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【観戦記】RWC2019 決勝トーナメント準々決勝4 日本vs.南アフリカ

日本が史上初の決勝トーナメント進出。日本中が注目した試合でした。

対戦カード

前回ワールドカップで「スポーツ史上最大の番狂わせ」「ブライトンの奇跡」と呼ばれた対決が再び。しかも日本、決勝トーナメントという大一番に舞台を移して対戦。
日本は「実は死のプールだった」と呼ばれるプールAで全勝し一位通過。メンバーの疲労はありますが、ファン・日本国民の大声援もあり、乗りに乗っています。
一方で、南アフリカは過去2回のワールドカップ優勝を誇る強豪。プール戦では初戦のニュージーランド戦以外はコンデションを調整して、決勝トーナメントに照準を当てたベストメンバです。

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試合前

前日の試合同様に開場前からゲートに行列が並び、またスクラムユニゾンは南アフリカ国歌を大合唱、別の場所では日本代表選手も歌う「ビクトリーロード」を大合唱する盛り上がりです。

会場は半分以上がJAPANのジャージで、会場を桜カラーで埋め尽くしました。しかし、南アフリカも大応援団も随所に見られました(ラグビーは観客が応援するチームに関係なく混在するので、南アフリカの大応援団の隣も日本応援の人が多数)。

開始前は通常1時間前くらいから各チームが練習するところを、南アフリカは1時間半前くらいからメンバが準備。日本も早くから練習を始めました。両チーム気合十分です。

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試合前の国歌斉唱では、これまでのどの日本代表試合よりも大きな「君が代」が場内に響きわたりました。君が代の最後には涙するSH流選手がビジョンに映し出され、会場がさらに感動。この試合の大切さ、試合に向かう気持ちの強さに、観客も涙しました。

試合経過

前半の最初から、日本は南アフリカの堅いディフェンスに苦しみます。
先制をしたのは南アフリカ。前半4分に南アフリカボールのスクラムを南アフリカがで22mラインを超えて押し込んでくると、モールからボールを出したSHデクラーク選手がディフェンスが薄くなっている狭いサイドにかまえたWTBマピンピ選手にパス、マピンピ選手の快足でディフェンスを振り切り左隅に抑えて先制トライをします。
日本の初得点は前半19分、スクラムで相手の反則を誘った日本は、SO田村選手のペナルティゴールで3点を返します。
そのまま両チームとも得点を取り切れず、前半を 3-5 で折り返します。

後半は一転して、南アフリカの攻撃が始まります。
南アフリカが攻め続けるところで、日本の反則を誘うと、SOポラード選手のペナルティゴールで得点を重ねます。これまでの試合ではPGが少ない南アフリカでしたが、1点が重要になる決勝トーナメントでは、確実に点を取るために、フィジカルを前面に攻める→相手の反則を取る→PGで得点、の南アフリカらしいスタイルで攻めてきました。
さらには後半64分に、南アフリカが自陣内のラインアウトでボールを確保すると、モールで22mラインを超え30m以上前進します。モールからHOマークス選手が飛び出すと、タックルされたところに入ってきたSHデクラーク選手が、オフロードパスでボールを受け取り、そのまま自分で走りこんでほぼ中央にトライ。
さらに後半69分には、日本が攻め込んでいたものの、タックルされボールを手放したところで、南アフリカがボールを奪取。そこからバックスのラン&パスで一気に駆け上がり、WTBマピンピ選手がトライ。日本はWTB松島選手などが必死に追いかけたものの止められませんでした。

80分の試合終了の合図が鳴ると、攻撃を続けていた南アフリカ代表でしたが、81分に攻撃ギリギリのところで南アフリカが溜まらず外に蹴りだして、ノーサイド。
最初から最後まで攻め続け、守り続けた日本でしたが、ノートライの完敗でした。

日本 3 - 26 南アフリカ (前半:3 - 5 ) 

 今試合のMVP

PoTMは南アフリカSHファフ・デクラーク選手。自身で1トライを挙げたほか、全般にわたってFWをコントロールし、前半の堅いゲームを南アフリカペースにしました。

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個人的には、安定したキックのSOポラード選手も素晴らしかった。南アフリカがフォワードの強さ、バックスの速さ、それをコントロールするハーフ団。南アフリカの強みを発揮できた試合でした。

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試合が終わって

日本は前半20分、7割近いボールを保持し、パスでの展開に加え、プール戦では見られなかったキックパスも交えて攻撃した。しかし南アフリカは、前半にボールを持った選手と受ける選手両方にプレッシャーをかけて、展開を続けさせませんでした。
後半は攻撃に転じると、南アモールを押し、フィジカルに勝る選手がまっすぐ前進と自分たちの強みをシンプルに出してきた。

南アフリカが圧倒的に強かった。その強さに対して、日本は準備しきれなかったし回復しきれませんでした。一次リーグを含めて「決勝トーナメントでの勝ち方を知っている」南アフリカの経験が日本を上回りました。

全力を超えて、4年間のすべてを発揮して攻撃をし続けた日本代表。最後の選手がピッチを後にするまで、多くの観客が残り歓声と拍手を送り続けました。

ありがとう、日本代表!

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