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安心して履ける礼装用の靴

土岐市のIさんはヒザの関節症を患って足の具合も悪く、合う靴がなくて困っておられました。特に体重が足の外側にのりやすい感じがして靴のカベに押されて痛かったそうです。お見立てした靴の中敷きや甲革を調整して履いて頂いてから半年が経ちました。
「普段用にはいいんですが、今回は礼装用の靴がほしいなと思って」と相談に来られました。

パンプスの特徴

「礼装用の靴」で最初に思い浮かぶのは「パンプス」と呼ばれるタイプの靴ではないでしょうか。見た目にシンプルでオシャレに見えます。しかし、実際に歩いてみると「足が疲れる・痛い」といった声をよくお聞きします。その原因はどこにあるのでしょうか。パンプスには―
①履き口が広い
②留め具がついていない 
③かかと部に3~5㎝程度のヒールが取り付けてある 
などのデザイン的特徴があります。
足に合っていないと―
・ 履き口周り(トップラインと言います)特に土踏まずの両サイドやかかと部で足が留まらないとかかとの真後ろやくるぶしに靴ずれを起こすことがあります。
・パンプスの場合、ストッキングを着用される方が多いと思います。化繊系の靴下はツルツルして靴の中で前滑りを起こしやすいので、つま先がきつくなり、カカトがブカブカして歩きにくくなります。
・両脚均等に立っている時、体重は足裏のかかと部分に約50%、母趾と小指のつけ根辺りにそれぞれ約25%の割合がかかっています。靴のカカト部のヒールが高くなるほど体重は母趾、小指方向にかかりやすくなります。足裏への負担が大きくなり指のつけ根辺りが痛くなることがあります。
また、つま先のデザインによってはポイントトウ(先の細いシルエット)のパンプスだと足指全体が締め付けられ痛みやしびれを訴える方もおられるようですね。

式典に安心して臨める靴

全ての方がパンプスを履いてこのようなトラブルを起こすわけではありません。ただ、足にトラブルを抱えておられる方や普段パンプスの履き心地になじみのない方はより慎重な選び方が必要ですね。Iさんもヒザ痛のことを考慮され「足は大事だから」とおっしゃるので、靴底はフラットに、足全体を包み込んでベルトで甲を固定できる靴をお見立てしました。「あぁ、これなら楽に式に出られそう」と安心されたようでした。
なお、「礼装用の靴」と限定されて靴箱に仕舞い込まれることが多いと思います。靴は長期間使用しないと甲革が固くなったり、まれに靴底が「劣化」して割れたり崩れてボロボロになってしまうことがあります。定期的に靴箱から出して空気にあててクリームを塗ってあげるなどお手入れをしてあげましょう。履く機会があれば足を入れてちょっとしたお出かけを楽しんでいただくのもイイですね。

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