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こなっぽいココア

わたしは、小学3年生です。今日は、お父さんがはたらいている会社に来ています。お父さんは、めがねを作る人です。お父さんの会社には30人ぐらい社員の人がいて、毎日、毎日、めがねを作っています。めがねなんだけど、レンズは入っていません。外がわのフレームというのを作っているそうです。わたしは、お父さんの会社に来るのが、とても楽しみです。なぜかというと、会社に来れるということは、スポーツ少年団のドッジボールは休みの日だし、コーチをしているお父さんにいっぱいおこられなくてもいいからです。それに、いつも会社に来ると、ココアをおごってくれます。じどうはんばいきに100円を入れるとコップの次にココアがジャーっと出てきて、あつあつです。わたしは、ねこじただから、あついのが苦手です。このまえ、お母さんが「あんたは長女ではじめての子だったから、お母さんがいつもふうふうしてさましてごはんをあげていたんだよ、だからあんたはねこじたなんだよ」って言っていました。じどうはんばいきのココアは、うちでお母さんが入れてくれるココアより、味がうすくてこなっぽくて、あんまりおいしくはありません。でも、お父さんの会社に来ると、ぜったいにのみたくなります。味がうすくてこなっぽいってわかっているのに、ぜったいにのみたくなるなんて、ふしぎです。お父さんがおごってくれるからかなぁ?うちでのめばタダだし、お母さんがココアをさましてくれるし、うちのココアの方がかつにきまってるんだけど、なぜかやっぱりのみたくなってしまいます。お父さんは、「この味がクセになるやろ」って言うけど、クセってなんだろう?ココアをのんでしまうと、ひまになるので、お父さんの会社の中をたんけんします。お父さんの会社の中に入ると、ツンとするへんなにおいがします。ツンとするのは、めがねのフレームのきんぞくのにおいだってお父さんが言っていました。めがねのフレームはいつも白いかみのはこに入っていて、さわろうとすると、お父さんがマジシャンの手袋をポケットから出して、それをはめなきゃだけだとおこります。だけど、気がついたらへんなにおい気にならなくなっていて、それもふしぎです。これがクセになるっていうことなのかなぁ?味がまずかったり、へんなにおいだったりすることは、ふつうはいやなことなのに、クセになるといいことにかわるなんて、人間はへんないきものだなぁと思いました。わたしも、さんすうが大きらいだから、いつか「クセになる」といいなぁ。