見出し画像

004 | とにもかくにも〝普通〟感

山笠の終わりは博多の夏の始まり。福岡で商業デザインを本業としながら、Webマガジン『ミッケ!フクオカ』の編集長でもあるおしけんです。note投稿4回目。今回はミッケ!フクオカの誌面についてのお話。

誌面をご覧になって、どういう印象を持たれますか?「こういうのあまり見ないね。」と思う方は、ひょっとしたら若い方。「あー、ちょっと古い感じがするね。いかにもって感じで。」と思う方は、もしかしたら自分と世代が近い方かもしれない。

今、次々とローカルメディアや個人レベルでの媒体がリリースされていて、本当にハイセンスなものがたくさん溢れてる。空間をすっきり使った上で、おしゃれな写真に手書き風のかわいいイラストをさりげなく絡めて文字サラサラ〜みたいな。見てて上手だなと思うものも、本当にいっぱいあります。

どちらかというとミッケ!フクオカはその対極というか、そこに踏み込まないようにしている。むしろちょっと古いとか懐かしいとかを感じるような、いかにも昔ながらの『THE・フリーペーパー』みたいなトーン。これには2つ理由がある。

1つ目は情報量。かっこいい写真とか、手書き風のかわいいイラストと絡めてホワイトスペースをふんだんに使うと、どうしても文字の量が減りがちに。かといって文字量をがっつり確保すると、上手な文章でも飛ばし読みされがちになる。(長文→写真→長文→写真…みたいなWEBサイト上のマガジンにこのタイプが多い)ページのサイズはA4で作っているので、手軽に読めるバランスの画+文を目指した結果、今の誌面構成に。

2つ目は参加のしやすさを求めた形。多くの方に誌面に参加いただくことが目的なので、幅広い層に抵抗感を持たれないようにしている。すごくハイセンスで今ドキのおしゃれな誌面だと、「うちは合わないんじゃないか」「自分は向いてないんじゃないか」みたいな印象を持たれるかもしれない。全然そんなことはなくても、だ。かといってクオリティを下げすぎると、誌面に出る価値も一緒に落ちてしまう。「自分も載りたい!」と思ってもらえて、「自分には無理だ」と思われないライン。

そういう点を踏まえて目指しているのが、徹底した〝普通〟感 。これぞまさに平均的な!という感じの。実際、誌面制作に参加してくれてるカメラマンもモデルも、本来もっとカッコいい・オシャレな写真とかバシバシいける人たちばかりなんだけど、そこは今の感じにおさえてもらっている。自分の写真のセレクトなんかも、そういった全体的な判断基準でおこなってたり。そういう意味では、『ダサい=悪い』は成り立っても、『オシャレ=正解』という図式とは限らない。あくまで媒体の目的によってだけど。

これからもミッケ!フクオカは、制作サイドとしては幅広い層にアジャストしながら、ごくごく普通な感じの誌面でお届けしていくので、気軽に楽しんでもらえたらと思います。