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IT業界は観光にチャンスあり!!

この記事は、2022年9月28日に北海道のIT情報発見!発掘!マガジンのmikketa!!に掲載されたものです。

公益財団法人北海道観光振興機構の会長に当協会会員の株式会社アイティ・コミュニケーションズの小金澤会長が就任したということで、早速取材に行って観光×ITの未来について聞いてきました。

–今回会長になられた経緯をお聞かせください。

小金澤:現在機構の会員が587社(関連団体含む)います。コロナになって2年くらい経つ中で、会員や役員の一部の皆さんから「機構はこのままでいいのか」という話題があちこちで出ていたらしいのですね。去年の末頃からwithコロナを見据えて、従前と違う発想でいろんなことに取り組んでいかないと観光業界大変なことになる。そもそも北海道にとって観光って他の都道府県と違う位置付けだろうと。GDPに締める割合って、圧倒的に違いますよね。だからこそ変えていかなければと。その変化の司令塔を従来通りの方たちに任せていいのかという議論が起きたそうです。その中で若手に任せようという動きがあり、小金澤のところは旅行業を持っているし、関係ないわけじゃないので、候補に名前が挙がったそうなのです。

–IT業界からの参加ということで、これから変えていくのを期待されているのですね。IT目線で取り組みたいことはありますか?

小金澤:機構という組織もものすごくアナログで。例えばキュンちゃんグッズを売るにしても、今はアナログでしか売っていない。なぜかというと決済手段がないから。IT化という観点でいくと今は白地なので、逆になんでもできるという感じですね(10月以降オンラインショップをオープン予定)。

–IT化といってもいろいろありますよね。機構の中のIT化、観光業界のIT化、外から来る人に対するIT化。機構の役割としては周りを巻き込んでいくことですか?

小金澤:私もまだ着任して2か月ですが、機構の事業ってすごくたくさんあって。特にこの1年間だと、バスの座席を半分にするとか、ホテルの部屋を定員の半分にするなどに補助金をかけていて、執行予算を分配しています。それをどういう流れて分配しているかというと、道庁が内部で考えて、こういう事業をやるので、それについては機構でやってねって渡されるイメージですね。要は機構が指定管理団体や執行管理のようなもので、機構が公募をかけて各事業者やコンソーシアムからの応募を審査して採択する。それって結果、我々が考えているのではなく、道が考えたことを我々が代理でやっているようなものだ。そうじゃないでしょと。今道庁と話していて、我々も事業を企画させてくれと。我々がこういう事業やるべきだということを企画して、道に相談するので、道はそのための予算を取ってくれと。まさしくIT化というところで、来年の予算にどれだけ反映できるか。限られた予算だからと手をこまねいているのではなく、まずやれるところからやっていこうと。

–まずはどんなことから?

それで先日東北海道を回ってきました。今知床がすごく打撃を受けていて、現地で苦労されている話をたくさん聞きました。知床も皆さん来てねと言い難い状況で。今年の6月道議会で、知床周りのプロモーションを柔軟にできるように予算を付けてくれて、知床が考えたのがこのポストカードです。「知床に来てくれてありがとう」というのを旅館や道の駅に置いて。今何が必要なのだろうというと、今知床いくのはどうなのだろうという声ではなくて、知床行ってみたら良かったよ!という声を積み上げることが1番だろうと。

中村:ポストカード裏面にQRコードが付いていて、読み込むとアンケートに飛ぶので、旅行の目的や宿泊施設の感想を書いてもらって、その中で行ってよかったという声もいただいて。それが観光事業者の皆さんからすると、大変心強く感じて、励ましの言葉になり頑張れると。今までにない、こういうやり取りは非常に価値があると思います。

小金澤:来年アドベンチャートラベルアワードが北海道で開かれるのですが、アジア圏で開かれるのは初めてです。これは日本国内もそうですが、海外の富裕層に向けてアピールする最高の場面になります。東北海道を回って、アドベンチャートラベルのコンテンツがものすごくたくさんありました。

–そういうところでITってどう絡んでいけるのでしょうか?

小金澤:メニュー作りというか、こんなのありますよと出してもなかなか組みにくいと思います。AIガイドがいるのはわかりやすいかなと。あとは圧倒的にコンシェルジュが必要になります。それに耐えうるコンシェルジュをITで作っていけたらと。

–今後の機構の事業はどのようになっていきますか?

小金澤:これからの事業の在り方は、ガチガチに絞り込まず、テーマを柔らかめにしていきたいなと。こういう事業に対して、各事業者さんから提案型でアイデアをくださいと。それを審査していく方がいいなと。

中村:道の事業の審査条件の中をなるべく細かくしたがるのですが、そこはテーマや軸をしっかり捉えたうえで、皆さんがクリエイティブな取り組みをできるように応援していきたいです。

小金澤:今後の事業でアプリ開発を考えていて、一度で完結はしないが、継ぎ足していくものを考えています。旅前旅中旅後で、要はアプリ入れてもらっても継続して使ってもらわないと駄目じゃないですか。もういらないと消されないで、いかに長く使ってもらえるか。

–旅前旅中旅後全てで北海道を好きになってもらうは、ITにしかできないことですよね。そこにITのチャンスがありますね。

小金澤:そこなのです。キーワード。

中村:価値を繋げる、価値を感じることを、現地・現物・現人含めてデジタルで寄り添っていけたらなと。

小金澤:IT業界は観光にチャンスがあります。

入澤取材後記

これからの北海道経済、いや日本経済そのものを支えるのは、「観光」だと思っています。EVで中国の台頭を見ていると、日本の車産業の未来も陰りが見えています。これから外貨を稼ぐ一番の産業は観光になるのだと私は思います。北海道は、日本でも有数の観光地です。北海道観光が日本経済を支えていくことになることは間違いありません。そこの司令塔である観光機構のトップに、ベンチャー企業のトップが就任するというのは、とてもワクワクして、私も話を聞いてきました。

観光地に行く前、行ってる最中、そして、帰ってきた後も、ずっとその観光地を繋げる役目をするのは、ITだと、小金澤会長は仰っていたのが印象的でした。北海道と観光客を繋ぐIT。世界に目を向けると色んなアプリやサービスなどがありますね。我々北海道のIT業界も「観光」に目を向け何か考えていく必要があると感じました。

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