見出し画像

街コンで逆ナンした男性が、私に天職と夫を連れてきてくれた

あれは、私がまだ婚活に明け暮れていた4年前のこと。

ある日、真っ青な顔で仕事をしている私に、職場の先輩から「あんた、仕事してる場合じゃない。結婚しなきゃ。いい街コン見つけたから、行って来なさい」と言われた。

街コンの日を確認すると、その日は平日。「平日の昼間だし、会社休まないといけないから……」とブツブツ言っていると、「会社のことはいいの!自分の幸せを考えなさい」と、さらに背中を押す先輩。

しかし、よりによって。当時36歳の私に、なぜバーベキュー式の街コンなのか。それも平日。

もちろん、上司に報告したら「馬鹿じゃないのか」と怒られる……はずだった。

上司:ビッグチャンスじゃないか!会社休んで行って来なさい!
私:えっ……。いいんですか?

結局、職場の人に押されるように街コンを予約し、1人で向かうことになった。まさか、そこで私の運命をガラッと変える出会いがあるなんて思いもよらなかった。

参加した街コンには、リア充っぽい若者、ギラついた大手テレビ会社の男性、オタク風の中年などなど。20〜40代のバラエティ豊富な男性が集っていた。

ギラギラTV野郎は可愛い子を見つけてはガンガン口説いていたし、若者は下を向いてるだけだし、オタク風の中年が「オレ!40代!40代!いいかな?いいかな?」を連呼。開始10分にして、既に飽きてきた。帰りたい。

そんな中、ふと必死の形相でせっせと肉を焼くイケメンの姿が目に飛び込んできたのである。

そこで肉食36歳の私は、イケメンめがけて走って近づき「すいません!お兄さんめっちゃかっこいいですよね!」と話しかけると、イケメンは私の顔を見るなりすぐさま

「いや、僕結婚してるんで無理です。すっっっごい美人の奥さんがいるんで!!

奥さん、めちゃくちゃ可愛いんです!あと、もうすぐ赤ちゃんも生まれるんです!だから無理!それに、僕はスタッフです!」と言いながら困った顔をした。

なんとこのイケメンは、街コンなど多くのイベントを主催する会社の社長だったのだ。なるほど、どうりでオーラが半端なかったし只者じゃないと思った訳だ。さすが私、お目が高い……って既婚者じゃダメじゃないか。

私はすぐさま「すいません!じゃあ、またいいイベントあったら紹介して下さい!」と伝えると、社長は「あ、ああ。またイベントたくさんするから、呼びますね。

僕は無理だけど!僕は無理だけど!(これを数十回連呼)いい男いっぱいくるから紹介できますよ。」という流れで、私はイケメン社長と連絡先を交換することになった。

その後、社長のタイムラインに「街コンサイトのライター募集」案件が登場。

正直、仕事になるかどうかさえも危ういのに、どういう訳か私は「これだ!」と思い、速攻で応募した。


自信なんて、なにもなかった。強いて言うなら、ブログ歴10年以上。

文章力に自信はないが書くのは好き。中学の頃に読書感想文が二回入選。

かつて同級生に「読書感想文良かったよ!感動した!すごい!」とめちゃくちゃ褒められたことがある。

微かな思い込みと根拠のない自信が私の背中を押した。

ライターに応募すると、社長から「文章を見せて欲しい」と言われた。私は、当時連日1000PVあったアメブロの婚活ブログを紹介。ブログを見るなり「よし!採用!」となり、私のライター人生は始まった。

それでも、最初の頃は「本当に私にできるのだろうか?」と不安で胸がいっぱいだった。

そんな時、社長から言われた言葉が今でも私の背中を押し続けてくれている。

「正直、まったく期待してなかったんだ。本当に書けるのかな?と思ってた。でも、ブログや文章見て思った。こりゃすごいなって!天職だなと。

君は、そのうち凄い稼ぐライターさんになってるとおもう」

社長がスタッフの皆にご馳走してくれた時、真面目な顔でポツリと私にこういった。正直、今でもそんなに凄い稼いでいるという訳ではないかもだけど(相場がわからない)、個人的には満足している。

あれから継続して4年続いているのも、我ながらすごいと思う。Twitterでライター志望の方とよく関わるようになったけど、1年続いてる人は僅かだ。とくに、何かに執着してる人ほど潰れてる気がしてならない。精神なのか、何なのかは私もわからないが。で、1年以上続いてる人は息が長い気がする。気のせいだろうか。

もしあの時、社長にあの台詞を言われてなかったら、私は1年続かないライターさんと同じように心折れていたのではないだろうか。

とくに1年目は単価も低いし、心も折れやすい。峠を抜けたら大きな山がたくさん見えるようになるけど、それまでは未経験ライターにとっては地獄の連続だ。きっと、社長は私にとっていい先導者だったのだろう。

なお、社長が私に連れてきたのは仕事だけではない。私の夫を紹介してくれたのも、社長だ。夫は、社長が瀕死状態だった時にお世話になった病院の人間だ。

5年前、あの日あの時。バーベキュー街コンに参加して、社長に声をかけてなければ。本来なら、既婚スタッフという時点で「あっ、ごめんなさい」で引き下がるのが一般的かもしれないが、あの時強引に「次もイベント誘ってください!」と押したことで、私の運命は大きく変わった。

チャンスとは、自分の行動次第でいくらでも掴めるものだと思う。「これだ」と思ったら、諦めてはいけない。ただ、既婚者に逆ナンしてはダメだけども。

もし、社長と出会っていなければ、私はライターにもなっていなければ、結婚もできなかったかもしれない。夫の顔を見るたびに、社長には感謝している。

#人生を変えた出会い #出会い #街コン #結婚 #ラッキー #フリーライター #ライター #感謝 #ありがとう #既婚者 #運命 #分岐点 #仕事 #フリーランス #イベント #スタッフ #チャンス #同級生 #作家 #ナンパ









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?