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「ふだん食べてるお米でお酒を造ったら」を勝手に振り返る

突然ですが。いい日本酒といえば…
 お米をしっかり削ったやつ!
 飯米(いつも食べているご飯)は雑味が出るから、酒米!
 きれいなお酒!

というのが従来のイメージだったかなぁと(少なくとも私は)思っていたのですが、じわじわと増える低精米の日本酒。

「本醸造」の精米歩合は70%以下。いつも私は混乱するのですが、70%を残して30%以上を削ったお米。そして、「吟醸/純米吟醸」は60%以下(40%以上サヨナラ!)、「大吟醸」は50%以下(半分以上サヨナラ!!)となります。

精米歩合については、こちらの記事の図が見やすいのでオススメ。

私が、日本酒を飲み始めたころ(10年前くらいかな…)は、なんとなくキレイなお酒がいい感じ、大吟醸とかオトナだ!(という謎の思い)と背伸びもあって好んでいたのですが、酒蔵を訪れたり、日本酒に関する記事を読んだり、農家さんに会うにつれて、「お米の味がする!」気がするお酒をより好むように。

そんな中で、宮城県名取市閖上(ゆりあげ)の佐々木酒造店で酒造りをする立川くんがはじめた、ふだん食べてるお米でお酒を造ったらという宮城県名取市さんのひとめぼれのお酒造り。

酒造りの工程はこんな感じで流れていくそうです。

地元のお米を使ったローカル感や、これまでのお酒造りとはもしかしたら違う可能性を探る「クラフト」感が低精米のお酒って面白いなぁと思っていたところだったので、流れていってしまう酒造りの過程をとまとめてみたくなりました。

以下、基本Twitterからの転載ですがよろしければ、流し見でも!

精米・洗米

はじまったのは2020年3月はじめ。

Twitterに流れてきた立川君の投稿。お米をやたら精米している様子。

コイン精米機って、場所によってはなじみ深いと思うのですが、私(愛知県豊田市のサラリーマン家庭育ち)は宮城に来てから馴染み深いツールに。お米の種類ももちろんですが、精米歩合を変えて食べるお米のバリエーションも増やせるのか!と楽しくなりました。(といいつつ、玄米・精米されたお米を買ってしまうことも多いですが。汗)

そんなことも振り返りながら、大量のお米を精米する立川君。農家さんか飲食店のお手伝いでも始めたのかな?と思っていたら。

デデン!

という発表。これはなんだかワクワク、お米好きとしてワクワク、日本酒好きとしてもさらにワクワク。

こんなお酒がつくりたい、と宣言(実際どうなったのだろう…)

精米からの洗米。

普通に食べてるお米、浸水しても割れてるとか意識したことがなかったのですが、割れるのか!という驚きも。

蒸し

そして、食べるお米と同じように蒸します。あ、でも、食べるときは炊きますね!いや、でも炊くと蒸すの違いって…?と思ったらこのような記事を見つけました!

ということで、炊かずに、お米が蒸されていきます。

お蒸かし、という言葉もですが、ちょこちょこ酒造りの単語の「やわらかさ」、「日本らしさ」にも日本酒の魅力を感じたりします。

製麹

麹室(こうじむろ)に引き込む、というのも実際の作業の所作をあらわしている感じが、個人的に好きな言葉です。

この辺は、何がおそるべし!なのかわからぬまま、ふむふむと見てまして。

9時出勤!が4時!とか夜通し定期的に起きて作業するとか、子育てみたいだなぁ、なんて思ったりもしてしまいます。(子育てをしたことはまだありませんが、聞く分に近しいものを感じてみたり。)

破精込み(はぜこみ)
植物が土の中へ根を生やすように、コウジカビが蒸米の中へ菌糸を伸ばしていくこと。

写真を見るには、なんかおいしそう。スナックみたいですね(笑)

