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【入院生活 #2日目】苦しいのは気管支ではなくて心臓… 心電図モニターの携帯ポシェット姿が始まった日

こんばんは、@hanamizukiです。

*医療表現はお医者さまからの説明を私なりに解釈したものを書いていますのでご了承ください。


息子の血痰の嘔吐後、どのような感じで夜を過ごしたのか記憶が曖昧です。抱っこをして子守唄を歌って、落ち着いた様子の息子を寝かせますが、苦しいのか息子は1時間ごとに目を覚まし、「おかー」「おかー…だっこ」と、私を呼びます。

水分を取らせ、抱っこをしてまたユラユラ、落ち着くと息子は、また「ねんねする…」と横になりますが、また起きてを繰り返すうちに、外が明るくなってきて、窓の外の雰囲気が見えてきました。
小児科入院病棟の真向かいにある建物は、大人の入院病棟になっているようで、カーテンを開けている部屋が数室あり、朝早く起きた高齢の方の姿が見えました。

朝の陽ざしで目を覚ました息子は、ベッドの縁に腰掛け、目も虚ろにぼーっとしています。点滴が差し込まれた左腕は固定され、心電図モニターのシールが胸に貼られています。

この日から1ケ月後の一時退院日まで、心電図モニターが入ったポシェットは息子にとって大切なお友達になりました。
入院一日目から、息子はこのポシェットを、理由はなぜかわかりませんが嫌がりませんでした。まるで「大切なバッグを渡された」といった感じで、大人でもちょっと重みを感じるので疲れそうだなと思っても、シャワーの時、寝る時以外、嫌がらず首からさげていました。

私にとっても、一時退院の不安な生活中、心電図モニターのAIなり携帯型のものを渡されていたら異変がすぐわかったのかなと考えたり… あの時不安だから退院しないという判断をしていたら、この心電図モニターが異変を即座に感じ取ってくれたのかな…とか、あの時やこの時っていうのは、子供を亡くした親なら考えることかもしれませんね…

朝ご飯後、昨日とは違う先生がやってこられて(これ以降、S先生とします。S先生は関東や関西で小児循環の経験をされてきた先生で心臓移植などの小児も担当されたことがある先生でした)、改めて症状と今後の検査方法の説明を受けました。
S先生の話では、県立病院でのレントゲンやエコー検査などから、恐らく心臓が肥大していることによるものが原因で肺にうっ血していたものを吐いたと思われるとのこと。心臓の膜が原因のようにも見えるし、心臓の筋肉なのかもしれない。これから、検査を行う前に、普段の心臓の動きを見たいので、利尿剤により体の水分調節をして、心臓の負担を減らしながら、レントゲン、心電図やエコー検査を予定している。そのデータを集めて、心臓カテーテル検査やMRI、必要な検査をしていきたいと話がありました。

昨夜聞いていた、収縮性心膜炎のほか、拘束型心筋症、拡張型心筋症の疑いも念頭にあると、この時聞きました。
心筋症の種類によっては、完治しない、治療方法がない、内服しながら心臓を守り、いずれは「心臓移植」しか今のところはない…と、先生からの説明のワードが、聞いていても何を言っていることなのか、ついていけずにいましたが涙だけが出てきます。

「たった一人の子なので、なんとか助けてください。よろしくお願いします」と伝えるのがやっとだったということは覚えています。

この日は、午前中にレントゲンと採血、午後は心電エコー検査となりました。

エコー検査が終わって部屋に戻ると、看護師さんがきて「貧血の症状があるのでこれから輸血もします。」と説明がありました。記憶だと140CCだっと思います。熱もあったので氷枕をし座薬も入れました。

息子は、昨日一日の泣き疲れや初めての検査だらけで緊張もあったせいか、エコー検査前の眠るお薬がよく効いているようで、座薬を入れても起きる気配もなく、この日は夜中まで安心したように眠り続けていました。

苦しかったのは心臓だったんだ。
どうしてどこでも気づかなかったの?
どうしてどこでもレントゲン検査がなかったの?
どうして心雑音が聞こえなかったの?
たくさんの開業医たちは何を見てたの?

息子は、お座りをし始めた頃から、時々、呼吸の仕方に気になるところがありました。お座りをして集中して玩具で遊んでいる時「ん、はっ」「ふ、はっ」というか、なんだか苦しそうなそうでもないような…。1歳になったばかりの春に、肺炎での一回目の入院の際、県立病院の先生にもそれを伝えたのですが「その子なりの苦しいときの呼吸の逃し方、クセかも」と、もう少し大きくなってくるまで様子をみましょう、と言われこと、そして、1歳の頃から3歳の春ぐらいまで、かかりつけ医としていた開業医の先生にも、mili君、苦しそうだね、とは言われはするものの、毎回、mili君は抗生剤を出しておくね、と、抗生剤の処方で終わりでした。所謂「風邪症状」として、血液検査もレントゲン検査やなく、大きな病院への紹介状もありませんでした。肺炎の経験もあるし、気管支が弱いのかな…。と思うしかなかったのです。

悔しさと情けなさ、親としてのふがいなさに、また涙が出てきます。


もうすぐ、2回目の月命日がやってきます。

mili君、いなくなるのが早すぎるよ。






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