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【観戦記】RWC2019 3位決定戦 ニュージーランド vs. ウェールズ

いよいよラグビーワールドカップもあと2試合。優勝がかからない3位決定戦は、肩ひじ張らずに見ることができる、楽しい試合です。

対戦カード

南半球最強と呼ばれ続けたニュージーランドと、2019年シリーズ北半球シックスネーションズで優勝したウェールズ。南北半球の激突になりました。

ワールドカップ3連覇の夢が破れたニュージーランド。準決勝でイングランドに敗れました。イングランド相手に点数以上に足を止められた姿に驚きました。
一方で、初めての決勝をかけて南アフリカと戦ったウェールズ。南アフリカのフィジカルと集中力の前に僅差で敗れました。

試合前

早い時間帯から両国サポーターが飛田給・東京スタジアムに集合。また、明日の決勝戦に向けて日本を訪れている、南アフリカ・イングランドサポーターも集合。一方で、平日ということもあってか、他の試合よりは日本人比率が少なめです。開始30分前にはほぼ満席。

来日して、日本代表ジャージの鉄腕アトムを買ったというニュージーランドのサポーターと撮影。お祭りムード満点です。

試合前には、アンセム斉唱。

アンセムに続き、ニュージーランドのウォークライ、ハカ(HAKA)。本日は、伝統的なカ・マテ(KA MATE)でした。最後のハカの先導は、この大会を最後にニュージーランド代表からの引退を表明している、キーラン・リード選手(キャプテン)です。

試合経過

最初から両チームともトップスピードで攻めこみます。

最初のトライはニュージーランド。前半5分に相手陣内10m付近で密集からボールを出したSH A・スミス選手から展開、LOレタリック選手がウェールズのラインを突破すると、そのまま22m付近まで走ります。並走してきたPRムーディー選手が相手のバックスも追いつかせないスピードで20m以上を走りきりトライ。
さらに前半13分には、SH A・スミス選手が、ボールを出したところでステップで相手を躱し、クロスで入ってきたFB B・バレット選手に渡すとそのままラインを突破してラン。トライを決めました。
ウェールズの反撃は19分。フェーズを重ねてラインを上げてきたところで、いったんボールを後ろに下げて、ニュージーランドのラインが崩れたところを抜け、最後はFBアモス選手がトライをします。
その後、ニュージーランドは、ベテラン WTB B・スミス選手が、相手の間をステップで躱すような快走も見せて2トライを挙げ、前半を 28 - 10 でニュージーランドが大きくリードして折り返します。

後半も引き続きニュージーランドペース。後半2分にラインアウトからボールを展開、タックルされてもすぐにサポートが来てつないでいくニュージーランドらしいスピードでボールをつなぐと、最後はCTBウィリアムズ選手のオフロードパスを、後ろから入ってきたCTBクロッティ選手はパスを受け奈良が相手の炊くるを躱し、そのままトライ。
最後は、司令塔またキッカーとしても活躍してきたSOモウンガ選手が、自身の大会初トライを決めて、勝利を確信しました

ニュージーランド 40- 17 ウェールズ

結果だけを見るとニュージーランドの圧勝でした。ですが、点差よりも、ウェールズの防御にニュージーランドが苦しんだ接戦でした。

今試合のMVP

PoTMは、ニュージーランドLOブロディー・レタリック選手。ワールドカップの全6試合(1試合は中止)に出場し、今試合でも80分フル出場しました。最初のトライはレタリック選手のビックゲインから生まれました。スクラムやラインアウトのセットプレーはもちろん、タックル後のサポート(タックルされた味方にサポートに入って、ボールを相手に取られないようにするプレー)で貢献、ニュージーランドを勝利に導きました。

個人的には、最後の最後まで戦い抜いたウェールズのキャプテンLOアランウィン・ジョーンズ選手が素晴らしかったです。大会当初から故障者も多く完全ではない、メンバーが入れ替わるチームを最後まで引っ張ってくれました。ウェールズの堅いディフェンスと実直な攻撃、時々見せるチャレンジングな戦略は、常に楽しませてくれました。

試合が終わって

両チームとも、最後まで力を抜かない全力プレーで、3位決定戦を大いに盛り上げてくれました。ウェールズは、ここまでの戦いで故障者が多く、ベストメンバーといえませんでした。一方でニュージーランドは、最後までベストメンバーで戦い抜いた、という点で「決勝トーナメントを勝ち抜けるチーム」として、最後まで王者の貫禄を貫いてくれました。

ウエールズ(レッドドラゴンズ)・ニュージーランド(オールブラックス)
両チームとも本当にありがとうございました。

ウェールズ代表キャプテンLOアランウィン・ジョーンズ選手やニュージーランドWTBベン・スミス選手は、自身の代表最終戦を終わり、子どもたちをピッチに迎え入れました。

写真

この試合は、上皇陛下・皇后陛下が後半戦をご覧になりました。日本中の人気と期待の高さを示した試合でした。

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