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みこちゃん出版速報『THE NEW COOL NOTER賞』記念文集リリース

 ついにこの日がやってまいりました!

みんなの 珠玉の 記念文集 (6)

 まえがきの洋介委員長の文章も、あとがきの第二回大賞受賞者でミステリ作家の赤星先生の文章も、もう原稿を受け取ったときには驚くような熱量で圧倒されました。


 詳しくはお手にとって見ていただきたいのですが、この賞の趣旨を赤星先生にあとがきで、ていねいに読み取って頂いておりますので、そこだけ掲載したいと思います。

『THE NEW COOL NOTER賞』を知ったきっかけは、みこちゃんの「THE NEW COOL NOTER 批評宣言」だ。

私は他人の作品を批評したことはないけれど、批評(講評)されたことは何度もある。
小説大賞に最終選考で残った場合の、作家先生方の講評である。
はっきり言ってボロクソである。芥川龍之介賞などの講評を読んでも、かなりボロクソに言っているので、この業界の講評はどれも厳しいことを言うのだと思っていた。

ところが「THE NEW COOL NOTER 批評宣言」には、作品に対する優しさのようなものがあふれていた。
とても新鮮に感じ、なるほどと思った。
そして『THE NEW COOL NOTER賞』を知った。

私が知ったのは第2回 THE NEW COOL NOTER賞だったので、第1回の募集要項、作品、講評などを読んでみた。
募集要項は3,000文字。400字詰め原稿用紙ならば約8枚程度。十分に物語を作りだせる文字数だと思う。
しかも応募者の作品に対して、かなり丁寧な講評がついていた。作品を批評するだけでなく、良いところも十分に褒めていた。
それも最終選考に残った4作品というのではなく、すべての作品に講評がついていた。なんと親切な賞なんだろうと驚いた。

自分が書いているものが、他人から見てどのように思われているのかを知る機会は、めったにない。
友達に読んでもらっても、なかなか率直な意見はもらえない。賞に応募しても、最終選考に残らない限り、講評はもらえない。
そんな状況で、見ず知らずの人から講評をもらえるというのは、とてもありがたい。

『THE NEW COOL NOTER賞』。
この賞は、小説(文章)を書いているすべての人にとって、とても貴重な賞ではないかと思っている。

 褒めていただいた批評宣言とは以下のようなものです。ちょっと長いですが、みこちゃんの思いが込められています。

【THE NEW COOL NOTER批評宣言】

名称未設定のデザイン (9)

 『THE NEW COOL NOTER賞』の講評は批評を実現しようとしています。

■感想文は共感
講評は自分の書きたい小説の方向性のヒント
批評は自分の慣れ親しんだものの見方を破壊して
新しい自分を見つけるきっかけ

 だから…

 感想文で共感されないと反感を持ちます。
 講評で自分の書きたいことのヒントがもらえないと欲求不満になります。
 批評は最初から自分に関係ないと思います。

 でも、間違いなく一番自分を育ててくれるのは批評です。みこちゃんコンテストでは、すべてのご応募いただいた作品に、審査委員からの渾身の批評をプレゼント致します。

 ああ、そういうものの見方もあったんだあ。自分に気が付かないところを発見してくれた、ありがとう。

 こう言っていただけるように、とことん作品を読みます。それを作り上げた作者以上に読んで読んで、その魅力をお伝えする。そんな賞です。

 あらゆる作品は、それが技巧的にどれだけ稚拙であったとしても犯すことのできない価値を持ちます。

 ピカソそっくりの子供の絵。しかしどこまでいってもピカソではなくやはり下手くそは下手くそ。どうしようもなく下手くそ。

 しかし、そんな非の打ち所のないような文句なく下手くそなお父さん、お母さんの似顔絵を、自分の親の誕生日ににプレゼントしたことはありませんか?その日、親はくるくる踊って喜びませんでしたか?

