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〇〇は清潔? (知念実希人の蛇足カルテ)

医療の世界には、一般的な感覚とは大きくかけ離れた常識があったります。その代表的なものの一つが『清潔』の定義です。


皆さんにとって『清潔』という言葉はどういう意味ですか?


汚れがない綺麗な状態のこと?


はい、それで正解です。


けれど医療界ではちょっと違っていて、『清潔』とは『病原体がいないこと』と定義されています。


つまり、手術などで外科医が『手を清潔にする』と言えば、『消毒薬で手に付着している微生物を殺菌する』という意味なんです。


そうすれば、手術を受ける患者さんが病原体に感染をしないようにできます。


さて、話は変わりますが、人間(というか、ほとんどの動物がそうだろうけど)の尿は基本的に無菌です。尿中に菌が含まれているのは、膀胱炎や腎盂腎炎などの感染症の時ぐらいです。


さてここまで読んで、皆さん気づきましたか? 


よく考えてみてください、恐ろしい事実が浮かび上がってきていますよ。


尿は無菌、そして病原体がいないことが清潔……。


そう、なんと医学的に言えば、『尿は清潔』なんです!


普通に感覚ではあり得ないことですが、医療の世界ではそれが常識なんです!


ちなみに以前、病院の飲み会で酔っぱらった泌尿器科(腎臓・膀胱・尿管等の治療を専門にする科)の中年医師が、突然立ち上がって『尿は清潔だ! だから俺は飲める!』とか叫んでいたこともありました。


みんなドン引きでした。


心の中で『飲めねえよ、馬鹿!』と突っ込んでいました。


彼が何でそんなことを言いだしたのか、未だに不明です。


お酒って怖いですねえ。


まあ、この泌尿器科医は医療界の中でも常識外れ(というか単なる変人)ですが、このように医療の世界では一般的な感覚ではありえないようなことがよく起こっています。


今後も、このページでちょこちょこ面白エピソード等を語っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。


ではでは、今回はこんなところで。

     了

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