酒母造り

酛立て(もとだて)
蒸米、麹、水を混合すること

酒母1日目

ここからが「はじまる」感なのですね。でも、確かにこれまでは「お米」との付き合いだったところから、グッとお酒感が高まる様子もうかがえます。

高温糖化酒母
イメージとしては、麹米と蒸米を高温状態にして一気に糖化させ、冷却しながら乳酸と酵母を添加していくという技法。

で造るそうです。

水とお米で造られる日本酒。素材がシンプルなだけに?なんだか繊細な様子です。

酒母2日目

お酒のブクブクする姿が好きなので、よりワクワク感が高まってきました。

酒母3日目

なんだか写真としてはおかゆの様相に見えます。

酒母4日目

なんだかいろんな工程が進むよう。

そして、いろんな要素が。

酒母6日目

え、一緒なの?味はどうなるの?とそわり。

酒母7日目

宮城A酵母とかなんかローカル感、地酒感あって良いですね。

きれい!

酒母8日目

お米とお水でつくるのに、いろいろな香りが立ち上がるのもおもしろいですよね。

酒母9日目

枯らす、というのなんでだろう。と思ったらweblioに。

weblioさんなんでも教えてくれますね。すごい!

酒母10日目

添えるっていう言葉も所作っぽくてうつくしいなぁと思ったりします。

仕込み

いよいよ工程も終盤になってきました。

仕込みの工程は、段階を経て行われるそうです。

ということで、仕込みがスタート!

ここからはブクブクが活発になり動画になります。酒蔵さんによっては「酒造り唄」というものが作業中に歌われるそうですが、このブクブクを見てたら、なんだか歌いたくもなってしまいそうだなぁと想像してしまいます。

しかも、「踊り」という名の工程まで。

汲水歩合(くみみずぶあい)
総米重量に対する汲水(仕込水)量の割合のことで、%で表す。通常は留添までの総米(三段総米)の重量に対する汲水量の割合をいい、125~130%が普通である。
汲水歩合=(留添までの仕込水(リットル)/留添までの総米(kg))×100
また、酒母の汲水歩合とは、酒母の総米重量に対する汲水量の割合をいう。
日本酒造中央組合ホームページより)

いよいよ日本酒まであと一息!もろみの段階まで来ました。

もろみ1日目

もろみ2日目


もろみ3日目

もろみ4日目

気が付けば、お酒になるまでがカウントダウンされていました。カウントダウンできるんだ!と。(いや、でもできないのか「くらい」って付いてますね。笑)

もろみ5日目
水足すと、酵母はより働くんですね。

ぶくぶく

ちっちゃい酵母の働きで、これだけの量がぶわぁぁぁぁって膨らむのがおもしろいですね。

もろみ6日目

もろみ7日目
いつの間にか、アルコールになっている。けれど、日本酒らしい度数まではまだかなぁという雰囲気です。

自然任せ!ではもちろんなく、温度や成分をはかって作業を調整しているんですね。
もろみ8日目

もろみ9日目

もろみ10日目

もろみ11日目
アルコール度数もあがっているようです。

もろみ12日目
どんどん出てくる果物のような香り。ふしぎです。

もろみ13日目

もろみ14日目

カウントダウンがざっくりしてきました。笑

もろみ15日目

もろみ16日目

もろみ17日目

もろみ18日目

もろみ19日目

もろみ20日目

搾り

もろみ21日目
ついにお酒に!!!
精米から数えて約1.5か月ついにこの日が!

飲める日が待ち遠しいと思っていたらと思ったら、素敵なラベルがリリースされました!

そして今の時代らしいユニークな販売スタイルでの販売が決定!

日本酒を飲むとき。お酒自体のおいしさはもちろんですが、やはり食べ物と、食べる人といろんな要素が相まってますますおいしくなる。
お酒と一緒に、造り手が、酒蔵がいつもつながっているお店と一緒に「おいしい」シーンのきっかけを届けてくれるプロジェクト。

どんなお酒、どんなレシピが届くのか。今から楽しみです。

限定820本!

気になる方はぜひ!

以上、でした!


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