 そして、読み返して赤面しないようなラブレターってあるんですかね…。

 幸せな結末、結婚したあとにそんなラブレターを配偶者が所有し続けていること分かったら、恥ずかしいから捨ててくれ状態にはなります。でも、本当に捨ててほしいと心から思いますかね…。

 全身全霊を込めた作品の本質はそこにあるわけです。技巧的な稚拙などでは作品は評価できない。ピカソ風のお父さんお母さんの似顔絵、赤面しそうなラブレター。なんてすばらしいんでしょうか。

 でもしかし、娘が美大に入りたいと言った時、恋人が恋愛小説を書きたいと言った時、褒めるだけでは美大は落ちますし、ラブレターのような恋愛小説もどうしようもないものが書き上がります。

 作品に仕上げるということには、また別種の誠実な努力が必要なのです。

 私は感想も書きます。子供のピカソ、渾身のラブレター。愛おしくてしょうがありません。

 でもコンテストでやるなら、必要なのは真の批評です。
 おっかなびっくり相手の機嫌を損ねないように作品を論評なんてことはしない。相手の顔色見て褒め合う。「いい講評いただいて励みになりました。」「いえいえ、とんでもない、これからも頑張ってくださいね!」

 ここでそんなことするのは、きもいからやめてくれ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
このコンテストでは審査委員はお世辞言ったら

みこちゃんグループ即破門

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 小賢しく褒めるところを探すだけの偽批評だけはしないで欲しい。べた褒めするのでもなく、けなすのでもない。ましてや、ここをこうしたらいいでもない。

 ピカソに似た絵を「この鼻をもっとこうすればもっとすごい」とお父さんが言いました。これが私の親なら私は二度と絵は描かないでしょう。

「君がこのラブレターを恥ずかしがるのはよく分かる。最後のここをもっとこうしたらきもちがストレートに伝わる」こんな事言われたら、私がそのラブレターを奪い返して自分で破ります。

 呆れ返る態度ですが、小賢しい批評ぶったことを書きたがるしょーもない連中はこういうことをやってます。

 そうではなくて、審査委員各位は…

1好きな作品を褒めすぎるほど褒める
2褒められた方がむしろ困惑する
3ほんとにそんなにすごいのかな…でもそこまで褒めてもらえるにはまだ課題がありそうだ。と作者が考え始める

 こんなきっかけを、そんなヒントをこっそりと講評で与えてあげてください。これが審査の方針です。noteドリームチームとも言える年長の審査委員の方々に対してアラサーのみこちゃんがエラソーですが、これを徹底していただきたい。

「なんか、パパ。私のこと好きかもしれないけど、そんなに褒めなくてもいいよ」
 ピカソの似顔絵に子供が言う。なんてすばらしい光景でしょう。でも心から褒めたい。

「こんなラブレターに褒められるようなところなんてなにもない」
 褒めてもらいたくてラブレター書いたわけじゃないですもんね。結果今結婚してるんでしょ。ずっと取っておいてもらいましょうよ。

 今度は作者の方の番です。

 自分が親から受けた愛、恋人から受けた愛、これに本当に値する人間なのか、私の作品とはそんなに褒められて然るべき作品なのか、それを今度は自分自身で証明するんです。

 だから『THE NEW COOL NOTER賞』は何度でもやります。

 人はたいてい、自分で最も直視したくないことは見ないで避けようとします。直視するとしんどいこととは別の、心臓をえぐらそうなすれすれのところを2つ3つ相手に言われる前に並べてお茶を濁そうとするものでしょう。

 強盗に金を出せと脅されて、「今はこれしか持ってません」とタンスの裏のダイヤモンドを隠しておいて、10万円の現金を差し出すようなもんですね。

 自分に真剣に向き合っているというポーズをしているだけです。
恐れずに本当に自分が弱点だと思うところを自分の口から言ってください。最も伝えたいことを隠すことなく見せてください。

 だから、なんどでも『THE NEW COOL NOTER賞』に応募してください。

 自分の中の何かを再発見した時、あなたは同時に新しい自分も発見するでしょう。そんなきっかけになる賞を、私たちスタッフ一同は目指しています。

みこちゃん


 気合い入りまくりの文章でしたね。自分で今、読み返して、なんだこりゃピカソの絵じゃねえか、と思って赤面しました(笑)。

 でも、そんなみこちゃんの青臭い思いに賛同して、参加してくれた方がこんなにいました。

 その記念文集がついに出来上がった。大げさでなく万感の思いです。

 ぜひお手にとってみてください。


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