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【イデクラ】ファジカ=フスカの話

 先日、交流ゲームイデアクラフターズがつつがなく終了しましたね。お疲れ様でした。巫女瓜はファジカ=フスカなるキャラクターで参加していました。なかなかアクの強いキャラで各所に無礼を働きまくりになりましたが、付き合っていただいた方本当にありがとうございました。

キャラシートです

 この記事ではファジカのキャラメイクの経緯でも語ってみようかと思います。

 イデクラの開催がアナウンスされたのはいつだったっけな……今年の2月あたり? その時に箱舟みかんさんが「5cmの妖精さん出します!」みたいなツイートをしてたので、大喜利みたいなノリで「じゃあ500cmの妖精さんやるか……」とツイートしたら、いや結構500cmの妖精さんって私の性癖だな、と気づいたので、本当にそれをやることにしました。私は昔から大きい女の子が好きで……。特に本来小さくて弱いはずのものが大きいと嬉しいので、大きい妖精さんはもっと嬉しいというわけですね。500cmは冷静になるとデカすぎるので、3メートルになりました。

 やりたいな、と思った時点では本当にやるかどうかは決まっていなかったのですが、ちょうど箱舟みかんさんがなにやらイデクラetc向けにコミッションを開いていたので、「千載一遇の機会では……?」と思い、設定をとっさに捏ね上げて提出することにしました。自分の絵で3メートルのかわいい巨大妖精描くの、あまりにもハードルが高かったのですが、箱舟みかんさんの絵なら誰も文句は言わないでしょう。ファジカ誕生には二重に箱舟みかんさんの力が関わっていたということです。本当にありがとう。
 妖精と言えば虫翅。どんな虫をモチーフにしようかとチョウチョについて調べていたら、クロシジミという蝶がアリと共生する珍しい生態を持っていると出てきたので、それに決定。ファジカ=フスカの命名の由来はクロシジミの学名Niphanda fuskaです。

最高にかわいい3メートルです

 種族はスプリガン。巨大化能力を持つ妖精ですね。スプリガンは別に翅とか持ってないはずなので、この辺は完全に趣味先行感あります。同じspiritusを由来に持つ妖精スプライトのニュアンスもあるらしい。適当。

箱舟みかんさんからABC3パターンのデザイン案をいただいたときに送った怪文書。選ばれたのはBでした

 でかい幼女に甘やかされたいよ~(圧倒的な物理の力でねじ伏せられて弱さを肯定されることで許されたいよ~)という偽らない欲望がコンセプトなんですけど、世間でも前々から言われている通り、甘やかされる対象であるべきこどもに甘やかしを求めるのはあまりにも罪深い話なので、そういう暗さも背負ってもらうことにしました。一般的世界基準だと3メートルは充分巨大なわけですが、ファジカは狂った尺度の世界出身で、本当は“小さい妖精さん”扱いで、本人もそういう自己認識なんですね。大きくて強大な存在扱いされるたびに、自分でも気づいていないうちに傷つく……という罠みたいな精神構造にしました。3メートルを巨大扱いしないのは無理なので、かなり悪い手管です。
 本人は再三自分のことを「小さくてかわいい妖精さん」と自称していたのですが、これは本人的には別にギャグでもなんでもないです。ギャグとして受け止められることは認識できていたと思いますが。

 大きいことを心の底から誇らしいと思っていたら、こういう展示物は作らないんですよね。

 それから、人を積極的に甘やかすキャラにしたかったのでそういう精神が必要だったのですが、甘やかしたり撫でたりっていうのは、言うまでもなく広義の加害行為なんですよね。それを恒常的に行うには、加害行為をいとわない悪の精神か、逆に加害行為を善行だと思いこんでいる歪んだ精神が必要になります。

 今回は弱い存在は強い存在に何をされてもいいという思想の持ち主にしました。それはなぜか? ファジカ自身が魔法を奪われたただの小さな羽虫で、出身世界で虐げられているから。その境遇を受け入れるためには、弱い自分は虐げられて当然、という思想を持つしかなかった。そんなロジックです。魔法を使えないと、自然物理攻撃に頼ることになるので、一石二鳥の設定ですね。巨大娘には物理で虐げられたいもんね。
 キャラシートに「絶望だ~っ!」って謎の文言が書いてあるのは、ゲーム開始時点でファジカが絶望しているからというだけです。シンプル。

