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そもそも小学校受験ってなに?

そもそも小学校受験(通称、お受験)ってなに?という方も多いと思います。
言葉の意味的には、国立・私立小学校に入るための試験です。国立・私立の小学校は、公立の小学校と違って入学のための試験があり、それに合格した人しか入学ができない仕組みとなってます。ここでは「人数」と「増加の背景」の切り口で傾向を見ていきたいと思います。内容としては、我が家が私立校に通っていることもあり多少私立寄りですが、ご参考になれば幸いです。

どのくらいの人が小学校受験しているの?

学校の数でみてみると、全国で国立67校、私立241校(2021年時点)で、小学校全体2万校あるうちで1.5%くらいしかなく、周りに経験者が少ないが故に身近に感じづらいと思います。
私立に絞って進学率を見るとこんな感じです。

参照:文部科学省 令和3年度学校基本調査

中学からは私立進学は少し身近な人数に増えていますが、小学校に至ってはかなりレアですね。ただ上記の数字は全国における割合なため、私立小学校の40%以上が首都圏に集中していることを考えるとエリアを絞ると少し割合は変わるとおもいますが、それでもかなり人数としては少ないと思います。

しかし一方で、少子化の流れで全体の小学生の人数が下がる中で、小学校受験をする子どもの人数は年々上がっており、昨年対比でも1割増となっていると、統計をとっている「お受験じょうほう」でも指摘されています。実際文科省の基本調査にも、私立小学校の在学生数は前年比で唯一プラスになっています。
それだけ、小学校受験への関心が年々高まっている状況が数字でもみて取れると思います。

小学校受験が増えている背景

ではなぜこんなにも受験生が増えているのでしょうか?
ここでは、いくつか周りのご家庭や幼児教室の先生と話した中で気づいたポイントとなります。数字での統計はないのですが、一番大きいのは「共働き家族で受験する人が増えたこと」が背景にあると思います。

  • オンラインでの学校説明会が増え、共働きでも情報を得やすくなった

  • 公立校のコロナ対応が進まない中で、オンラインでいち早く授業を再開した私立が多く、柔軟な対応が目立った

  • 在宅勤務もあり、平日でも勉強に向き合いやすくなった

  • 少子化・親の平均年齢の上昇を受け、一人当たりの教育費が手厚くなる家庭が増えた?

  • 中学受験が険しさを増し、比較的親子の負担が少ない小学校受験で一貫校に入ろうと思う家族が増えた

一つずつ読み解いていきたいと思います。

オンラインでの学校説明会が増え、共働きでも情報を得やすくなった

コロナ禍を受けて、学校説明会をオンラインで開催する学校が増えました。それまでは、指定の日(平日も含む)に学校に行く必要がありました。そして当日は、いわゆるお受験服と言われるような、紺色のスーツやワンピースを着てそれらしい格好と準備をしていかないといけません。しかしオンライン化によって、まだお受験セットを揃えていないタイミングでも、気軽に学校の特徴に触れることができるようになりました。私自身、次男の受験はコロナ禍だったため、長男の時との違いにびっくりしました。とにかく楽で。学校までの移動時間は取られませんし、在宅勤務でもあったので仕事を休まず時間の調整をすれば良いだけで学校の説明が聞ける環境は、働く親にとって絶大なメリットでした。また、ついぞ父だけ、母だけになりがちな説明会も、オンラインであれば夫婦で参加しやすいため、夫婦の意見が揃いやすいのも大きいと感じました。
正直説明会を聞くと、公立にはない魅力が詰まっていて興味を持つ人が多いです。まだそこまで受験に本腰入れていなかった家庭が、説明会で一気に火がついたという話も少なくありません。オンライン化は今まで遠い存在だった学校が一気に近づく良いきっかけになったのではと思います。

公立校のコロナ対応が進まない中で、オンラインでいち早く授業を再開した私立が多く、柔軟な対応が目立った

コロナ禍では、学校が一斉休校になる中それぞれの対応の差が大きくなったかと思います。前例のない事態に、公立の学校ではとりあえずプリントを配るしか対応できなかったという話もそこかしこに聞くことが多かったです。そんな中、私立の学校は自分達で判断し進めることができるため、いち早く授業をオンライン化し、学びを止めない努力をした学校が目立ちました。
実際長男の学校では、すぐさまYoutubeでの配信が始まり、オンラインで課題を提出したり先生のコメントがついたりと、やりとりも全てオンラインになりました。徐々にYoutube + Zoomなど、オンデマンド、リアルタイムをうまく組み合わせた授業になり、AI教材も導入して予習復習も自学できるよう提供し、学校も先生も正解が見えない中、手探りで新しいことにトライしてくれました。
その姿勢に親としてどれだけ救われたか計り知れないと感じた次第です。
私立はそのように、すでに学校の方針に共感した家庭が入っているという背景もあるので、新しいことに挑戦しやすい土壌がありますし、決定権が学校にあり予算もあるためフットワークが軽いことがこの難局を乗り越える上での武器になったのだと思います。
これからの時代、どんな変化が急に来るかわかりません。そんな時代に私立の強さを見た家庭が、受験の道を選んだのも不思議ではないと思いました。

在宅勤務もあり、平日でも勉強に向き合いやすくなった

お受験は、実際やるとなると日々の勉強の習慣が肝心です。
幼稚園・保育園児ともなると、働く親ですとまだ産休育休から日も経っておらず仕事との両立が大変な中、勉強時間を確保しないといけないのは至難の業です。しかし在宅勤務の裾野が広がり、移動時間が減ったことで子どもと勉強する時間が確保できるようになったという声が多くなってきました。我が家もまさにそれで、子どもと向き合う時間が増え、それを学びの時間に活用することができました。そうすることで、働く家庭でも受験対策に打ち込めるようになったと思われます。

少子化・親の平均年齢の上昇を受け、一人当たりの教育費が手厚くなる家庭が増えた?

共働き世帯が増え、世帯年収が増えた家庭は少なくないと思います。また、少子化もあり、一人当たりにかける教育費は割合として増えている傾向があると思います。(文科省:平成30年度子供の学習費調査参照)
私立小学校は教育費に活用の手段の一つとして大きな効果が見込めると考える家庭が増えたのではと思います。

中学受験が険しさを増し、比較的親子の負担が少ない小学校受験で一貫校に入ろうと思う家族が増えた

私立学校において、小学校に比べて中学校は、先ほどのグラフからもあった通り進学率が6倍近く増えます。主な主戦場は小学校4年生からになりますが、人気の塾には早めに入る子どもも少なくなく、1年生から中学受験を見据えて塾に通う子も増えている印象です。
小学校受験は大体2年くらいの準備期間で合格を掴める子が多い中で、中学校受験は3年以上と長丁場になりやすいので、親子の負担に感じる声も少なからず聞こえます。ただ、小学校受験と比べて、親の直接の勉強そのものの関わりは少ないので、なんとも負担そのものの比較はしづらいですが、小学校受験で一貫校に入るとしばらく受験がないというのも魅力に感じる親も増えているのではと思います。受験がなければ、塾に行く時間を趣味の時間に充てられる、個性を伸ばせるなど、他に時間が割り振れることに魅力を感じて一貫校を希望→それならば小学校受験と思うに至る人も増えたのではと思います。

以上、小学校受験に関わる環境と背景についてご紹介しました。
次回以降、国立・私立の特徴や試験内容などご紹介していけたらと思います。

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