RWC2019 決勝トーナメント準々決勝2 ニュージーランドvs.アイルランド

一次リーグ(プール戦)が終わり、いよいよ決勝トーナメントです。ここからはノックアウト方式で1点でも多くとれば勝利、トーナメント形式での勝ち上がり戦です。

対戦カード

決勝トーナメント準々決勝2が、世界ランキング1位のニュージーランドと、そのニュージーランドを一昨年に撃破している世界ランキング4位のアイルランドの対戦です。
ニュージーランドは、プールBで南アフリカを撃破して以来好調を維持しています。プール戦での最多得点試合を行うなど、得点力はNo.1です。
アイルランドは、日本と同じプールA。格下の日本に歴史的敗北を期した一方で、同じティア1のスコットランドに快勝、他チームにも余力を持って勝利しています。
準々決勝屈指のカードです。

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試合前

試合の3時間前の開場から、会場には多くのファンが訪れました。
会場にはアイルランドサポーターの緑が目立ちます(色が派手だから?)。日本人はオールブラックスジャージのほうが多いか。東京スタジアムは超満員になりました。
開始前には会場前の広場で「スクラムユニゾン」による両チームのアンセムの合唱が行われました。両チームサポーターも合流して大合唱となりました。


試合前には、台風19号で被害にあわれた方への黙とうをささげた後、両国のアンセムを会場で大合唱。アンセム斉唱に続いて行われたニュージーランド恒例のハカは「カパ・オパンゴ」。オールブラックスのために作られたハカで気合を高めました。

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試合経過

最初からニュージーランドが攻め込みますが、アイルランドもしっかり応戦。どちらもディフェンスが堅く、攻撃をトライまで繋げられない接戦です。
先にトライをしたのは、ニュージーランド。PGで3点リードされている前半13分に、相手陣内ゴールラインまで10m前迫ったところで展開、フェーズ8を重ねたところで、SHスミス選手が、アイルランドのラインの間をついて、ゴールポスト下にトライ。
さらにSHスミス選手とのトライを重ねたニュージーランドのビッグプレーは前半19分。アイルランドが相手陣内に攻め込んできたところで、ニュージーランドがタックル相手がボールを手放したところに入ってきたFBボーデン・バレット選手が、ボールをグラバーキック(ゴロキック)で前進。2回蹴ってゴール前3m付近までボールを運ぶと、そのまま自分でキャッチしてトライ。楕円のボールがまるで真球かのように、まっすぐとボールが転がり、最後はボーデン選手がキャッチできる高さに上がっています。ボールコントロールが素晴らしい。

前半はアイルランドにゲームをさせない 22- 0 で折り返します。

後半も引き続きニュージーランドペース。後半42分にボールを展開し、HOテイラー選手がトライ。バックスだけでなくフォワードも攻撃に入ってきて攻め込みます。
ようやくアイルランドがトライを決めたのは、後半68分。相手陣10m付近でスクラムを組むと、そこからSHからボールを受け取ったCTBヘンショー選手がトップスピードで、ニュージーランドのラインの間を入ってきて真ん中にトライ。

アイルランドは、最後まで善戦したものの、ニュージーランドが7トライを挙げる完勝でした。

ニュージーランド 46 -14 アイルランド (前半 22-0)

今試合のMVP

PoTM(検証トーナメントからは Player of Tournament Match) はFBボーデン・バレット選手。FBとしての最後の砦はもちろん、キックそしてトライと大活躍でした。このままニュージーランドが優勝したら大会MVP、ワールドラグビーMVPになるのではないでしょうか。


個人的なMVP、というよりは負けたので選ばれなかったであろうPoTMは、アイルランドのHOローリー・ベスト選手。アイルランド代表136キャップを持つアイルランドの英雄は、今大会をもって引退します。最後の最後まで希薄あるプレーを見せてくれました。世界でも尊敬されるHOでした。
試合後には、ニュージーランド・アイルランド両国の選手がベスト選手のための花道を作り、感謝と称賛をおくりました。

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試合が終わって

結果はニュージーランドが7トライで圧勝。2018年シリーズのワールドラグビーMVPのアイルランドSOセクストン選手は、完全にニュージーランドに封じられ、仕事をさせてもらえませんでした。
一方でオールブラックスは、台風で前試合が中止になったことにより、コンディションもよく、いい形での試合展開をしました。FWが相手の攻撃を抑え、BKがつながったボールを得点に結びつけました。
アイルランドのシュミットヘッドコートは「胸がつぶれるほど悲しい」とコメント。一昨年に勝利、昨年世界ランキング1位だったアイルランドの強さのピークが今大会、この試合だったら結果は変わっていたかもしれません。


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