 このような重い設定はあるのですが、重い過去を主題にしたくはなく(重い過去がわかりやすくまろびでると、交流が“傷ついた心を癒す”という方向に向かいがちになってしまう。それはそれで面白いけど)、あくまで人間どもを甘やかしたり暴力を振るったりする愉快なキャラでやっていきたかったので、虐げられた過去のことを思い出せない、“忘れっぽく飽きやすい”という性質を付与しました。これも根っからのものではなく、虐げられた結果働いたファジカの防衛機制ですね。抑圧というやつです。精神分析学については素人なので違っている可能性もあります。過去に目を向けると終わってしまうので、今を楽しめればそれでいい、というパーソナリティを構築しているわけですね。重い設定を隠すためにさらに重い設定を作るの、嘘で塗り固めた嘘って感じ。

 というわけで隠匿されることになったファジカの重い設定ですが、隠されただけで存在しなくなったわけでは別にないので、折に触れてさりげない形で露出したりします。妖精コスプレグッズを作って自分と似たような恰好をさせて仲間が増えたみたいな気分になったりとか、自分と違ってちゃんと己の弱さに向き合えている妖精キャラにコンプレックスをチラつかせてみせたりとか、自傷癖のあるキャラに心中ごっこを持ちかけたりとか。このへんはプレイヤー的には気づいてほしくてやっているわけではないので、特に拾われなくても問題ない、というレベルのさりげなさで。心中ごっこは全然さり気なくないですが……

 ゲーム始まる前からわかりきってたことなんですが、巨大なキャラって難しいですね。あまりにもビジュアルにインパクトがありすぎるので話しかけるだけで「いやお前でっか~~~!!!!」ってビュティみたいに突っ込まれてしまうのは、かなり面倒くさいです。面倒くさいとか言うなよ。そういうキャラなんだから……。インパクトが強すぎて話題を全部それに持ってかれてしまうんですよね。

Aさん「月が綺麗だな~」
3メートル「月が綺麗ですね~」
Aさん「いや、お前でっか!!!!!!」

 例えばこういうことになると月が綺麗という話がぜんぜんできなくなるので、人への話しかけ方がだいぶ制限されたのは苦しかったです。普通の絡み方がしたいなら、普通のキャラを作ろうね(当たり前)。3メートル、不便さも含めて3メートルだから、その不便さもちゃんと被る必要があるんですよね。例えばサイズ可変できたりするとそりゃ便利なんですけど、どうしても“軽い”キャラになってしまうから……真面目に、一瞬だけまともな大きさになれるようにする設定を入れるかどうかは考えたけど、やめた(そうしたら公式で巨大化薬と縮小化薬が出てきて肝が冷えました)

 あと、イデアクラフターズはエイプリルフール企画のミニゲーム製作が発端と聞いていたので、多分ゲーム部分はカラフルワンルームぐらいのあっさり加減だと思いこんでいたら、めちゃくちゃガッツリクラフトをやらされるゲームだったのでびっくりしました。え? そんなクラフトにモチベーションあるキャラじゃないんですけど? ……そんなキャラでも、公式レシピをなぞってエリア解放用アイテムや製作アクション用アイテムを作ったり、カブトムシを巨大化させてみたり、雑なオリジナル料理を考えてみたりするだけで、なんか楽しくなっちゃうので、本当にすごいゲームでした。

ろくなもん作ってない

 誰か一人ぐらいはグズグズにできへんかな? と目論んでいたのですが、心中ごっこを持ちかけた自傷癖のあるキャラさんはしっかり自我があったのでフられ(心中ごっこは付き合ってもらった)、レイプ寸前まで行ったサキュバスの人はなんだかんだ健全(本当に?)な仲に落ち着いたので、当初の狙いからは外れた感じになっちゃいましたね。楽しかったので全然問題ないですが。でも次回似たようなキャラをやる時は絶対誰かを骨抜きのグズグズにしてえ~~~!!!!って思います。
 え。巨大なキャラまたやるの? こんなに大変だったのに……


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